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インタビュー取材しました。

批判的に生きる 後編
プレマ株式会社 代表取締役 中川信男 氏

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「自然食はおいしくない」という不文律を覆し、
本当に「おいしい」といわれるジェラートを作り、本場イタリアのコンテストで入賞。
その次は、なにやらチョコレートやチーズをイタリアに学びにいっているという噂。
新たな可能性を切り拓き続ける弊社代表中川信男に、
「可能性」と「選択」について話を聞いてみました。

 

プレマ株式会社 代表取締役 ジェラティエーレ
中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。
 

批判的思考によってビジネスの可能性を見つける

―クリティカルシンキング(批判的思考)には疑うことも含まれますか?

中川 そうです。
批判的な思考を働かせて分析する、つまり、情報や論理の「前提」を疑い、思考の偏りに気づいて物事を考える思考法です。
批判的という言葉だけ聞くと、粗探しをしたり、非難したりするように誤解されそうですが、世間で今、ネット上での非難や炎上をしているものとはまったく異なります。
「批判する力」ではなく、「批判的に物事を見る力」を身につけるということです。
捉え方のことです。

―受け入れないのではなく能動的に情報を取り入れるということですよね。

中川 そうです。
積極的に取り入れ、そのうえで批判的に見直してみる。
取り入れた情報を、もう一度、ゼロから考え直すということです。
それぞれの事象について、メリットもデメリットもどちらも考えてみる。
日本の教育にはこれが一番欠如しているかもしれません。
教科書で唱えられた一つの説を受け入れるしかない。
結果、学生のあいだは○か×かの二者択一なのに、卒業後、社会に出たとたんに、答えが山のようにあり、すべてがグレーゾーンとなる。

―社会に出ると弱いでしょうね。

中川 弱いです。
中学や高校のスカートは膝上○センチ、髪の毛は肩についたらダメといった校則もそうですが、「正誤」が価値尺度の子ども時代を送っている。
だからジェラートの正解「一番人気」が知りたいのです。
あらゆるプロセスが日本人をダメにしています。

―自分で選択するには、自分の軸がないと決められない気がするのですが、そのあたりはいかがでしょうか?

中川 自分の価値観はありますが、私には軸はありません。
だからこそニュートラルに見られると思っています。

新規ビジネスを考えるとき、それこそ批判的思考で観察してみると、その分野のなかで、ある市場は未成熟であるということが見えてきます。
例えば、日本のBean to bar(ビーン・トゥ・バー)※は、技術的に未熟か、こだわるあまりにおいしいとは言い難いものを作っているか、この二極しかありません。
ジェラートも世界の潮流や日本の市場を批判的思考で見てみたとき、ビーガンにおいては未成熟で穴だらけだと気づきました。
ビーガン専門店はあるが、そのジェラートはおいしくない。
だったら両方を叶える商品を作ってしまおうと思ったのです。

日本のBean to barは、現在約60軒。
ザラザラした食感こそBean to barのチョコレートだという不文律があるようですが、それは必要な機械を持っていないか、重要な工程を飛ばしているかではないか。
そこに穴があると気づきました。
それならば、なめらかでおいしく機能的なチョコレートを作ればいいのです。
コンビニなどで売っているチョコレートのように、カカオバターやミルクを使わなくても、カカオ豆だけで、それに匹敵するなめらかさにすることはできます。

何度も言いますが、批判をしているのではありません。
批判的に見ていくことで、市場にある空白を見つけ、そこに可能性を感じることができるということです。
成熟したマーケットにある空白に入っていくのは、ビジネス上、肝要です。
その空白を見つけるためには、批判的思考が必要なのです。

人と違う価値基準を持てば第3の選択肢を見出せる

―軸がないとおっしゃっていましたが、以前おっしゃっていた「こだわりはない」と似ていますか?

中川 そうです。
こだわりなんてあまり意味はないでしょう。
40代で自分が何者かがわかれば苦労はしませんよね。
ましてや20代でのいわゆる「自分探し」なんて無理だと思います。
この歳になってもなにもわからないのに(笑)。

―そうですね。
「わかっていない」ということがわかりました(笑)。

中川 そう。
年を重ねて感じるのは、「自分はわかっていない」ということ。
日々そう思い続けているので、だからこそ固定観念を外すよう心がけています。
私自身は異業種に手を出しているという意識はありません。
わからないから模索し続けているという感覚です。
ジェラートでうまくいったからといって、ジェラート屋を一生続けていくというつもりがあるわけではなく……。

―それは好奇心とつながっている気がします。
「わかった」つもりになると、好奇心がなくなり、探求しようという力もなくなってしまいますよね?

中川 まさにそうです。
ディスカバリー(発見)です。
探検なんですよ。

―ということは「わかった気」になっている人が多いということでしょうか。

中川 わかったことにしてしまうのでしょう。
私には自信も欠乏感もありませんが、やっていないことがまだまだあるので、挑戦してみているだけです。

チョコレートを学びにいってわかったのは、チョコレート屋は、ジェラート屋が兼業しているという事実です。
日本にはそういう店がありそうでありません。
やはりジェラート店は冬になにをすべきかということでしょう。
日本人は、一つのことに打ち込むべきだという思い込みを持っています。
それは事実です。
ラーメン屋にカレーが置いてあっても、あまりおいしくなさそうな気がします。
でも、それは正解でもあり、そうでない場合もある。
やはり食べ物は「多様性」があるべきです。

私の場合は飲食業界出身ではなく、自然食を流通してきました。
世の中の自然食になにがあるのか熟知しています。
自然食と外食産業とが協力して出している店は、日本ではあまり流行っていませんが、欧米に行けばトレンドであり、当たり前です。
いい素材を持っているのですから。
日本にそういうトレンドがないのは、ビジネスとして成功させていくという意味でのプレーヤーがいないだけではないかと思います。
考え方が硬いのか、または硬直しています。

―(前号の)「本質」が知りたいと思う人も、日本には少ない気がします。

中川 それも教育の結果でしょうね。
私は学校というフレームに対して疑問を感じていたので、そこからして違うのかもしれません。
学生時代に学校を批判的に見るということは、安保の時代にはあったようですが、我々の世代にはあまりなく、従順さが価値のようになってしまっていましたよね。
また、私が京都人であるということは大きいと思います。
京都はそういう気風があるところなんです。
長いものに巻かれないし、批判的に見るという意味で、日本のフランスは京都なんです(笑)。
京都はイノベーションの聖地です。

―確かに。
守るものは守りつつ、新しいものを取り入れる……不易流行こそ京都だという印象です。

中川 それが京都らしさですね。
革新の気風があると思います。
右向け右と言って京都人が動き出したら、この国は終わりでしょう(笑)。
京都大学でも変人であることに価値がある。
普通の価値判断で測れないことに価値を見出せる人が、第3の選択肢を見抜く目を持つ人であり、イノベーションにつながる。
可能性そのものなんですね。

―変人であることが可能性を見出すことに近いということでしょうか?

中川 そういうことです。
すでに京都大学の学長がそうおっしゃっていますが、本当にその通りだと思います。
長いものに巻かれているところに可能性はありません。
よくコラムにも書いていますが、やはり「多様性」が社会進化の基盤になると思います。
多様性を受け入れるということは、社会進化の基本です。
過去のナチスのように純血化という方向では、社会進化の解決策はありません。
しかし、今、日本で国粋主義が流行っています。
多様性を受け入れないことは、結果的には売国的であることに気づいていないのでしょう。
国力を弱らせ、考えるということをせず、一つの思想しか善しとしない。
結果的に長いものに巻かれてしまい、人の言いなりになってしまいます。

まず好きなようにやってみて摩擦が出れば調整すればいい

中川 いずれ命が尽きるとき、多数者として生きてきたことは、一切、喜びになんかならないと私は思います。
文学や物語でもそれを示していますよね。
どれだけ固有であったかということが、死ぬ間際に満足感を得られるのではないでしょうか。
定年まで無事に勤めあげ、子どもを育てあげ、悪いこともせず中流社会の一員として生きてきた。
それで喜びを感じられるかどうか、ということです。
貧しかったかもしれないし、世の中は周りが敵ばかりだったかもしれませんが、そういう人ほど、「自分を生きた」という実感を持って死んでいくのではないでしょうか。

―勇気もないのかもしれませんね。
はみ出ると目立ってしまうので。

中川 それだけ社会全体が窮屈なのでしょう。
だから、はみ出た人に対して不寛容なのです。
みんなフラストレーションが溜まっていて、誰かを叩く機会を探しているという印象です。

―「自分は我慢しているのに」と思って批判してしまうんでしょうね。

中川 そうです。
フラストレーションは自分が不自由であることが原因。
それなのに「どれが人気ですか?」と「正解」を探す。

―そういった不自由さも教育と関係しているのですね。

中川 教育は社会の雰囲気が決めるものだと思うのです。
今、日本の教育分野でも、やっと「思考力を高めましょう」といった動きがありますが、文科省や教師にすぐに対処できることではありません。
社会のムード自体がマイノリティ叩きになっているなかで、マイノリティを生きやすい社会へと題目だけ言っている状況ですよね。

―今からでも自分の可能性を見出すにはどうしたらいいのでしょうか?

中川 いつも言うことですが「好きなようにやったほうがいいですよ」と。
この一言に尽きます。
まずは、とりあえず好きなようにやってみて、そのうえで摩擦があれば調整していけばいいのではないでしょうか。

―考えるだけではなく、実際に動いてみないとわかりませんよね。

中川 そうです。
だから、まず「とにかく動いてみましょう」と。
ただ、そこにリスクがあることは、理解しておかなければいけません。
でも、リスクはリターンそのもの。
突拍子もない行動ほど、リターンも大きいはずです。
リスクを背負いにくい社会になってきているとは思いますが、ほかに方法はないので、やってみるしかありません。

そして、今、世間全体に不満がくすぶっていていますよね。

―はい。
くすぶっているからこそ、先に少し出てしまった人が叩かれる。

中川 そう思います。
震災のとき社会のムードが変わりそうでしたよね。
でも、今、むしろ不寛容が進んだということは、ブレイクスルーするのではないかというムードがあったのに、オリンピックの開催が決まり、原発は再稼働して、なにも変わってない。
さらに諦めモードとなり、窮屈さが増しているのではないでしょうか。

―一人ひとりが少しずつでも、変わっていくといいですね。

中川 変人になるしかありませんね。
変であることはいけないことではありません。
「価値」なんです。
変ですよ、プレマなんて(笑)。

- 特集 - 2018年10月発刊 vol.133

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