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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

【Vol.81】既成概念を考え直す

投稿日:

私たち多くの日本人が常識と信じて疑わないことのうち、実はそれらが外国から輸入された概念であったり、この数十年程度の概念だったり、まったく間違っていたりすることがたくさんあります。弊社のお客様ならば「牛乳は体によい」という、まだ大半の日本人が信じている健康常識が、間違っていることはご存じかと思います。私は必ずしも牛乳は毒だからアレルギーがなくても一滴も飲まないほうがいいというほど頑なな立ち位置はとっていませんが、健康のための栄養の塊と思って毎日欠かさずたくさん飲むのと、たまに少し楽しみのために乳製品を飲んだり食べたりするのとは大きな違いがあります。お肉についても同様です。「肉はスタミナ食」だと信じて食べ続けるのと、外食で出たときには食べることもあります、では全く違う結果が待っています。世間で常識となっていることと、食にまつわる適切な知識の間には大きな隔たりがあり、これらはよくご存じのことでしょう。

政府や、多くの医療機関が推奨していることでも、間違っていることすらあります。子宮頸がんのワクチンなどは有名な話ですが、以前から諸外国で重篤な危険性が指摘されているにもかかわらず、国は接種を推奨してきた結果、少なくない数の若い女の子たちが多様な副作用で青春を奪われている実情があります。今もなお、積極的な接種呼びかけはされなくなったとはいえ、接種そのものは続いており、危険性や副作用の事実を知らずに接種してしまい、そのまま調べることも疑うこともなければ、不調の原因は全く閉ざされた状態で、無気力や倦怠感は気合いが足りないからだと判別されてしまう可能性すらあります。原発がないと、電気が足りなくなるし、電気代が高くなっても仕方ないという常識も、何度も何度も立ち上がってきます。これだけの過酷事故を起こし、失地は回復されないどころか、まだ事故は終わってすらいない段階で、原発が動けば安定した電源が確保され電気代が安くなり、経済が復活するという論理です。誰がどのような理屈で計算しているのかわかりませんが、賠償や除染に関する費用は何ら確定しておらず、円安で化石燃料が高くなっているから原発のほうが安いのだと断じてしまうのは、あまりに経済合理性という考えを侮辱していると思うのは私だけでしょうか。

お金の流れを追え
今まで示したような、既成概念や常識とされることが正しいのかどうかは、お金の流れを追いかけることでとても明確に見えてくるものです。
その概念で得するのは誰か、儲かるのは誰なのかというところに遡って考えてみてください。
牛乳や肉をたくさん食べることの価値で得をするのは、畜産家でしょうか。
いいえ、実はもっと先があり、それは膨大に必要とされる餌や家畜用の薬を供給している誰か、何か、なのです。それらの供給の仕組みを策定し、規制、管理している人たちも膨大な儲けに浴することでしょう。エネルギーも同じです。示した例はわかりやすいものばかりですので、少し考えることで理解できます。

しかし、もっといえば、私たちが美談として認識しているような歴史ですら、誰か、何かが得するようになっていて、そう信じ込まされているということもあります。近代日本の出発点として美しく語られる明治維新もそうです。明治維新以降、日本は約75年にわたり、戦争を繰り返す時代に入りました。明治維新は日本の国際化の起点とされ、それ自体は間違っていませんが、国際化、グローバル化というかけ声は今もなお続いており、それによって日本人は多くの美しい価値を失いました。ある日突然、外国人が武器とともに押しかけてきて、国を開けと迫り、それに追従しました。誰が、当時の戦争の資金を提供したのかをひもとくことができれば、見えてくることがあります。その後、確かに日本が得たものも大きかったのですが、国際化とは当時世界中を武力支配していた欧米の価値観や仕組みを採用することと直結していたわけですし、百年以上たった今もなおそのように捉えられています。和食が世界遺産に登録されたわけですが、農水省の輸出重点商品が『和牛』とは、私にはとても滑稽に見えるのです。私たちの美しい食の文化において、和牛は核でしょうか。利益がでる輸出産品がアイドルや性風俗を源流とするようなビデオやコンテンツでいいのでしょうか。確かにお金にはなるのかもしれませんが、禅や合気道をはじめとする素晴らしい日本文化を学びに来ている外国人が聞いたら、ジョークに聞こえるようなおかしなグローバル化です。こんな正体不明の切迫感が、日本人を使えない英語教育に走らせているとしたら、私たちは海外に出て、何を語ることで誰とわかり合うことができるのかと案じてしまうのです。

生きにくさの理由
東日本大震災でたぐいまれな倫理観を示した東北の皆さんの美しい姿は世界中の心を打ちました。一方で、この国では少し変わったことを集団の空気で封殺してしまうことがあります。空気とは、多くが信じている常識です。商売人は世相を語ってはいけない、同性を愛してはいけない、組織では波風立てず黙々とはたらくのが美しい……私もそのような空気に流されそうになりました。消費税増税のできごとです。みんながやるから、私もやろうと無思慮に走りそうになったことを悔いています。一つ一つを吟味し、一人の大人として責任をもって判断する。正しいとか、間違っているとかの前に、多くの背景とつながりを見つめ直す。偏狭にならず、マイノリティーを無視しない。これが真のアジアの光となる日本人の新しい価値観だと信じ、そのようになってゆきたいと念じています。

- 中川信男の多事争論 - 2014年6月発刊 Vol.81

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