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プレマシャンティの作り手インタビュー

古式なたね油 ~色目の違いは、自然の証~①

投稿日: 2018年9月22日 更新日:

昭和三十年代の製法をそのままに引き継いだ、「なたね油」らしいなたね油

近年、各地で復活しつつある「なたね栽培」。
日本古来の「菜種」からキャノーラ種に品種こそ切り変わりましたが、再び昔ながらの「国産100%」圧搾なたね油が増えつつあります。
そしてそれに呼応するかのように、近隣農家から持ち込まれたなたねを、
天日干し・薪火焙煎・圧搾という昔からの製法で搾り続けてきた小規模の製油所も再起動しました。
育てたなたねを搾油して欲しいと持込む農家と、化学肥料や農薬を使わずになたねを育てて欲しいとお願いする製油所。
もっと美味しいなたね油をつくりたいと、農家と製油所がお互いの要望を出し合いながら、新しい「なたね油」が育ちつつあります。

黄金色が美しいなたね油ですが、全て同じ色合いというわけではありません。
コンバインで刈入れ乾燥機を使って乾燥させたものと、刈入れてから天日で乾燥させたものでは、
金色の濃さも色合いも全く異なるといいます。また品種によっても、搾り取った油の色合いは異なります。

「それぞれ色が違うのがわかりますか?
一番ひだりがキザキノという寒い地方、北海道や東北などの有数の産地で育てられている品種のなたねを
絞ったものです。黄色く輝いているでしょう。」

火入れをしても金色が曇ることのないキザキノの油。
その美しさが一番好きなのだと云いながら、ご自身で植え、房から落ちそうになるまで熟すまで待って収穫したたねから搾った「自家製」の油を見せてくださいました。

「次が乾燥機に入れていないコンバイン狩りのナナシキブの油です。
ナナシキブという品種は、中部圏、愛知県から滋賀県にかけての地域で栽培しやすいエルシン酸のない品種です。
このあたりのほとんどの農家がナナシキブを栽培しているものですから、ここに持ち込まれる原料はほとんどがナナシキブです。
僕個人的にはキザキノを栽培して欲しいですが、収穫が遅れると梅雨の時期と重なってしまって刈り取りが非常に大変なので、
このあたりではナナシキブという品種が主流です。
品種によっても育ちが違うんですよね。
色目の良さからキザキノがよいという精油所は多いようですね。
けれどナナシキブもにおいを嗅いで頂くと分かりますが、甘いです。
揚げた食材がなんとなく甘みが強いような気がします。」

並べてみると、確かに色目の違いがはっきりわかります。
ナナシキブとキザキノ。そして天日干しと機械乾燥。
それ以外にも収穫地や収穫時期によっても微妙な色合いの違いが生まれます。

「これもナナシキブで品種は同じですが色味が深いですよね。
これはコンバインで刈った直後に機械乾燥した種を搾油しました。
同じ品種でも乾燥の仕方でこれだけ色目に差がでるんですよね。
けれど同じ機械乾燥でも、種がこぼれるくらいまで熟したものを収穫すれば油も輝くとは思うんですけれど・・・
太陽に透かすと色目の違いが一層はっきりしますよ。」

コンバインで刈り取って機械で乾燥した種を、わずか1日であっても必ず天日に干すのは、「油職人」の五感が「油の違い」を感じ取っているからです。
論理的な説明も、実証データも無いけれど、「天日に干すと違いが生まれる」と感じてる以上、機械乾燥されたなたねも必ず天日に干すという作業は欠かしません。

「干物もそうだけれども、おてんとうさまの光を当てるか当てないかでは旨みがぜんぜん違いますし、
なたね油の場合は天日に干すか干さないかで色合いが違います。
だから僕は、農家さんが持ってきたなたねを、必ずもう一度自分で天日に干します。」

古式なたね油 ~色目の違いは、自然の証~②につづく

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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古式なたね油 ~色目の違いは、自然の証~①

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執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。3人の介護、5人の子育てを通じ、東西の自然療法に親しむ。 ただし、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。
1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社 代表取締役。
2018、2019、2020年イタリアジェラート協会開催の世界大会で3年連続入賞。
宅地建物取引士、電気工事士(2種)、健康不動産株式会社 代表取締役、電磁波環境測定対策士組合長。
趣味はマリンスポーツ。脳内は基本、海か湖のことを考えている。

久野真希子

久野真希子 (くの まきこ)

2010年入社。海外事業担当。「フォーリア」や「コトー・ナンテ」などさまざまな輸入品の取り扱いにはじまり、海外での事業展開を進めています。

岸江治次

岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

横山奈保

横山奈保 (よこやま なほ)

プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

花井良平

花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

山口勝弘

山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

山崎美穂

山崎美穂 (やまさき みほ)

「仕事と家庭を両立しながら頑張っています!」プレマ株式会社プロモーションセクション プロモーター

上ヶ谷友理

上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

娘たちは2人とも生まれつき卵・牛乳アレルギー&アトピーで、小さいころは食べるものや日々の生活に四苦八苦していました。これからは自分自身の健康も意識しながら、前向きに笑顔で過ごしていきたいです!

寺嶋康浩

寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

電磁波環境測定士協会理事長。電磁波対策だけしかしない第二種電気工事士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

坂井歩

坂井歩 (さかい あゆみ)

ひとたびハマると、どっぷり浸かってしまう根っからのオタク気質。恐竜、日本史、きのこ、首都、絵本、百人一首……子どもの成長にともない、その無駄な知識をひけらかしては喜ぶ毎日。

西村初美

西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。普段はおっとり型なのに、考えるより先に見切り発車で行動してしまい後から困ることも多々。犬と中学生との二人と一匹暮らし。

中川愛

中川愛 (なかがわあい)

1996年、インド生まれ。帰国後は男の子と外を駆け回る活発な幼少期を過ごす。小学4年から中学までをかつやま子どもの村小中学校で、高校はきのくに国際高等専修学校で充実した学校生活を送る。立命館大学を卒業後、母校のかつやま子どもの村小中学校で教員を務め、2022年プレマ株式会社に入社。

望月索

望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。

内田光香

内田光香 (うちだ みか)

編集職を経て、2021年入社。生まれた時から数多くの土地で暮らし、各国を旅した経験から、そこだけの「人・もの・文化」の魅力を伝えるのがライフワーク。
おいしいヴィーガン料理を愛する食いしん坊。野菜ぎらいな小学生の娘と二人暮らし。

十二村英里

十二村英里 (じゅうにむらえり)

プレマルシェ・スタジオ中目黒でイベント運営や展示販売などを担当。2021年に待望の第一子を妊娠し、翌年に無事出産。新米ママとして育児と仕事に奮闘する日々。

鈴木 啓子

鈴木 啓子 (すずき けいこ)

現代の忙しい女性たちに、米ぬかと大豆の自社製品を使った簡単で美味しいレシピや食材をまるごと食べる一物全体の大切さをイベントや講座で伝えています。

松本春菜

松本春菜 (まつもとはるな)

ジェンダーフリーの長男と、ラガーマンの次男を育てる2児のシングルマザー。子どもたちも大きくなり、子育てに余裕が出てきたのでいろいろなことに興味津々。

堂尻友子

堂尻友子 (どうじり ゆうこ)

自然への畏敬の念と自然食品への関心を深める。システム管理会社勤務を経て、現在2児の母。プレマシャンティのデータ&家電担当。

城島淳子

城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

自然療法や波動医学を実践。解熱剤や抗生剤等を使わず3人の息子を育てている。九州在住でご当地商品の開発担当。

峰村東子

峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。