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カンボジア地雷除去支援

江角泰 (えずみ たい)

NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。

【Vol.53】地雷原から議場へ、議場から一般市民へ~対人地雷禁止条約第11回締約国会議から

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 2011年11月28日からカンボジアの首都プノンペンで、対人地雷禁止条約(通称‥オタワ条約)の第11回締約国会議が開催されました。これにテラ・ルネッサンスからは、私と現地スタッフのボレンが参加しました。私は、プノンペンでの別の用事もあり、会議場を出たり入ったりで、なかなか会議の方へ集中できませんでしたが、その代わりに、ボレンが会議場に張り付いて報告してくれました。
 この会議の目的は、〝地雷のない世界〟を達成する過程において、現在どれだけ達成できていて、まだどういった課題があるかを評価することです。100に近い政府代表団、国際団体(国連や国際NGOなど)、カンボジアと世界中から市民と地雷生存者がプノンペンに集まりました。条約に加盟している締約国の他に、条約を締結していない非締約国もアメリカやミャンマー(ビルマ)など15カ国が、この会議に参加しています。

 この会議の開始前の11月27日には、政府代表団を対象にしたフィールド・トリップが行われ、イギリス政府を始めとした代表団が、議場のあるプノンペンから300キロ以上離れたバッタンバンにある地雷撤去団体MAGの地雷原を視察しました。その視察後の昼食時に、クメール伝統音楽の復興と継承を目指したプロジェクトにより設立した、オッチョンボック村の伝統音楽楽団が演奏を披露することになっていたため、テラ・ルネッサンスの現地スタッフたちは、楽団メンバーを村まで送迎しに行っていました。この中には地雷被害者の演奏者も含まれています。こうしたフィールド・トリップは、会議がカンボジアで開かれる大きな意味を持つことになると思います。一般的に政府の代表団や政治家たちは、その国のエリート。地雷原の残るような場所をテレビのニュースなどでは知っていても、実際に訪れたことのない人たちがほとんどです。会議場は、一緒に行った現地スタッフのボレンだけでなく、私でさえも圧倒されるほど大きくて美しいピースパレスと呼ばれる建物。そうした人たちが、地雷の危険性など感じることのできないカンボジアで最も発展した首都のプノンペンで、快適なクーラーの効いた会議場と高級ホテルだけを往復していては、どれだけイマジネーションを働かせたとしても、会議の内容が無味乾燥なものになりかねません。その意味で、こうしたフィールド・トリップが会議の始まる直前にセッティングされているのは、よく考えられ、重要な意味を持つことがわかります。伝統楽団のメンバーたちは、タイ国境の地雷原の村で生活してきた、いわば辺境の村人たちで、普段こうした外国の政府代表団と会うことなどありえない人たちです。そうしたこの会議に最も参加しなければならない人たちと、実際の会議で発言する政府代表団が接点を持つことができるのも、単にクメール伝統音楽を演奏し、歓迎するということ以上に、大きな意味が隠されています。その訪問のあと、夕方の会議の開会式に参加するためとはいえ、政府代表団たちがヘリコプターでバッタンバンからプノンペンに戻ったのには、唖然とさせられましたが……。

 さて、その日の夕方に会議の開会式が開催され、この会議をカンボジア政府と一緒に準備してきたカンボジア地雷撤去キャンペーン(CCBL)のメンバーで、地雷被害者のコサルさんが、議長の挨拶に続いて、スピーチを行いました。子どもの頃からキャンペーン活動をしている彼女ですが、「今でも、足があったらなぁと思うことがあります。私のような思いをする人をこれ以上増やさない努力を世界中が一緒になって進めましょう」というメッセージは、また胸を打つものがありました。

 そして28日から本格的な会議が始まりました。午前中は、各国政府が順番に発表する一般演説です。そこで拍手喝さいを受けたのは、フィンランド。「オタワ条約加盟が国会で採択され、今後数ヶ月で条約加盟の手続きをとります」と発表しました。フィンランドは、以前から「2012年に加盟」と言ってはいたのですが、それが本当になりました。2011年に条約に加盟したツバルと南スーダンの発言も歓迎されました。過去4年間にひとつも加盟国が増えていなかったので、この2カ国の加盟は大きな進展でした。

 こうしたグッドニュースから始まった会議は、このあと12月2日までの5日間に渡って開催されました。2日目以降の会議の様子は、また次号でご報告したいと思いますのでお楽しみに。

江角泰(えずみ たい)

江角泰(えずみ たい)氏
NPO法人テラ・ルネッサンスのカンボジア事業担当者。
大学時代に、NGO地雷ゼロ宮崎のメンバーとして参加した「テラ・ルネッサンスのカンボジア・スタディツアー」が、テラルネッサンスとの出会い。
現在は、カンボジアにおける地雷問題に取り組む他、弊社が進めるラオス支援活動も担当中。
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- カンボジア地雷除去支援 - 2012年2月発刊 Vol.53

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