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インタビュー取材しました。

よそおうということ〜自然化粧品の歴史〜 後編
リマナチュラル株式会社 岩渕春雄氏インタビュー

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「自然化粧品」と聞くとどんなイメージがわきますか?ナチュラル志向や、敏感肌の人が使っているもの……というイメージだけではなく、スローライフの広がりとともに、「オーガニックコスメ」「ノンケミカル」などの言葉も見かけるようになってきました。そんな自然化粧品を、高度成長期真っ只中の50年前から生産販売していたリマナチュラル株式会社の岩渕社長に、自然化粧品や、日本の化粧品文化の歴史の後編です。

 

使っている化粧品の原料を知らない消費者

リマナチュラル株式会社 代表取締役社長
岩渕 春雄(いわぶち はるお)

 

 

 

 

 

 

―化粧品の害も高度成長期に出てきたということでしたね?

岩渕  そうです。肌トラブルについて、当時、メーカーは消費者側に落ち度があると主張しました。原料の問題を認めることはなく、あくまでも和解で話をつけたとニュースになりました。

国の捉え方としては、化粧品はアクセサリーのような位置づけ。効能効果をうたうことはできません。そのため原料も、あまり配慮されず、化学物質が非常に多く含まれています。一般的なメーカーでは石油系オイルが使われていますが、最近「ミネラルオイル」と表記されているのを、ご存じでしたか?

昔は、流動パラフィン、固形パラフィンなどと呼ばれていましたが、響きのいい言葉に変わってきています。化粧品原料としての石油、つまり鉱物油は、被膜にはなり得ますが、肌との親和性はありません。紫外線を素通しするので、油焼けするなどのデメリットさえあり得るのです。

化粧品の宣伝も、最近は少し変わってきましたが、「いかに美しくなるか」に訴求するCMが多く、「のびがいい」「肌なじみがいい」などが購買意欲を左右します。たとえば、クリームには、通常、水と油と乳化剤が入っていますが、どの水を使うか、どの油を使うか。混ざり合わない水と油を、どんな素材で合わせるのか。その成分や製法については、不透明なままでも売れる。それが、つい最近までの化粧品のマーケットです。

ヨーロッパは「オーガニック認証」については厳しいというイメージがありますよね。でも日本では国による認証制度がないため、実は、オーガニック認証成分が微量でも使われていたら、仮に99%が日本では良しとされていない成分であっても、「オーガニック化粧品」と名乗れるという側面を持っています。なかには粗悪品もあるのですが、イメージだけで売れる。知らないのは消費者だけです。

―消費者はどうすれば……?

岩渕 勉強するしかないでしょうね。現状、化粧品は全成分表示になっていますよね。それまでは、アレルギーを起こす可能性のある成分がある場合だけ表示されていました。成分自体、認可制だったため外国の化粧品会社は、日本独自のルールを嫌い「日本は閉鎖的だ」と批判。表示を条件に自由化されました。各成分の良し悪しをを判断するのは、消費者自身に委ねられることとなったのです。

―消費者が学ぶことを面倒くさがるのでいい商品が浸透しないのでしょうか?

岩渕 それもあるかもしれませんね。そんな流れのなかで、草の根的な広がりを見せているのが自然化粧品です。前号でお話ししたように、自然食業界から始まり、安全性を求めてファンが少しずつ増えています。

欧米と日本では、そもそも考え方が違います。欧米は「化粧」を考えるとき、肌をキャンパスとして捉えています。日本では「化粧」は儀式や神事が発祥といわれ、古来、自然を崇め、自然の摂理に従い、気候風土に合う食べ物を食べて生きてきました。それが、身土不二、一物全体など、自然食の考えにもつながっているわけです。

 

「肌」は生命維持装置化粧品の素材に目を向けて

岩渕 人間の肌における本来の姿として、汗(水)と皮脂(油)を分泌することで、表面状態をコントロールしています。汗は、皮膚表面を弱酸性に保つことで細菌の繁殖を抑制し、皮脂は、水分の蒸発を予防し乾燥から防いでいます。弊社では、化粧料にふさわしいのはこの汗と皮脂に近いものと考えます。汗の代わりに、天然水とフムスエキス、皮脂の代わりに、最も近いと考えられる「椿油」を使っているのです。

日本原産の植物である椿には、皮脂の主成分である「オレイン酸」が自然界で最も多く含まれていたという奇跡的な事実があります。古来、日本人は椿油に親しんできた歴史があるわけで、まさに身土不二……先人の知恵のすごさです。ちなみに、椿油ほどではないものの、オリーブ油もオレイン酸が主成分で、こちらはヨーロッパで多用されています。これも身土不二ですよね。

弊社では天然水を化粧品原料にする発想が、1990年ごろからありました。ミネラル分が沈殿物やその他反応を起こすことを避けるために、精製水(純水)を使用するのが当たり前だった当時、実は、とても画期的なことだったのです。地下水ではなく、湧き水を使用するべく、自社で水場を探したのも、自然の摂理に倣うことを大切にするがゆえです。現在、秩父の山奥に湧いている天然水を使用しています。もちろん飲める水です。

―秩父を選ばれた決め手は?

岩渕 名水は日本中にありますが、秩父は近場でご縁があったのです。秩父古生層といわれる一億年以上前の花崗岩盤をゆっくり通ってくる水は、ミネラルバランスがよく美味しい。今湧いている水は40年位前の水です。一年中11度で、春夏秋冬、温度が安定しており、冬は水蒸気が出ています。食運動の原点は水です。どんな野菜がいいのか、どんな食べ物がいいのか、すべて水に関係します。人間の体も水分が60~70%。血液も、リンパも水分。非常に大切なのです。

―「化粧品」は「体内に入れている」という感覚がないかもしれません……

岩渕 ハワイに行くと金箔を全身に塗って、じっと動かないパフォーマンスをしている人がいますが、あれでは皮膚呼吸ができませんよね。人間は、五臓六腑の問題には敏感です。皮膚は何も言いませんが、金箔などを塗布して皮膚呼吸が止まってしまうと命に関わります。皮膚も、いわば臓器です。皮膚の役割は、発汗して体温を調節したり、紫外線や乾燥から身を守ったりすること。

つまり、皮膚は生命維持装置なんです。そう考えると化粧品の成分は、皮膚呼吸を止めるようなものは、可能な限り避けたいですよね。「きれいになりたい」という気持ちは、もちろんあることでしょう。内面の美しさに目を向け食生活に配慮するのであれば、化粧品の原料についても、「食」の目線で考えるべきです。排泄能力を持つ人間のからだは基本的には強いといえますが、その排泄能力を超えるものが、石油系の素材や添加物に多いのです。若いうちはいいとして、歳を重ねるに連れて排泄能力が弱くなっていくので注意が必要です。

 

肌そのものが美しければ「見せるだけの化粧」は必要ない

岩渕 弊社のとあるスタッフが若いときに一般の化粧品から弊社の化粧品に変えたところ、「ものたりない気もするけど角質が柔らかくなった」と言っていましたが、それは当たり前のことです。肌の表層は異物が入ってくると硬くなるものです。化粧を異物として捉え、守ろうとして、肌が硬くなっていたわけです。

でも、使っている化粧品が肌に近い素材であれば、肌は硬くなる必要がありません。だから角質が柔らかくなり、シミもできにくくなるのです。

―肌になじむということですね?

岩渕 角質層を通って有棘層に入っていった異物によってシミが生まれます。化粧品によるシミ。ほかに臓器の異常によってできるシミもあります。これについては化粧品では対応できませんが、化粧品によるシミは当然、化粧品自体を良質なものに変えるとターンオーバーして3ヶ月位で変わっていくものです。

―つまり、石油系の化粧品によってできたシミを隠すために、さらに石油系の化粧品をつけていると?

岩渕 そうそう。原因を考えようとせず、結果にしかフォーカスしていない。よそおいを「見せるだけの化粧」として、部分的に捉えているからなのです。

最近も、UVカット成分でトラブルになりましたよね。われわれの若いころにあった、きれいに焼くための「サンオイル」は、実は、中身は植物油。つまり椿油でも紫外線カットできるわけです。紫外線が当たると、余分な紫外線がメラニン色素として表皮に出てきます。でも、メラニン色素が悪いのではありません。体を守っているだけなのです。自然の摂理なのです。

―黒くなって自分を守ってくれているのに、人間はそれを拒んでいると……外見偏重になっているためですね

岩渕 そうです。人には防衛本能が備わっているだけなのです。

―本来、からだの内側を重視すると、結果、外がきれいになるはずですよね?

岩渕そうです。からだの外と中を分けて考えているから、﹁見せるだけの化粧﹂になってしまうのです。

―西洋医学の対処療法と似ていますね

岩渕 そうですね。東洋医学は、医食同源。人間のからだを「生命体」と捉えている。生命体として化粧する場合はどうあるべきか。外見だけではなく、内面の健康がなければ、本当の美容にはならない、という考え方です。

化粧をして素肌を隠そうとしなくても、本来、身体にいいものを食べていれば、肌そのものが美しいはずなんです。

年齢によって、さまざまな「美」があります。「歳を取ったら化粧をやめる」という考えが昔はありました。でも、僕は、歳を重ねるほど化粧したほうがいいと思います。化粧することで気持ちが若返りますし、人に会いたくなり、外に出たくなります。

きっと、長寿の秘訣でもあるでしょう。化粧は、人の心を、ひいては、その人の人生や、周りの人を豊かにしてくれるのではないでしょうか。

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よそおうということ〜自然化粧品の歴史〜 後編リマナチュラル株式会社 岩渕春雄氏インタビュー

- 特集 - 2017年8月発刊 vol.119

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