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こまごめラオス滞在記

駒崎 奉子

ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

【Vol.31】市場へ行こう!

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 今では買い物へ行くとなればスーパーへ行くのが当たり前ですが、実はラオスには日本にあるような総合的スーパーが存在しません。コンビニは最近増えてきましたが、それでも24時間ではありませんし、雑貨屋のほとんどが個人経営の商店で、遅くても夜8時には店じまい。随分と早いものですが、それだけ朝が早いのです。4時には起き出して、市民の台所である市場へ出かけます。ラオス語では「タラート」と呼ばれています。

 首都ビエンチャン市内には生鮮食品・衣料品・その他雑貨などを扱う総合的な市場が2箇所あり、早朝の暗いうちから出荷作業でごった返しています。出荷物を積んだトラックやトゥクトゥク(三輪タクシー)のけたたましい騒音とともに市場の朝は始まります。荷台にキャベツをしこたま詰め込んで田舎町から何時間もかけてやって来る車、後部座席に荷物を積めるだけ積み、後ろから見ると面積が3倍以上にふくれあがっているようなバイク、またアヒルや鶏を生きたままぶら下げてやってくる車もあります。それらはそのまま売られることもありますし、場内で解体される場合もあります。

 場内では各農家がスペースを割り当てられ、野菜や肉を無造作に並べて売っています。ここの基本は量り売りなので、価格が表示されている場合は1kgあたりの値段です。欲しいだけ選んで量ってもらい、相当のお金を払えばOK。

 市場の中を簡単にご案内しましょう。まずは八百屋。日本にもよくある野菜のほかには、葉物野菜、香草系が充実しています。そのまま麺類のスープに入れたり、茹でて食べたりすることが多いようです。次に果物屋です。南国ラオスでは果物屋も見所の一つ。特に雨季になると、色とりどりのフルーツが並んで、見ているだけで楽しくなります。マンゴー・パパイヤなども1kg数十円で買えてしまうから幸せです。

 肉屋では豚・牛肉が部位ごとに、ある程度の塊になって並べられており、欲しい分量や金額を言うと、なたを持ったおばさんが威勢よく目の前で切ってくれます。ただし鶏は一羽売りが基本。少量を買いたいなら輸入物のパックを買った方がいいでしょう。内臓系も取り出されたそのままで並んでいて、まさに一匹まるごと売っているのです。魚屋ももちろんあり、メコン川の幸がところ狭しと並べられ、たらいの中には細長いウナギがぴちぴちはねています。

 「え?これを食べるの?」と思うようなものでは、昆虫類や蛙、ネズミ、リスなどの小動物が、多くの場合干物になって売られています。田舎の市場ではまだ毛皮のついた捕りたて(?)の状態で並んでいることもあり、山の人々の貴重なタンパク源であることを伺わせます。

 市場へ行くと否が応でも鼻につく独特なにおいがあります。野菜の青臭さと、肉の生臭さ、そして行き交う人々の汗、熱気の入り交じった何ともいえない空気。その中にこだまする売り子の威勢のいい呼び声。ここへ来ると、普段穏やかながらも底力を兼ね備えたラオス人の、力の源を見るようでわくわくするのです。

駒崎 奉子

駒崎 奉子氏
ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

- こまごめラオス滞在記 - 2010年3月発刊 Vol.31

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