【Vol.86】“ツイテル”人に学ぶ生き方

今年もあともう少し！
　今月号も目をとめて頂きありがとうございます。
　空気が乾燥してくるせいか、私の周りでは風邪を引いている方が多いのですが、みなさまお元気でお過ごしですか？　今年も気づけばあと２ヶ月ですね。今年は出産をしたこともあって、今までで一番早く感じた一年だったかもしれません。年末にかけてご多用になる方も多いと思いますが、どうぞご自愛くださいね。

バスで出逢った美少女
　さて、先日母と、伯母、私、息子で外出した時のこと。息子を抱いてバスに乗り込んだら、一人の少女が「座りませんか？」と声をかけてくれました。結局、母の隣が空いたのでそちらに座ることになったのですが、声をかけてくれたことが嬉しくて、時折笑顔を交わしながら目的地に到着しました。
　すると、その少女がスタスタとこちらに駆け寄ってきて「車いす、大変ですよね。私持ちます！」と言いながら一緒にバスを降りてくれたのです。私も息子を抱いているし、伯母も力が弱くなってきているので車いすの上げ下ろしは大変です。少女のサポートは、本当に助かりました。
　バスを降りた後も、「ここは段差があるから、あっちに車いすを置いた方がいいですよね」とか、「この車いすはどうやって開くんだ？　ん？　こうかな？　違うかな？」と言いながら一生懸命手伝ってくれるのです。その微笑ましいこと。とても温かい気持ちになりました。
　無事に車いすを広げてくれた少女は、ニコニコ顔で「どうぞ！」と母を車いすへ導いてくれました。家族全員でお礼を伝えると「いいえ、お互いさまです！　誰かに親切にしてもらったら、誰かに親切にする！」そう言って、満面の笑みを残し、颯爽と歩いていきました。その気持ちよさに、一同しばらく無言で少女を見送りました。

“ツキ”を呼ぶ法則
　少女を見送りながら、彼女はどんな家族と一緒に生活をし、どんな友達がいて、どんな経験をしてきたんだろうな～と考えていました。親となった今、ご両親の育て方も大変気になるところです（笑）。本当に気持ちの良い子だったから。少女の軽快さ、清々しい笑顔、醸し出す雰囲気からして、きっと“ツイテル”ことが生活の中にたくさんあるだろうなと思います。
　それは、少女自身が創りだしている世界。少女の考え方や行動が、周りの人を包み込み、環境を変え、少女の世界を創っていく。“ツキ”を呼ぶ人は、“ツキ”を呼ぶ環境を、ちゃんと自分で創っているものなんですよね。
　「誰かに親切にしてもらったら、誰かに親切にする！」シンプルで、昔からよく聞く言葉だけれど、彼女ほど誠実に行動に移すことってどのくらいあるかなと改めて考えさせられました。またあの少女に会えるといいな。

片岡　由季

片岡由季氏
武蔵野短期大学にて国際教養学科および秘書コースに在籍。
その後、玉川大学英米文学科に編入。
前職はNPO法人日本ケアフィットサービス協会にて「サービス介助士」の育成に携わり、全国の企業研修を担当。
2010年4月より父である片岡慎介氏の後を継ぎ有限会社ビュージックの代表取締役となる。
現在は、断食道場やサロンなどで「月のお話会」を行い、「なりたい自分」「輝く自分」になる為の月のテンポ活用法をお伝えしている。