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中川信男の一問一答

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.33】減塩についての情報、どれが事実なのでしょうか?

投稿日:

質問:
医師から減塩のために、塩を可能な限り控えるように言われています。しかし御社の情報では、過剰な減塩はいけないとおっしゃいます。いったいどちらが事実でしょうか。(東京都Y様)

答え:
まず、一番最初に申し上げなければならないことがあります。それは医師法第17条の規定です「医師でなければ、医業をなしてはならない。」と条文にありますが、簡単なようで非常に幅広いことを定義しています。簡単にいえば、病気の治療や診断などは、医師が独占的に行えるものであり、他の人はしてはならないし、医師であっても直接の診断をすることなく治療や投薬を行ってはならないと定義しているのです。これは法律による規定ですから、絶対的に守る必要がありますので、ご質問に関しては「医師の指導に従ってください」と答えるほかないのが実情です。

 実際、弊社には健康に関するご質問が寄せられています。商品の情報については回答することができますが、個人的な病気治しの指針を申し上げることはできないことをどうぞお酌み取り下さい。実際の現場においては、ご自身で勉強された情報と、医師のアドバイスが異なることがあるのはご存じの通りです。特に、投薬の方針と食事やサプリメントの選択に関する方針は一致しないことが多いとお感じになっているのではないでしょうか。最終的にはすべてご自身で判断する必要がありますし、医師であっても異なる見解、異なる方法をお持ちのケースはたくさんありますから、ぜひ納得がいく医師に出会えるように、アンテナを張り巡らせていただきたいと思います。

 さて、塩は減らすべきか、という件について一般的な話しになりますが、塩の生理的な研究というのは進んでいるようで、実はほとんど研究もされていないし、神話のような話しがたくさん出回っていることも事実です。驚くべきことに、日本では塩は法律上、いまも食品衛生法下には存在せず、財務省管轄となっているのです。塩は国家的な戦略物資であった(あり続けている)ことを物語っています。2002年までは日本国内において塩は自由に販売することができず、イオン交換膜によって精製された「食塩」や、精製塩に苦汁を追加した塩だけを自由に買うことができました。それまでに大半シェアを占有したイオン交換膜によって塩化ナトリウム99%以上に精製された塩は、天然海塩がそもそも含んでいる多種多様なミネラルが除去された状態でした。厚生労働省などが「塩分濃度が高い食事をする人は胃がんリスクが高まる」と、統計的な根拠としているのにはこの精製塩が使われているという現実があります。高血圧や腎臓、心臓病リスクがいわれるのにも同じような背景があると推察され、純粋な塩化ナトリウムは疾病リスクを高めることはどうやら間違いなさそうです。

 しかし、私たちは現時点において、塩を自由に購入し、選択できるようになりました。ミネラルを含んだ天然の塩には多種多様な種類があり、ここでそのことを説明するスペースはありませんが、できる限り昔ながらの方法でつくられた塩には数え切れないほどのミネラルが存在し、これらのミネラルが総合的にどのような働きをするのかはよく分かっていないのです。お隣の韓国では、ほとんど塩研究がされていない日本と違い、天日塩やそれらがもつミネラルの研究を国家予算をつけて国営の施設で研究を始めており、精製塩とはまったく違う生理学上、つまり健康上の効果が解明され始めています。私も先日、このセンターを訪問し教授たちと交流してまいりましたが、日本人一般の塩認識とは全く違うことが結果として分かってきているようなのです。先生方は自身の研究の結果からか、ずっと天日塩からつくられた特殊な焼成塩を持ち歩き、食事や飲み物に添加して食べておられました。これらが高血圧や糖尿病、加齢障害、美容、アレルギーなどに効果的であるという論文も次々に発表されており、私は日本の認識との大きな落差に驚きを隠せませんでした。

 私たちが陥りがちな落とし穴のひとつに、「この成分はどう働く」という断片的な見方があります。塩に限らず、食品がもっているの成分の一つ一つを研究していけば、薬になると分かったり、逆に毒になるとされたりするものもたくさんあります。しかし、食事をするということはそれら一つ一つを単独で食べることではなく、調理や加工を経て、他の食材と合わさって体の中に入っていきます。医薬の開発はそのように特定の成分が体内でどのように働くということを明確にして、設計されていくものですが、食事は違うのです。玄米食が薬であるという人と、毒であるという人がいるのにはこの認識差があり、一物を全体としてみるのか、ただの成分の集まりとして見るかの世界観の違いがあるといっても良いでしょう。

 塩は白い金とも呼ばれ、ガンジーはじめ歴史上に名を残した人物たちはその大切さをよく認識していました。古来からの方法でつくられた塩には、白い金としての充分な価値と効果があったことでしょう。しかし人間はより安く、より大量に同じものをつくり出す技術を発見し、それをいのちの糧でもある食品にも応用し始めました。これが農薬や化学肥料に代表される化学物質による食糧生産の方法であり、安定供給と見た目の美しさが満たされる一方で、食べ物としてのエネルギーが失われてきたことはご存じの通りです。特に土壌の力が失われてしまったことで野菜の微量ミネラル不足は著しく、これを補う意味でも太陽や風、火の力を内包できる古来の方法で作られた塩の有用性は高まっていると私は考えています。これをしっかり食べていくことが、健康上のデメリットになると考えるのはもったいないように思います。

- 中川信男の一問一答 - 2010年5月発刊 Vol.33

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