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転ばぬ先の栄養学

【Vol.30】「カルシウムと健康について」(その3) カルシウムの不思議な現象(カルシウムパラドックス)

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 カルシウム濃度は体内で微調節されますが、老化とともに次のような狂いが生じてきます。

1.食事から摂取するカルシウムが不足している上に、輪をかけて食が細くなってくることにより、カルシウムやビタミンD(カルシウムの吸収を促進する)の摂取量も減少する。
2.腎臓機能の低下により、活性型ビタミンDの生成量が減少する。
3.腸力が弱まり、腸管からのカルシウム吸収能力が低下する。
4.特に女性は、骨から溶出するカルシウムを防ぐ働きのある女性ホルモン(エストロゲンやカルチトニン)の分泌が激変する。

 これらの要因が重なった結果、必要以上に骨から溶け出たカルシウムは、血管や心臓、脳などの細胞内に入り込み、溢れた状態で貯まります。口から摂るカルシウムが不足しているのに、細胞内ではカルシウムが増加するという現象を、カルシウムパラドックスといいます。口からのカルシウム摂取を怠って生活することは、我が身を削って生きるということであり、長年に渡りカルシウム摂取を怠ると、骨がスカスカの状態になる骨粗鬆症や、腰が曲がる脊柱側彎症などになりやすく、取り返しのつかないことにもなりかねません。

 また、血液や細胞内のカルシウム濃度を一定に保つ調節機能に狂いが生じて、骨から溶け出たカルシウムが体内に溢れ出すと、そのカルシウムやコレステロールなどが動脈壁に沈着して内腔が狭くなったり、肥厚、硬化して血液循環の障害を起こす動脈硬化に陥ったりします。これが脳の動脈で起これば脳梗塞や脳血管障害になり、心臓の冠状動脈で起これば心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患になります。今、私達にとって最も大切なことは、吸収の良いカルシウムを日々の食生活の中で上手く取り入れ、家族全員がカルシウム不足状態に陥らないように気を付けることです。日本人にとってカルシウムは忘れてはならないミネラルであり、これぞ、正に「転ばぬ先の栄養素」なのです。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。

- 転ばぬ先の栄養学 - 2010年2月発刊 Vol.30

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