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こまごめラオス滞在記

駒崎 奉子

ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

【Vol.35】雨季の楽しみ

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 ラオスには大きく分けて乾季と雨季の二つの季節があります。10月から4月までは雨がほとんど降らない乾季で、5月後半から9月初めが雨季です。日本では梅雨入りし、鬱陶しいと感じている人も多いでしょうが、そのようにじめじめとした雰囲気はなく、むしろ初めはありがたく思えるほどです。

 3月・4月の暑さが40度にも昇り限界に近づく頃、夕方にゴロゴロと黒い雲が現れます。空が曇ったかなと思ったその瞬間から、文字通りバケツをひっくり返したような雨を降らします。その勢いと言ったらものすごく、日本の比ではありません。誰もがすぐさま軒下や木陰に避難してやむのを待ちます。誰もこの雨に抵抗などできない、自然の摂理の前に逆らうことをしないラオス人の姿勢です。しかし激しいのは長くても数十分で、しばらくすれば雨は上がり、むんむんとした空気もそれで一掃されます。雨が上がったあとは本当に空気が入れ換えられたようなさわやかさで、気分も落ち着きます。雨季中盤以降になると雨量は増え、朝からしとしと降り続く日もあります。また、雷も激しさを増します。避雷針がないと言われているラオスでは、音もいっそう大きく聞こえます。

 ラオス人の主な交通手段はオートバイですが、皆、雨の日には雨合羽を着て運転しています。しかしながら雨の日には出かけたくない、出かけるのは億劫だと思うのは皆同じのようで、雨の日には会社の出勤率・学校の出席率は低くなるようです。私が学校に時間通りに出勤すると、反ってびっくりされるということもありました。また、ラオスには天気予報がありません。正確には、地元新聞に小さく掲載されているのですが、誰も気にしていない様子。それはそうです。雨合羽はバイクの座席に携帯しているし、もしなくても、雨に逆らって行動する人はいないのです。実際、毎日同じような天気なので予報する意味もあまりないのですが。

 そんな雨季でも楽しみがあります。まずは果物。雨季に入ってから市場へ行くと、野菜の種類は少なくなりますが、その代わりに色とりどりの南国フルーツが出迎えてくれます。マンゴー・パパイヤ・マンゴスチンなど日本でも有名なものから、見たこともない不思議な形の果物など、しかもそれらが1kg数十円で買えてしまうのです。また一見旅行に適さないと見られる雨季ですが、こんなときこそ地方へ出かけると、普段よりも緑色濃い風景を見ることができます。メコン川の水量も増し、滝の迫力も桁が違います。まさに恵みの雨の力と言えるでしょう。ビエンチャン市内でも豪雨で冠水するところは少なく、比較的水はけがよいので、しとしと雨なら傘を差して散歩するのは問題ありません。その後は喫茶店に入って、気のいいラオス人店員と語り合うもよし。お寺で僧侶と語り合うもよし。

 朝から雨の降り続く休日。おうちで読書もいいですが、ふらっと出かけてみると、いつもとはまた違った街の表情が垣間見られるかもしれません。

駒崎 奉子

駒崎 奉子氏
ラオス・ビエンチャン在住3年。大学卒業後、日本での社会人経験を経てラオスへ渡り、日本語教師をつとめる。現在は日本人学校で教える傍ら、ラオス語翻訳や文筆活動も積極的に手がけている。
「こまごめ」は大学時代に名字からつけられたあだ名。

- こまごめラオス滞在記 - 2010年7月発刊 Vol.35

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