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インタビュー取材しました。

【Vol.82】365日食べたくなるお餅 三和農産 取材レポート

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有機JAS認定のお餅「いずも美人」。冬場だけでなく年間を通じ人気の一品です。素朴なおいしさと、素材の力強さ。その原点を探るべく、島根県出雲市の三和農産さんを訪ねました。

国造りの地に広がる有機田

広いです。スタッフでも新しい方は迷ってしまうこともあるそう。

 出雲は、縁結びの神様として有名な出雲大社をはじめ、神代の歴史に包まれた土地。いずも美人は、そんな出雲の田で育った有機米を原料にしています。広々と広がる田んぼは、思わず深呼吸してしまう、気持ちの良い空間です。三和農産の始まりは、渡部会長のお父様のご病気でした。渡部会長はもともと技術職で、有機栽培とも、そもそも農業ともまったく縁がありませんでした。けれども、お父様を何とか助けたくて、手を尽くすうちに知ったのが、有機玄米粉のスープ。とはいえ最初、病院食を止めさせたときは、お父様自身は不信感をお持ちだったのですが、渡部会長も「同じものを食べるから」と信じてもらったそうです。その甲斐あってか、病状は良い方向へと向かいました。また、渡部会長の奥様にもご病気があり、それも食事療法でずいぶん良くなったことから、有機米の栽培、製品化という、今の三和農産が始まりました。
 とはいえ、その始まりは26年前。今でこそ認知度の上がってきた「有機」「オーガニック」ですが、当時は農薬・化学肥料は今以上に当たり前、それ以外の選択肢はないに等しいような時代です。当初は、村八分の状態だったそうです。しかもすぐに収穫があるわけではなく、7~8年、病気や虫の害が続きました。それでもあきらめず、今では、たとえ周りの田で病気が流行っていたとしても、三和農産の田は大丈夫、という状態にまでなりました。

すべての生命が活きる田んぼ

これから植える苗。健やかな土で元気いっぱいに育ちますように。

 自然のサイクルに従って、三和農産でも、土作りをとても大切にされています。農薬、化学肥料を使用しない代わりに、稲藁や籾殻を活用し、微生物が働く、自然本来のサイクルが健全に保たれるよう工夫されています。土には、微量ながら毒となるような成分も含まれており、稲はそれらをほんの少量、ほどよく吸収活用し、またそれらの成分を微生物が分解することで、稲にとって必要な三大栄養素、窒素・リン酸・カリウムが生成されるそうです。
 農薬を使用すると、こられのサイクルが絶たれてしまいます。栄養のない土には、人工的に肥料が必要となります。また、牛の糞などを原料とした肥料であっても、人間が食べるために育てられた現代の牛というのは、抗生物質を投与されたり、外国産の牧草を食したり、それらが糞のなかに含まれるわけで、やはり土の自然のサイクルを絶ってしまうことになるそうです。
 また、水も重要な要素です。渡部会長いわく、水はクラスター状になったものが、植物にも、そして人間にも効率よく吸収されて良いとのこと。自然界に流れる水は、土中から湧き出し、源流から流れてくる間に、岩や石にあたりクラスター状になり、岩や石に含まれるさまざまな成分をも水中に含むようになります。出雲の地にも良い水が流れているそうですが、周辺が慣行栽培のため川の水をそのまま使うわけにはいかず、三和農産では、田ごとに井戸を掘ってその水を使用しています。

素材で勝負するお餅

こうやって大切に、大切に育てられたお米を使って、「いずも美人」は作られます。おいしさのヒケツはまずもってその原料ですが、お餅作りにおいては、お米を蒸す、つく過程も大切です。三和農産では昔ながらの蒸籠(せいろ)を取り入れて、丁寧にお米を蒸し上げています。
 お米をつく際には、機械を使用しますが、この機械もオーダーメイド。ついている最中に品質が落ちないよう工夫されています。また、杵と臼がぶつかることでおいしさが出るため、機械であっても同じようにつけるようになっています。
 お餅の生地ができたら、2日間冷蔵、熟成されます。余計な加工は一切なく、おいしいお米のおいしさを最大限活かすように作られます。口に含んだ瞬間にほどける素材感、かみしめるほどに生きる素朴なおいしさが、こうやって生まれます。
 また、有機JAS認証を取得していることもあり、ひとつひとつの工程を複数の目でチェックしながら細かく記録が取られています。

お餅のおいしい食べ方

これだけ良い素材で、丁寧に作られたお餅ですから、おいしく食べたいですよね。お餅というと、網の上で焼いてプクっと丸くふくらんだ……そんなイメージがありませんか。でも実は、お餅は膨らまさない方がおいしく食べられるのだそうです。
 そして、どの家庭にもまずあって、お餅をおいしく焼けるもの、それはフライパン。トースターでは温度が高くなりすぎてしまうそうです。フライパンにお餅を置くと最初はくっつきますが、熱するうちにスッと動くようになるので、そのタイミングで裏返し、裏側も同じように動くようになったら出来上がり。今までやってきたよりもずっと簡単な気がします。フライパンの他に、ホットプレートも便利だそうです。

素材、製法、最後の要は人

 どんなに良い素材でも、製法でも、やっぱり最後の部分は人、というのは三和農産でもまさに体現されていることです。取材に伺った際にも、皆さん笑顔で丁寧に迎えていただきました。そしてそのままに気持ちよく丁寧なお仕事ぶり。 そこには、渡部会長の、ただ製品が良いというだけでなく、梱包であっても、販売であっても、すべてに同じ心がなければならない、という方針が生きています。これは、資料やデータでは表せないけれど、決定的な違いを生む部分。そんな大切な部分も、今回の取材では見せていただきました。

<らくなちゅらる通信編集部>

有機JAS いずも美人

有機JAS いずも美人
お米の生産から餅への加工まで一貫生産
素材感あふれるおいしさです。

- 特集 - 2014年7月発刊 Vol.82

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