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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.60】みんなと会える空間をつくりだす

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ふと当たり前のことを思い出すのですが、ほとんどのお客様と私とのご縁は、オンラインまたは紙面で引き合わされたものではなかったでしょうか?直接お会いすることのほうが先行する場合はとても希なことで、それでもご縁がつながる不思議の時代を生きているとは、とても幸せなことです。本来ならば、すべてのお客様とお話しをさせていただきたいと思いながら、実際にはほとんど叶っていません。「ほんとうにこのままでよいのだろうか?」という問いが、私に決断をさせることになりました。

「変な名前」の由来
弊社には現時点で6カ所の拠点があります。近畿を中心に宮古島、東京、上海と広がっています。13年前にゼロから創業したときには、京都市営団地の1室で、家賃はたしか月1万4000円でした。インドやネパールから帰ったばかりで収入もなく、とはいえ、すでに子どもはいましたので、最も当選確率の高い(つまり最も人気がない!)団地に晴れて当選して入居しました。エアコンも湯沸かしもなくて、さらに猛烈に狭かったのですが、山の斜面に建てられた団地でしたから、日当たりと風通しがとてもよかったのが幸いです。そこには、普通は物置にするであろう団地サイズで3畳ほどの小さい部屋があり、覚えたてのパソコン1台を部屋に、在庫は全室の壁面と、前の共用廊下に置いてスタートしました。商品をテントや折りたたみ机と一緒に軽自動車満載にし、朝4時頃に起き出してあちこちの野外市に持って行き、屋外で売りながら生計を立てました。最初の商品は備長炭や木酢液でしたので、とにかく重いのです。幸いなことに、腐らないことは大きな魅力でしたが、狭い団地で炭や木酢液を在庫するのは至難の技で、備長炭の箱の隙間で生活している感じでした。外で売るのも、新参者には厳しい世界のことです。「そこは先輩の場所や!」とか「呼び込みするな、こっちが売れなくなるだろう、だいたい、おまえは声がでかい!」とか怒られてばかりです。それでも、一生懸命お客様とお話ししていると、気に入っていただけることもあるものです。だんだん、電話でご注文をお聞きして配達する機会が増えてきました。当時はインターネットが少しだけ広がってきたときでしたから、「これ以上怒鳴られるよりも、ホームページの勉強でもしよう」と思い立ち、子どもの名前をつけて「愛と叡智の紀州備長炭研究会」というページを作りました。現在もそのときの関係で本店は「びんちょうたんコム」という名前で営業していますが、「なぜ、備長炭なんですか?」と聞かれるくらい、内容は大きく広がっています。

それから、最初に店舗としてオープンした太秦広隆寺前を含め、私の周辺には常に商品の段ボールが数センチにまで迫り、目の前にはパソコンという商品に囲まれた時代がありました。オンラインや電話のご注文を受けつつ、メールで接客、さらにご来店のお客様やお取引先様に応対、隙間にホームページを作成、質問にお答えするためにトイレや食事中に読書という生活…聖徳太子由来のお寺の前で、無礼ながら、半ば太子と競争している気分でした。こうやって書いていても、とてもエキサイティングで充実した日々だったのを改めて思い出しています。


だから今、ヴィレッジにする

それから何度かの移転と物流センターの構築を経て、2008年に京都の中心に位置するビルを一棟まるまる借りて、「プレマヴィレッジ京都」と名付けました。ヴィレッジとしたのは、人が集い、話し、学び、成長し、また集う場所としたかったからです。同時に、ショールームやセミナールームも作ったのですが、人材難もあってショールームは閉じ、セミナールームも週数回の社会貢献団体への無償提供と社内利用に留まっています。あまりにもったいないですし、そもそもヴィレッジの名前に反するということで、この場所を徹底的に生かすことに決めました。別フロアに料理教室も可能なキッチンルームも設置して、いろんな集いや学びが切れ間なく続く、ほんとうに開かれた場所として再稼働させます。原発をとりあえず再稼働するよりも、害やリスクがありません。

東京では、2009年に原宿オフィスをスタート、首都圏でアメリカのWhole foods 並の店舗をいつか運営できるよう内々で検討を積み重ねていました。しかし、原発事故でスタッフが避難したこともあり、震災後にいったん閉じることにしました。それでもなお、夢は捨てきれず、広尾で再開しました。またゼロからなのでとても狭いのですが、ここを拠点にお客様にご参加いただける「お話しの会」を積み重ね、次のアクションの足がかりを作りたいと考えています。 10年続いた現在の物流センターは、業務委託先から「プレマの仕事は細かい指定やお客様都合が多くてややこしく、とても採算が合わないのですぐに出て行って欲しい」と通告を受けてしまいました。お客様に最善を、ということでやってきたのですが、その理屈は採算の前では意味をなさなかったようです。そこで新たなパートナー様と共に大阪府堺市での新設を目指し、年末年始の間に大移動します。ここでは日曜日限定の「倉庫開放デー」で直接お買い物いただけるように計画しています。運用が円滑になれば、倉庫でイベントというおもしろい企画も考えています。 ヴィレッジの本丸は宮古島です。宮古の農産物を食べ、自然に触れ、動物と遊び、勉強もでき、泊まり、お買い物もできる場所の計画にはいりました。土地の神々様と集うこともできる、まさにパワースポット化です。

壮大な夢たちですが、お恥ずかしながら投資規模が大きくなればなるほど具体的なお金のめどはありません。けれど、いずれ何とかなるでしょう。究極の楽観主義、まさに意義あると信じるオルタナティブな再稼働です。どうか皆さま、いろいろな機会の応援とご参加をお願いします!

- 中川信男の多事争論 - 2012年9月発刊 Vol.60

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