Q.マーガリンは、なぜ悪い?

今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します

フルタイムに復職してからは毎日忙しく、子どものオヤツが手作りから市販のお菓子になりました。朝食も手抜きになることが多く、最近では食パンにマーガリンを塗っておしまいということも。マーガリンは体に悪いと聞いたのですが、原材料も確認せずについつい食べさせてしまっています。いったい何がそんなにいけないのでしょうか?(園部市・やんちゃ盛りな3歳男児の母より)

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A.健康的な食生活を目指しつつマーガリンやスナック菓子は控えめに

答える人 中川信男

 マーガリンはバターと同じ、もしくは、バターの代用品だと思っている方が多いようですが、それがそもそもの間違い。原材料も作り方も異なります。バターは生乳の乳脂肪分から作られますが、マーガリンは乳牛に餌として与えていた大豆やトウモロコシから、直接、油を搾って水素を添加し加工します。水素を入れるということは高温処理、つまり、酸化させることなので、そこで狂った(トランス)油ができるのです。バターと比べると、安価で簡単に作ることができます。

 マーガリンの製造工程で生成されるトランス脂肪酸は、アメリカなどの諸外国においては含有量を制限、もしくは表示が義務づけられていますが、日本では規制されていません。よって、おのおので気をつけるしかありません。トランス脂肪酸の含有量が高い油ほど、血液中の中性脂肪と悪玉コレステロールが増加し、善玉コレステロールが減少します。

 牛肉・羊肉、牛乳、乳製品などに含まれる天然由来のトランス脂肪酸もありますが、化学的に作られたマーガリン、ショートニング※、植物油脂などは、トランス脂肪酸の含有率が高いのです。循環器系の炎症リスクを著しく高め、心臓発作や脳卒中の原因となる動脈硬化や血漿脂肪の増加、ひいては糖尿病や認知症なども引き起こすといわれています。

 WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の一日当たりの摂取量を摂取エネルギーの1%未満にすることを勧告しています(日本人の場合、1人平均2g程度)。マーガリンは植物由来のためカロリーが低く、ダイエットのためにバターではなくマーガリンを好んで買う人も多いと聞きますが、それでは本末転倒です。植物油と植物油脂は全くの別物で、植物油脂は前出の通り、トランス脂肪酸です。また、コンビニやスーパーに並ぶスナック菓子や洋菓子、ファストフードなども、基本的にトランス油で作られていると思っていいでしょう。

 トランス脂肪酸は摂れば摂るほど体に悪影響を及ぼしますので、食べないに越したことはありません。とはいえ、全面的に禁止すると、つい食べたくなってしまうもの。僕もスナック菓子が好きですが、たまの息抜きに、ほんの少し食べるのはアリかもしれません。日々の食事を本当にいいものにスイッチしていけば、体に悪いものには、だんだん魅力を感じなくなるはずですから。

※トランス脂肪酸の最たるものでマーガリンから水分と添加物を除いた純度の高い食用油脂。