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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.82】アジアの時代

投稿日:

今年、弊社はマレーシア、ミャンマーに現地事務所を設置する計画をすすめています。すでに会社にはミャンマー人であるス・サンダーさんが今年4月に入社、お客様にも日本語でメールをお届けしているかもしれません。マレーシアではデクスターさんという若者が、関連会社社長就任の予定で準備をすすめています。他にも日本プレマでは中国の若者がすでに何人も活躍しており、上海の事務所でも六人の現地採用女性が自社の商品を中国のお客様にお届けするべく日々死力しています。驚かれるかもしれませんが、中国では布ナプキンがちょっとしたブームになっていて、中国のオンラインマーケットで一番最初に布ナプキンという概念と商品を持ち込んだのが弊社(上海本物実業有限公司)でした。こうやってアジア各国の状況をみていると、日本で10年以上かかっている私たちの提供しているような概念、考え方、商品の普及がほんの数年で達成されてしまうほど、アジアの進歩は早く、どちらかといえば日本のほうがまだ保守的で、思考を奪うマスメディアの影響が強いと感じられるほどです。特に中国では食、空気、生活の安全が如実におびやかされているから広がりも早いのだとも考えられますが、日本でも原発事故で多大なリスクが露呈しているにも関わらず、オーガニックマーケットはどちらかといえばジリジリと縮小していることを考えると、必ずしもリスクが人々を賢明にするとはいいがたい現実があります。確かに「自然派」とか「オーガニック(風)」のような、何となくナチュラルな印象をあたえる言葉を駆使した「もどき」販促はうまくいっているようですが、きちんとした背景のある持続可能な品かどうかを考えると、真面目な会社ほど苦心しているのがこの国の現実であり、全体に高齢化しているという傾向もあります。これに国内でもチャレンジするのが弊社の役割であると考えているのと同時に、成長著しく、なおかつスポンジが水を吸い込むように価値ある品が普及しやすいアジアのみなさんに弊社の商品をお届けすることは、避けて通れない道だと考えています。

日本人は愛されている

かなり日本に対して否定的な印象を抱かせることからお話を始めましたが、実際にアジアを行き来していると、日本人がいかに信用され、愛されているかという事実とも出会います。これは先人たちの努力がいま開花しているともいえ、脈々と続く日本人の利他精神がたくさん積み重なってきたからです。先日、沖縄出身の池間哲郎さんの講演を聞く機会がありました。池間さんはご自身が代表を務める非営利団体を通じ、アジアの子どもたちを支える活動を長年続けられています。最近発売された書籍「日本はなぜアジアの国々から愛されるのか」を読みますと、具体的にどのように日本が愛されているかということについて紐解くことができます。池間さん自身は沖縄の戦禍激しい地域出身ですから、学校で学んだ歴史教育はご想像通り、「どれだけ日本は嫌われているか」というものでした。私も京都出身で、同じような教育傾向だったわけですが、彼も私も実際にアジアを旅して、世論調査などではない生の声を聞いています。たとえそれが中国でも韓国でも、他の東アジアの国でもそれほど単純なものではなく、学校で教えてもらったこととは根本的な違いがあることに気づきます。それはメディアの報道とて同じで、テレビや雑誌、インターネットだけ見ていると、無思慮の憧れ、または憎悪の連鎖しか始まらないように思います。いかに、生身の一人の人間として、誠実に人と向かい合うかということが誤解を解き、もしくはお互いを大切にする気持ちに繋がってくるのです。会社では、欧州、米国も含めた各国と貿易をおこなっていますが、未だに契約書を求められたことも、またサインしたこともありません。欧米人とは何でも契約をしないと大変な憂き目にあう、というのも教科書的な教えですが、スモールビジネスという観点で考えるなら、お互いの信頼ほど大切なことはなく、代表者と代表者が向かい合い、お互いに信頼を口にさえすれば「欧米人とは何でも契約」という常識が、必ずしも正しいものではないこともはっきりしてきます。常識とは、ある意味最初から疑ってかかった方がいいという見本のような経験です。
何を語ることで誰とわかり合うことができるのかと案じてしまうのです。

この国の、世界の子どもたちのために

私が憎悪よりも相互理解に立とうとするのは、ひとえに未来の子どもたちのためだといっても過言ではありません。確かに不審があって攻撃してやろうという気持ちも理解できなくはないのですが、それが私たちの世代だけで完結するのならまだ良いのです。怒り心頭になったときほんとうに考えるべきことは、次世代がそのツケを払い続けなければならないという事実です。怒りの連鎖には終わりがないことは、米国の外交と、米国に対する各国の人たちの印象を聞けば一目瞭然です。私たちが海外を目指すのは、お金のためだけではありません。人と人とのつきあいを深めるために、事業を通じてわかり合えるかもしれないという希望こそが、私たちをそこに向かわせているほんとうの理由なのです。

- 中川信男の多事争論 - 2014年7月発刊 Vol.82

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