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インタビュー取材しました。

【Vol.100】伝統の発酵食品は、 最先端の健康食

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今、見直されつつある発酵食品。毎日の食卓に発酵食品を加えることは、どんな健康食品を摂るよりも、あなたの健康を守ってくれるかもしれません。

めくるめく変化の世界、発酵

発酵、酵素、酵母、麹……聞いたことはあるけれど、その正体をご存じですか?
微生物が織りなす化学反応の世界、それが発酵なのです。

発酵とは?

発酵食品における発酵とは、食材中に存在する微生物(カビなど)が繁殖することによって、その食材の成分を変化させることです。発酵と腐敗は同じ仕組みですが、人間にとって有益な場合は発酵、有害な場合は腐敗と呼ばれています。発酵において重要な役割を果たすのが、微生物が作り出す「酵素」です。酵素はタンパク質の一種で、生体が生きるために必要な化学反応を進める働きをします。

味噌、醤油、お酒など、日本伝統の発酵食品に欠かせないのが「麹」です。麹は、蒸した米、麦、大豆などの穀物に、コウジカビを繁殖させたものです。日本の伝統食品に使われるニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリーゼ)は、2006年10月12日、日本醸造学会大会で「国菌」に認定されました。麹菌が作る酵素は、食材のデンプンやタンパク質を分解し、糖やアミノ酸などを作り出します。ニホンコウジカビは特にこの能力に優れています。

発酵食品は、日本だけでなく、世界各地に存在します。麹を使った発酵技術は東アジア圏特有のものですが、その他、発酵食品に欠かせないのが「酵母」です。酵母も微生物であり、カビ菌の仲間です。酵母が働くためには糖分が必要で、酵母は酵素の働きにより糖分をアルコールと炭酸ガスに分解します。ビールを作るときにはビール酵母、パンを作るときにはパン酵母など、目的に応じた酵母が利用されます。

発酵の利点

発酵の過程では、食材が分解され、そこから新たな成分が作り出されることにより、独特の旨みやコクが生まれます。たとえば、かつお節の旨味は、タンパク質が分解されてアミノ酸に変化し、イノシン酸という成分と結び付くことによって生み出されています。旨み成分として有名なグルタミン酸も、発酵によって増加します。

また、発酵食品には保存性に優れたものが多くあります。もともと保存食として生み出された発酵食品も少なくありません。発酵食品には塩(殺菌作用がある)を使うものが多いですし、発酵に利用する微生物が、人間にとって有害な微生物の発生を抑えるという働きもあるようです。

さらに近年、発酵食品の研究が進む中で、麹菌や酵母菌の働き、また発酵により生み出されるアミノ酸や有機酸、ビタミンなどのさまざまな成分が、健康や美容に大きく寄与することが分かってきました。

我が家のお味噌を作ろう

日本の食卓に欠かせない発酵食品のひとつ、お味噌。今はお店で買うことが当たり前になっていますが、「手前味噌」という言葉がある通り、もともとは各家庭で手作りされていたものでした。最近では発酵食品ブームもあって、家庭でお味噌を作る方がまた増えてきているようです。

手作り味噌の面白いところは、同じように作っても、環境や作り手によって味が変わること。それを体験していただける場として、今冬も味噌ひとすじ100年、福井のお味噌屋さんマルカワみそさんによる、手作り味噌教室を開催します。

おいしいお味噌をつくるための3つのポイントと愛情

「みなさん美味しいお味噌をつくりたいですか? それにはね、材料の選び方、大豆の炊き方、仕込み方が重要になってくるんです」と座学が始まりました。

材料の選び方では、上質な麹と大豆と塩が必要になるということを知った上で、製麹(せいきく)という米麹の作り方も伺いました。米麹は、米蒸し・菌付け・保温と時間も手間もかかる上に、素人が均一に麹菌を繁殖させるのは非常に難しく、家庭で上質な麹はまず作れません。自宅で製麹したことがあるスタッフによると、やはり均等に繁殖するのが至難の業だそうです。「おいしいお味噌を作るには、麹はプロから分けてもらうのが最良」との言葉にも納得です。

お味噌に使う塩は精製されていない自然塩が良く、大豆は脂質の多い大きめの粒で、食べて美味しいものが向いているそうです。大豆には色々な種類がありますが、好みで作り分けてみると楽しそうですね。この際あまりにも美味しい大豆だと材料が減るので(笑)気をつける必要があります。

大豆の炊き方では、乾燥大豆を水につける浸漬(しんせき)作業のこと、水分量のことまで細かく伺いました。大豆はしっかり吸水させないと柔らかくなりません。浸漬後の大豆を割って確認して、芯が無くなるまでしっかり水につけます。大豆の蒸煮(じょうじゃ)では、食事で口にする大豆よりもずっと柔らかくなるまで煮なくてはなりません。弱火で3~4時間と幾分か時間がかかりますが、細かな点を押さえておくだけでぐっと美味しいお味噌になります。

仕込み方については、よく混ぜて空気に晒さないことがポイントです。塩と麹をよく混ぜ合わせて塩切りこうじにしてから、潰した大豆と混ぜ合わせていきます。発酵熟成状態を均一にさせるために、良く混ぜ合わせる必要があります。容器に入れる際は空気に触れる箇所がないように敷き詰めます。全て詰めた後は空気に触れる箇所を少なくし白カビを増やさないよう、味噌教室ではラップで表面に蓋をしましたが、晒し、手ぬぐい、和紙、昆布、などでも良いと教えていただきました。昆布は冷蔵庫にしまっている味噌容器で味噌同士の仕切りにも活用したりしますが、味噌仕込み時の蓋にもできるとは思いませんでした。

このあと重石をして発酵熟成をさせると、途中で溜まりといわれる飴色の液体が出てくることがありますがこれがまた美味しいのです。使いすぎるとお味噌の旨味が減りますのでお気を付けください。たまりが出てきたら重石を少し減らすと良いそうです。

お味噌の保管容器は何が適切ですか?

仕込み終了後の質問タイムでは、熱心な方が多く質問が絶えませんでした。その中の一つで、保管容器についてのお話がありましたのでご紹介します。一長一短があるので好きな物を選ぶと良いというお話ではあったのですが、容器にこだわる方は年数を重ねるにつれてプラスチック↓ホーロー↓瓶↓桶のようになる印象を受けました。以下、講師の河崎さんの解説です。

プラスチック:買いやすい価格なのが魅力ですね。でも原料に石油が使われています。ホーロー:種類が多く手に入れやすいですが、中がガラス、外が鉄と熱しやすく冷めやすいので、1日における温度の上下が激しいことがあります。カメ:味噌の味がまろやかになります。割れたら中身も駄目になる、味噌の重量に加えて重たいので移動は大変です。桶:木の隙間に菌が住み込むので、ひと味違う味噌になります。しかし、入手困難であり、タガ(木枠)が外れてしまったり、漏れることがあります。

ちなみに、弊社で扱っている森修焼のぬか漬け容器も、お味噌の保管容器に便利です。白色なのでインテリアに馴染んでくれます。

有用微生物のハーモニー(水抜きコップ付き)

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1年で何キロお味噌が必要なのでしょうか?

 毎年何キロのお味噌を仕込む必要があるかはご家庭によって異なります。味噌汁1杯につきお味噌16gと仮定して計算してみると、例えば2人家族で毎日1回のお味噌汁を飲む場合は、16g×2人×365日=11・7㎏(1万1680g)が味噌汁での年間消費量となります。一般家庭では大きな鍋や仕込み容器がない場合が多いので、少量を数回に分けて仕込む方法もあります。置き場についても悩むところですが、マルカワみそでは「手作り味噌お預かりシステム」というサービスも行っています。味噌の熟成に適した土蔵造りの味噌蔵にて、プロに見守られながら、発酵熟成が進みます(詳細は「マルカワみそ」で検索。または手作り教室時に直接お問い合わせください)

- 特集 - 2016年1月発刊 Vol.100

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