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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

頌春

投稿日:

新年あけましておめでとうございます
本年もより一層のお引き立てのほど
よろしくお願い申し上げます

おそらく、読者の皆さまは年末の大掃除でスッキリした新年を迎えられていることかと思います。日本人は年代わりをきっかけに、一年の汚れと穢れを祓い、翌年の幸運を願って、旧年の感謝を込めて八百万の神々をお迎えするためにと、一心不乱に掃除します。身辺を清めることによって心までもスッキリしたいというのは、私たちに染みついた自然な欲求なのです。ものを捨てたり整理したりすると、心まで整うという効果があるわけですが、必ずしもそれだけでは充分ではない、ということもまた真実です。いろいろな執着心をどうしても手放すことができない、という気持ちは、多くの方が実感されているのではないでしょうか。

執着とこだわり

「こだわり」という言葉は最近では肯定的なイメージを持ちますが、国語辞典で引けば、「こだわる」は「拘る」であり、まさに獣を縄で縛るさまからきています。

こだわ・る〔こだはる〕の意味

(1)ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥(こうでい)する。「些細(ささい)なミスにこだわる」「形式にこだわる」
(2)物事に妥協せず、とことん追求する。「素材にこだわった逸品」
(3)つかえたりひっかかったりする。難癖をつける。けちをつける。
[補説](2)は近年の用法。

(出典:大辞泉)

[補説]が「こだわり」を肯定的な意味で使うようになったことは近年であると定義しているため、調べますと、どうも1970年代から意味合いが変わってきたということがわかりました。私が産まれた前後から、大きく意味合いが変化して、今は良い意味での使い方もまた、標準的な使い方になっていることが見て取れます。しかし、もともとの意味合いが示すところは、日本人は永きにわたって「こだわる」ということについて、否定的なみかたをしており、小さなことよりも大局をみるのが大切、という価値観をもってきたようなのです。時期的にいえば、意味合いが変わった頃は欧米型の個人主義が強く影響力をもってきたときと重なり、自然よりも人間、社会よりも個人、家族よりも自分という意識の変化に伴って言葉の使い方がかわってきた、とも推察できます。マクロビオティックとはマクロ(大局的な、大きな、偉大な)-ビオティック(生命の)という合成語であり、古代ギリシャ語のマクロビオスという言葉の展開でもあります。大きな宇宙と人間、健康の関係をとくマクロビオティックですら、ミクロ(微細な、些細な)ことにこだわりを持ちすぎるとミクロビオティックとなり、囚われの象徴のようになってしまいます。たとえ大きな世界観の話であっても、あれはだめ、これは良くないというこだわりや執着の言葉が入り込んだ途端に、ミクロな執着の塊に変質してしまうわけで、私たちはつねにこだわりと執着にこそ、注意する必要があるのです。

手放しを学ぶ

こだわりや執着は、自身の過去の経験と反応をコピーしたものともいえます。何か出来事がおこったときに、過去の悲しく辛かった経験がまた再生され、手の中に握りしめている価値観(コアビリーフ=深く刻まれた価値観や信念)が否定的な反応を引き起こします。このコアビリーフは意識下だけではなく、無意識の世界にも広がっているのが、ことを難しくしています。断捨離で、ものを捨てるということは、この握りしめた何かを捨てることと一部で繋がっていますが、たとえものをばっさり捨てたとしても、心の中に握りしめている何かを捨てるには整理術やゴミ捨て以外のスキルが必要です。逆にものを処分できない深層背景には、意識・無意識を問わないどこかに、この握りしめた何かが巣くっていることが原因かもしれません。「今はそんなにスッキリしていないけれど、いざ必要となれば、すぐどんなものでも捨てたり手放したりできる」と信じている人こそ、実は最も捨てられない、手放せない人なのかもしれません。どんなことにも学びとトレーニングが必要で、捨てるにも手放すにも、その先達から学ぶことが最も確実で近道です。

思い切って捨てたり手放したりした場所には真空の空間ができ、そこには全く新しい何かがやってきます。これは私が個人的に、または会社として何度も経験してきたところであり、固執しても実現出来なかった何かを追い回したりするのは、単なる時間の無駄だとも考えているゆえんです。今号の特集では、その手放し方のプロフェッショナルにお話をお伺いしていますので、ぜひご活用いただき、こだわりの少ない人生を生きていただく一助になれば幸いです。

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プレマ株式会社 代表取締役
中川信男(なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。
1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。
保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

- 中川信男の多事争論 - 2017年1月発刊 Vol.112

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