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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

【Vol.69】“らく”だから自然な育児

投稿日:

ミルクなしを自然に選べること
 前回の最後に「規格化された子育て」という表現を使いました。子育てにも国の規準があります。母子手帳には、ご存じ「身体発育曲線」が入っていて、月齢・年齢ごとの子どもの体格の幅が明確にされています。保健所の指導を拝聴して、すくすく規格どおりの健康な子が育つなら、それはそれで楽ちん、手間なしです。
 でもそうならないことも多いのが、子育ての大変なところ。最初の関門は、赤ちゃん誕生後の義務である一カ月健診です。身体発育曲線の最低値より体重が少ない赤ちゃんの母親は、「母乳が足りないからミルクを足してください」と指導されます。わ
たしの周囲でも、子どもが機嫌良く大きくなっていても、そう言われてミルクを足した母親が何人かいます。
 厚生労働省による、2010年の身体発育調査の結果によると、生後一カ月の時点で母乳栄養の赤ちゃんは、51.6%となっています。その時点で、約半数が、赤ちゃんに粉ミルクをあげているということ。半数もの人が、適温に作るのも片付けも面倒な、ミルク育児を新生児相手にやれるだなんて、子どもを規格通りに育てることへの圧力は、ずいぶん大きい、と痛感します。
 言い換えれば、子どもを自然に(がんばらずに楽に)育てるということは、「ミルクを足して」と言われても、ミルクをあげないという選択が、自然にありうる育児です。
 あなたはおっぱいが出たからそんなこと言えるのよ。という反論をいただくかもしれません。「足りない」ことで自分を否定された母親が、「ミルクをあげない」という結論を出しづらいのは、私も母親ですから、わかります。でもおそらく私は、自分がそ
う言われても、子どもが不満のない様子に見えたら、おっぱいで通すだろうと思います。
 なぜそう言えるかと言うと、わたしの2人の子どもたちは、上の子は2300グラム弱、下の子は2200グラム弱という低体重で生まれています。その小ささで「自然分娩」を選択するのには、それ相応のハードルがありました。
 2人とも満期産で、在胎期間も2日しか変わりませんから、わたしはそういうおなかの(あるいは生命力の)母親であるようです。規格にあわずに産まれてきたうちの子たちは、ぐんぐん大きくなり、規格上ありえない成長率となるので、低体重児向け健診でも何も言われません。たまたま私は、経験豊かな助産師さんや、おじいちゃん産婦人科医や、おじいちゃん鍼灸師さんに、「小さくても元気な子はいる」と教えていただけたのが幸いしました。 

判断の基準
 そんなこんなで、一番身近で子どもを見ている親の本能は、とても大切だとわたしは思っています。ミルクを作るよりおっぱいぽろんのほうが自分にとって自然で楽だと感じられたら、それで子どもに支障がなさそうだと動物として思えるなら、結果は「当
たり」なのだと思います。
 そこで「ネグレクト 育児放棄」との大きな違いとなるのは、その判断に下支えがあるかどうか。からだを見られる複数の専門家の意見であり、自然な手当て、自然な食生活の知識です。
 去年の冬、子どもたちの保育園で、クラスメートが風邪で嘔吐したときには走って部屋の外に逃げるように、という保育士さんの指導があり、驚きました。吐瀉物と同じ部屋にいるだけで感染するからだそうです。すごい話です。当時1歳代の下の子は、
ウイルス性胃腸炎などもらってきてましたけど、上の子に下の子のはやりやまい流行病が移った試しはないのに。4歳児クラスでも、からだにあるのは免疫でなく病気の火種、という子のほうが多いということなのでしょう。
 ここで、低体重で生まれても健康です、と言うこともできますが、その免疫力の違いは、薬物治療と自然治癒の違いだとわたしは思っています。うちではわたしが子どもの手当てをしつつ、子どもが自力で治すのが普通です。ぐったりした子どもを連れ
ての診察待ちも避けられ、何より、簡単で薬代もいらず、早くすっきり治るので、全体がとても楽。次回はそんな「自然な手当て」の話をしたいと思います。

『小児科医が教える
親子にやさしい自然育児』
スーザン・マーケル(著)
望月 索(訳)
山田 真(解説)
出版社:草思社
『親子で楽しむ!おむつなし育児』
ローリー・ブーケ(著)
望月 美和(訳)
三砂 ちづる(解説)
出版社:河出書房新社


望月 索(もちづき・さく)

5歳と2歳の2女の母。不摂生も極まった37歳で妊娠。高年出産のうえ当然のようにトラブル妊婦だったが、産婦人科の方針とソリが合わず、近所の美容院で助産院なる存在をたまたま知ったことで、自然分娩へと舵を切る。
トラブル妊婦が自然分娩できるからだを作る過程でライフスタイルは真逆に変化。気づくとハードコアな自然派お母ちゃんに。
編集、ライター、プレマの東京スタッフの1人。

- 楽だから自然なお産~高齢出産編~ - 2013年6月発刊 Vol.69

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