累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.85】僕たちの「フェアトレード」

投稿日:

『フェアトレード』。人によっては良い印象をもち、ときに理想ばかりで実態が伴わないという批判もうける言葉です。そのまま日本語訳すれば「公正な取引」ということですから、何も海外の貧困支援だけの意味で使われている英語ではなさそうです。目の前にいる、マレーシア人で英語を母語とするデキスター君にこの言葉の印象を聞きますと、国際的な貧困改善の方法というよりも、公正な取引のほうを強くイメージすると言います。さらに踏み込んで調べてみました。

欧米の4大フェアトレードネットワーク(FLOI,IFTA NEW, EFTA)によって構成されるFINEはフェアトレードを以下のように定義している。フェアトレードは、対話、透明性、尊重に基づき国際貿易における公平さを追求する持続的な商取引関係である。特に発展途上国において強い交渉力を持たない生産者や労働者に対して、良好な交易条件を提供しその権利を保障することによって持続可能な成長に貢献する。(消費者によってサポートされる)フェアトレード団体は生産者のサポート、啓発活動、国際商取引の商慣行や法規制などの適切化を求める運動などに従事する。

<ウィキペディアより>

いつもある違和感

「フェアトレード」に対する批判は、これらを認証する第三者機関や、認定を受けている企業や組織が結果的に不当な利益を陰で得ているはずだ、というものす。この真偽について、私は具体的な調査や関係者のヒアリングをしたわけではありませんから、推測で何かをいうつもりはありません。私が違和感を感じるのは、先に示したような、途上国に先進国の誰かが何かをするという、狭義のフェアトレードという解釈そのものについてです。もちろん私たちは、アメリカによってラオスに降り注だクラスター爆弾の不発弾を撤去するための費用を盛り込んだ商品や、途上国の地域がより健康的かつ文化的な生活ができるような仕組みから産まれた商品を今後も扱い続け、さらに拡大していくつりです。しかし私には、国際協力だけがフェアであればよいという観点は全くありません。たとえば私たちのオリジナル商品のすべては、実に公正に取引を進めており、価格をたたきまくることもなければ、不当な要求もしません。契約書の有無はまったく重要ではなく、お互いがお互いを信頼しているか、もし、どちらか一方に信頼が足りないのであれば取引しないというシンプルな原則を貫いています。さらにいえば、これらの素材は自然界にできるだけ負荷をかけない形で作られたものであり、決して無理をすることがないということ自体に大きな価値があると信じています。買ったお客様には十二分な価値が提供され、健やかさを支え、私たちもまた適切な利益を得て、またそれを社会に還元しようと意図しています。
以前、「ロハス」という言葉がとても流行った時期があり、少し前には「ソーシャルビジネス(社会起業)」という言葉が人気でした。何でもこれらの言葉を使うと新しいことのように感じ、価値があるように印象づけられます。私たち日本人には、何にせよ、外国から輸入された概念は確かに格好良く、すごく進んでいるように感じてしまう悪い癖があります。日本にはもともと「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」という素晴らしい商人哲学があり、日本独自の自然農の概念も、そして子々孫々の持続的な繁栄こそをもっとも大切にする、素晴らしい倫理観があるのです。「もったいない」「申し訳ない」「ありがたい」という言葉はその典型でしょう。全体的かつ包括的、実にマクロな視点をもともと持っている日本人が、ミクロの概念に振り回される必要はなく、私たちは、私たちの遺伝子に眠る素晴らしさを愚直に追求する方が、よほど世界の未来に繋がっていくように感じています。

きっとよくなる

The where-to-be-born indes,2013

そのような原則を考えつつも、プレマは国際的な展開を加速しつつあります。以前から中国上海に販売事務所をもち、今秋にはマレーシアにも合弁会社を設立、願わくばミャンマーでもあゆみをスタートしたいと思います。懸案になっていたブータンでの製品開発も来年からスタートできそうな見込みです。何も海外だけを対象と思っているわけではなく、従前からの、離島の可能性を引き出す宮古島プロジェクト、他にも、原発と対峙する地域の産業振興の一翼を担いたいという気持ちもあり、いろいろなことが同時に進んでいますし、人と人の繋がりも広がってきました。なぜ、小さな会社がここまでという気持ちもないわけではありませんが、私の中にはこのままでは日本人のほんとうの素晴らしさが引き出せないまま、この国は沈没してしまうという危機感があるのです。世界には多くの親日感をもった人たちがいます。これは大震災の時に明らかに示されました。私たち日本人が持っている素晴らしさを確実に広げていくことしか、感謝を示すことができないのです。図は、「どの国に産まれたいですか?」という国際調査の結果です。日本は25位、私なら、また日本に産まれたいです。たとえ政府がたよりなくても、ここには美しい自然、言葉、やさしい心の人たちがたくさんいるからです。

- 中川信男の多事争論 - 2014年10月発刊 Vol.85

今月の記事

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ