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特集

インタビュー取材しました。

【Vol.71】地域の支え合いを大切に、新規就農を応援!

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有機・無農薬無化学肥料栽培 群馬県高崎市倉渕町 くらぶち草の会
「くらぶち草の会」は安全な野菜づくりを目指す生産者グループです。
新規就農者が就農しやすいようサポートする制度も充実しています。
事務局の大河原充さんに、畑を案内していただきました。

異業種からの就農希望者を大切に
 
「くらぶち草の会」の発足は1989年。その畑は群馬県の西部、利根川水系の源流に位置する標高300~800mの中山間地にあります。倉渕村(現:群馬県高崎市倉渕町)の農業者3名が協力して、無農薬、無化学肥料栽培への取り組みをしたのがはじまりです。
「『草の会』とは、ふまれても強く生きる雑草のようにたくましくありたい、という気持ちを込めてつけられました。除草剤を使っていなかったので、雑草が多かったのもあります。」と、事務局の大河原充さん。現在、メンバーは38人。その内18人が新規就農者です。新規就農者が多いのは、人との出会いやつながりを大事にしている代表の佐藤茂さんのあたたかな人柄によるところもあります。
 「代表の佐藤もそうですが、この土地は戦後の食糧難のとき、開拓で入った方が多い。古い農家といっても2代目3代目で、外から入ってくる人に対してあまり抵抗がないんです。新規就農者は、希望すれば佐藤のところで数年研修を受けられます。知らない土地では、畑や家探しも大変ですから、土地や家探しもお手伝いしています。」(大河原さん)。

有機栽培は雑草と虫とのたたかい
 早速、大河原さんが案内してくれたのはキャベツと大根の畑。森と隣接しており、鳥のさえずりが響き、高原の風が吹き抜けます。
 ハウスではトマトやほうれん草などが栽培されていました。ハウスの土にマルチ(ポリエチレンでできた農業用被覆材)をかぶせてありますが、これは何でしょうか?
 「除草剤を使わないで草を処理する、太陽熱処理といいます。太陽熱でマルチの下の温度が60度くらいになり、雑草も枯れ、雑草の種も発芽しなくなり、雑菌もなくなります。この方法で草が大分抑えられて、葉ものの収量が上がりました。
 畑にチョウチョが多いのは、殺虫剤を使っていない証拠ですが、虫をいやがるお客様も。有機に虫はつきものなので、多少ご理解いただけるとうれしいですね。」(大河原さん)

チョウチョが舞う光景は美しいものですが、
チョウチョは害虫。虫は生産者を悩ませる種でもあります。
 
倉渕の畑の風景。
周囲は山に囲まれ、森の香りが風にのってやってきます。
 
種や苗を植える前の畑にはマルチがかけられ、
雑草やその種、細菌などを絶やすための太陽光を利用した熱処理が施されます。
 
別の職業から就農した利波さん(左)と桜井さん。
ビニールハウスは協力して建てたとか。若さを生かし、こまめに畑に足を運びます。

仕事だけでなく、暮らし面のサポートも
 そこへ、畑の主である利波浩樹さんと櫻井美喜雄さんが農作業で通りかかりました。利波さんは就農7年目、櫻井さんは12年目。
 利波さんは、もともとナノ工学の研究者だったとか。今では地域にすっかりなじみ、消防団で中心的な活動をされています。「いろいろな場所を見てきましたが、ここが一番就農しやすいと感じて移り住みました。成功している方がたくさんいらっしゃることも決め手でした。今はほうれん草とトマトなどつくっていますが、もっと専門性を高めて、生産物を絞っていきたいですね。」
 櫻井さんは元計理士です。
 「職場の先輩が農業をはじめ、その畑を手伝っていたら、自分もやりたくなってしまって。農薬を使って体を壊している仲間を知っていたので、自分がやるなら農薬は使いたくないと思っていました。」(櫻井さん)
 その他にも、さまざまな職業から転職していらっしゃるとか。
 「ひとりで就農した女性もいます。『くらぶち草の会』は行政のサポートも受けていているし、生産者同士が協力しあえるので心強いと思います。仕事以外でも、お子さんの学校のことや、病院はどこがいいとか、生活全体へのサポートもあります。」(大河原さん)
 暮らしや地域のつながりは仕事を支える土台となるものと考え、大切にしているのです。

「くらぶち草の会」代表の佐藤茂さん(右)と今年就農した息子の陽亮(ようすけ)さん。
茂さんは未経験者に農業を学ぶチャンスを提供し、多くの生産者を育ててきました。
 
「くらぶち草の会」事務局の大河原充さん。
自身も農業経験者。流通また消費者に、有機農業のすばらしさを伝えるために奮闘中。
 
矢野勝さんとあい子さん。矢野さんの畑は、手入れが行き届き、美しい。トマトは下から房状に実り、上まで10 段近く収穫できるとか。トマトは茎をひもで吊るし、全体を支えます。

野菜づくりは土づくりが命
 次にたずねたのは農業歴50年のベテラン、矢野勝さん、あい子さんの畑です。矢野さんは「くらぶち草の会」に入ってから15年。それまでは慣行栽培をしていました。
 「最初は仲間に誘われて入りました。当初は雑草や虫による影響が大変でしたね。でも工夫したら大抵のことが解決できたかな。自然相手だからなかなか計画的にはいきませんが。
 時代は健康志向。有機や無農薬を求める消費者の期待にいかに応えるかが大事だと思っています。」(矢野さん)
 矢野さんは「土が命」と言います。その堆肥は、いやな臭いはなく、さらっとした感触。
 「広葉樹のおがこと鶏糞に、微生物資材と酵素を入れ、熟成させるんです。そうしてつくった堆肥を畑に入れて撹拌し、マルチで覆い、太陽熱で蒸し上げると(太陽熱処理)、作物の育りやすい土壌になる。いわば作物のための、愛情たっぷりの『おかゆ』。おかゆはよく消化するでしょう?土の中に線虫などもいなくなるので、根菜類にもいい土になります。
 ベースとなる大地がどうあるか…これが農業をする上でとても大事なことです。堆肥は農家の財産です。」(矢野さん)

 
矢野さんの堆肥。昨年9月から熟成させているもの。堆肥の熟度は、堆肥を水に溶かし、そこに種を入れて芽が出るか出ないかでみます。

若手の新しい発想が、いい刺激に
 「若手からはとてもいい刺激を受けています。経験のない人は新しい視点で物事を見て、発想することができる。それがすばらしいんです。我々は固定概念があるから新しい発想がなかなかできないから。
 女性の細やかさや、アイデアもすばらしい。妻も、私にはない発想をもっていて、お互いに足りない部分を補い合えるコンビだからこそ、いい仕事ができるんだと思っています。規模が小さいだけにみんなで協力しないとね。生産者を束ねて野菜を流通させてくれている事務局も大変だと思いますけれど。」(矢野さん)
 「事務局としては、野菜を流通にのせきれず、廃棄しなければならないときが本当につらいです。今、消費者の野菜を食べる量が減っていますが、有機野菜のおいしさをもっと知っていただきたいですね。」
 食卓に届く有機野菜のおいしさは、生産、流通と、農に関わるたくさんの方々の協力の賜物なのですね。

もっと多くの人に、安心でおいしい野菜を届けたい

無農薬・無化学肥料・減農薬栽培 群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢 グリーンプランニング桐渕 桐渕正芳さん 桐渕松子さん
グリーンプランニング桐渕は、北軽井沢で25 年前に有機農業をはじめ、
現在は減農薬栽培も取り入れ、安心な野菜を多くの人が食べられる価格で提供しています。
代表の桐渕正芳さんと、桐渕松子さんにお話をおうかがいしました。

大規模な畑で、無農薬・減農薬の挑戦
 北軽井沢の高地に広がる畑。桐渕正芳さんの畑は10町歩(およそ10ヘクタール)の広さです。
 「入植したのは祖父です。その後、父が有機農業をはじめ、2年前父が亡くなってからは自分が跡を継ぎました。農業には、十代の頃から関わっています。」と代表の桐渕正芳さん。現在は、お母様の桐渕松子さんとともに仕事をされています。
 「入植したのは1948年。ここは、満州から引き上げてきた方がほとんどです。
 もともと夫の父が東京で勤め人をしていたのですが終戦で焼けだされ、地元の富岡に帰ってきて入植したんで。結婚して私が農業に参加しはじめたのは1967年で、その頃は養豚もしていました。当時は有機やっている農家は、まだなかったですね。今は減農薬でやっています。」と松子さん。
 「夏は虫がとにかくすごい。とても人の手でとれるような数じゃないです。1週間で1反の野菜がなくなってしまうほど。本当は農薬を使いたくないけれど、夏だけは最低限、必要になってしまいますね。」(正芳さん)。
 大量の虫が出る季節、無農薬で野菜を育てるには、手作業が行き届く小さな畑でしか実現できないとか。それを大きな畑で手作業を実現するには、コストがとんでもなく高くなってしまいます。
 「虫の出にくい6月頃までは農薬を使いません。健康志向の強い人だけに安全な野菜が届けばいいとは思っていません。どんな人にも買いやすい価格で、有機に近い安全な野菜を提供できれば、と思っています。
 野菜は日々育っていきます。このレタスも昨日はひとまわり小さかったんですよ。おいしく食べるための収穫の適期は3日間。その間に収穫しないと、出荷できなくなってしまいます。」(正芳さん)
 野菜の成長に合わせて作業しなければならないため、収穫などの作業は夜通し行うこともあるとか。
 「旬を逃さず、野菜の一番おいしいところを届けたい。」と正芳さん。「1日置くと味が落ち着きます。レタスはやっぱり生がいいですね。」といただいたレタスは、しゃきしゃきとたのしい食感で、くせになるおいしさでした。

「今、みんな家で野菜を料理することが少ないんじゃないかな。
15年くらい前は、今の十倍は出荷していて活気がありましたね。もっと野菜を食べてほしいですね。」(桐渕正芳さん)
 
桐渕松子さん。北軽井沢では有機農業歴25年のパイオニア的存在。
 
美しい山々に囲まれた畑。かつては30メートルくらいの木々の森で、そこを切り拓いたとか。
「大昔ですが、馬もここを走っていたそうです」(桐渕さん)。
取材に訪ねた6月は、レタスなどの葉もの、ブロッコリー、ネギなどがちょうど収穫時期でした。

私たちが日々口にしている野菜は、多様な微生物が生きる土の上で、太陽と水をたっぷりあびて育っています。
嫌われがちな虫だって、野菜の発育のために、ひと役かっていることも。たとえばテントウ虫は作物に有害なアブラムシを食べてくれています。
家庭菜園は、自然とのつながりを思い出すことのできるツールです。気負わずに手軽にはじめてみてはいかがでしょうか。

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