累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

転ばぬ先の栄養学

【Vol.32】「カルシウムと健康について」(その5) カルシウム不足は「動脈硬化」を引き起こす

投稿日:

 動脈壁にコレステロールやカルシウムが沈着し、そのために内腔が狭くなり、肥厚、硬化して血液循環の障害や血管の閉鎖を起こす症状を「動脈硬化」といいます。この動脈硬化はカルシウムの摂取不足が原因であることが解っています。その3でカルシウムパラドックスについてお話ししましたが、カルシウムの摂取が足りないと血液中のカルシウム濃度は低下しそうになります。そうならないためにカルシウム代謝調節機能が働いて副甲状腺ホルモンが分泌され、骨に貯蔵されているカルシウムを血液中に溶け出させ、血液中のカルシウム濃度を一定に維持しようとします。そのとき、血液中に副甲状腺ホルモンが増加することにより動脈の内膜の透過性が亢(こう)進され、内膜の細胞内や表面にカルシウムやコレステロールが入り込んで沈着し、硬化症を引き起こすのです。

 動脈硬化症は、連鎖的に様々な病気を生む要因にもなりかねません。動脈は酸素やブドウ糖などの栄養素を運びますが、動脈硬化症が進むと、組織や器官に十分な酸素と栄養素が行き渡らなくなるだけでなく、血管の内腔が狭くなった部分に血栓が詰まれば虚血状態となり、組織や器官が懐死してしまいます。これが脳の動脈で起こると脳梗塞などの脳血管障害になり、心臓の冠状動脈で起これば心筋梗塞や狭心症など、虚血性心疾患になります。

 脳血管障害と虚血性心疾患はガンに続いて、日本人の死亡原因の上位を占めています。動脈硬化が恐ろしいのは、こうした合併症を引き起こす原因になるからです。動脈硬化は血管の老化ともいわれます。加齢とともにカルシウムの摂取量、カルチトニンの分泌が減少し、骨からカルシウムが溶け出して少しずつ血管に沈着します。動脈硬化の予防には、コレストロールや中性脂肪の取りすぎに注意するのは勿論のこと、それにも増して、日々の食生活で十分にカルシウムを摂取することが重要なのです。

山口清道

山口清道氏
日本予防医学研究会理事、フルボ酸・腐食性物質機能研究会会長。大手企業や新聞社、薬剤師会、教育委員会その他の各団体が主催する講演会で講師を務め、『食品破壊の実態』『カルシウム不足の脅威』などをテーマとする講演回数は1000回を越える。
現在は講演活動を休止し、食品科学研究所・BAOBAB代表、株式会社バオバブ代表取締役として、イメージ商品が氾濫する現代における、ほんもの食品の研究開発に取り組む。

- 転ばぬ先の栄養学 - 2010年4月発刊 Vol.32

今月の記事

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ