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マクロビオティック 基礎講座

「マクロビオティック」というと単なる料理方法と思いがち。でももっと深い意味があるんです。長年マクロビオティックに携わってきた弊社スタッフ岸江治次が、その本質について紹介します。

プレマ株式会社
お客様コンサルティングセクション

岸江 治次 (きしえ はるつぐ)

2013 年プレマ入社。マクロビオティック活動歴を活かし、主に、商品の開発と営業に関わってきた。趣味は読書と映画、好きなジャンルはミステリー。最近のおすすめ映画は「ルーシー」。無双原理の時空の概念を捉えるのにマスト。

【Vol.80】マクロビオティック 基礎講座その1

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食を通じて「いのち」を知る哲学
「マクロビオティック」とは、今では広く知られている言葉です。その食事方法は、マドンナやマイケル・ジャクソンが用いているといってブームになり、ダイエットや、きれいになる食事方法として注目されたこともあります。
「マクロ」は「大きい」という意味、「ビオ」は「いのち」、「ティック」は「方法」……つまりマクロビオティックとは、「いのちを大きくとらえる方法」という意味で、単にダイエットやきれいになることを目的とした食事方法ではないのです。「食」から入る方が多いですが、基本的には世界観であり哲学です。深く勉強していくと、自分自身の健康と地球環境は一体であり、切り離すことができないものだということが理解できるようになっていきます。
その名称から、一見外国から伝わってきたもののように思えますが、日本の昔ながらの食養生の智恵が原点になっています。食事の前に「いただきます」と言うのは、日本特有の習慣です。もともと日本人は、食が「いのち」であることを理解し、感謝していただくという気持ちをもっていました。マクロビオティックでも、そうした心を大切にしています。
大根1本にしても、お日様の光や、土、雨の恵みがないと育ちません。お日様や雨や土によって育てられた大根をいただくことで、自分自身の「いのち」が支えられていることを、どう感じ、どうとらえるのか。誰かに教わるのではなく、「自学自問自答」……つまり自分で学び、問い、答えを見つけていくというのが、マクロビオティックを学ぶ基本方針です。とにかく実践し、心とからだを使って感じ取っていくことが大切なのです。

原点は江戸時代の『養生訓』
そもそも、日本で「マクロビオティック」という言葉を使うようになったのは近年のことで、少し前までは「正食」、その前は「食養」という言い方をしていました。歴史をさかのぼると、原点は江戸時代の儒学者・貝原益軒(1630~1714)がまとめた『養生訓』にあります。これは実体験にもとづき、健康を保ち寿命をまっとうするための暮らし方を記したものです。食事方法だけではなく、心のもちようにも焦点を当てているところが特長です。
そして明治時代、『養生訓』にある食物と心身との関係をさらに科学的、現代的にアレンジして示したのが、医師の石塚左玄(1851~1909)です。この方がいたから、日本独特の「食養」の智恵が絶えずに現代まで残ったといってもいいと思います。近代に入り、日本全体がどんどん西洋医学に流されていくなか、石塚左玄だけは「食養」の考え方を捨てずに、病気を治すために用いていたのです。
この石塚左玄の弟子に、第二次世界大戦前後に活躍した桜沢如一(ゆきかず)(1893~1966)という人がいます。桜沢如一は石塚左玄の食養によって病気を治癒し、それをきっかけに「食養」の世界に入っていった人です。桜沢は日本の「食養」に中国の陰陽の考え方を取り入れて現代風にわかりやすく体系化し、「無双原理」としてまとめ、世界に通用する「マクロビオティック」に高めていきました。

マクロビオティックは海外からの逆輸入
日本では、明治から昭和にかけて、海外からくるものはどんどん受け入れ、もともとあるものをないがしろにするような風潮が続いていました。そこで桜沢は「食養」を日本に広めるためには、まず海外に広めてから逆輸入するほうが効率がよいと考えたのです。桜沢の生きた昭和初期当時、食の中心といえばフランスでした。そこで桜沢はまずパリにわたり、「無双原理」を広めました。「無双原理は」フランス語では“Le Principe Unique” (PUと略すことも) と訳され受け入れられました。
桜沢は、海外では「ジョージ・オーサワ」の名前で広く知られ、今日、欧米アメリカやヨーロッパの自然食品店ではこの名前を知らない人はいないほどです。日本における自然食メーカーの中心的存在「オーサワ・ジャパン」の名称も桜沢の名前からきています。
そして戦後になると、桜沢は私塾を開き弟子を養成し世界中に広く派遣し「無双原理」の思想を広げていきます(アメリカ、ヨーロッパだけでなく、インドやブラジルにも派遣していました)。アメリカに派遣された弟子として、現在でも活躍されている久司道夫さん(1926~)がいます。そして弟子のひとりにマドンナのプライベートシェフとして知られている西邨まゆみさんもいらっしゃいます。

日本の食養によって健康になったアメリカ

1977年には、アメリカ国民のための食事改善目標「マクガバンレポート」がまとめられましたが、これには久司道夫さんも協力し、日本型食生活が提案されました。その背景には、肥満、心臓病の増加により、医療費が国政を圧迫して国の存続が危ぶまれるというアメリカの危機的状況がありました。国民の健康を取り戻す指針が早急に必要とされたのです。
この「マクガバンレポート」によってアメリカ人の過剰な肉食が見直され、健康状態も改善されていきましたが、それによって行き先のなくなった肉は、日本へと流れていきました。日本では、それまで規制されていた牛肉の輸入が自由化され、肉の消費が増えていきました。アメリカの食生活は良くなったものの、逆に日本人の食生活の欧米化が進み、がんなどの発病率も増えてしまったのです。
その流れは現在でも続いています。日本では高齢化社会とはいえ、病気や認知症が増加し、最終的に寝たきりの状態になり、天寿をまっとうすることがむずかしくなっています。しかし今、その原因のひとつに食事の欧米化があることに気づき、マクロビオティックを毎日の食に取り入れ、本来の日本食のすばらしさを見直そうという動きも増えてきています。

毎日ごきげんに暮らしていますか?
誰でもすぐにはじめられるマクロビオティックの食事方法として、食べ物をよく噛んで唾液と混ぜていただく、ということがあります。それだけでも違ってくると思うので、からだや気持ちにどのような変化があるのか、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。同時に、主食に玄米を取り入れ、副食(その土地でとれた季節の野菜、豆類、海草類、乾物など)をバランスよく食べることもおすすめします。 さて最後に、ご自身にマクロビオティックが必要かどうかを知るチェックがあるのでご紹介したいと思います。以下は健康の7大条件ですが、すべて当てはまる方は、マクロビオティックをしなくても、そのままの食生活で充分だと言えると思います。


□ 疲れない。
□ ごはんがおいしい。
□ よく眠れる。
□ 物忘れをしない。
□ 毎日イライラせずに、機嫌よく過ごすことができる。
□ 行動がスマートにできる。
□ うそをつかない(考え方と実際の行動が一致している)。

いかがでしょうか?
このように毎日を過ごすことができたらすばらしいですね。
次回はマクロビオティックの食事方法について、さらに具体的にお伝えしていきたいと思います。

- マクロビオティック 基礎講座 - 2014年5月発刊 Vol.80

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