過日、電磁波関係の勉強会にご参加いただいた方から「自宅の電気自動車の電磁波が気になって仕方ない」というお話しをいただき、では実際にドライブしながら測定して、対策も検討しましょう、というお話しをしました。
実際に乗ってきていただいたのがこちらの三菱 アウトランダーPHEV。大きな躯体ですが、エンジンのパワーは充分、発電しながら走る車ですので、この石油高のご時世にはとてもありがたい低燃費な車です。
早速、極低周波電界、磁界、高周波と電磁波対策の要諦となる3つの数字を測定しながら市内を走り回りました。自動車の場合、セオリー通り電界はほぼ問題になりませんし、高周波は乗っている人間がスマホを切り、Bluetooth機能を落としてしまえば車だからこそ、という問題は生じません。
問題は磁場です。自動車の発電を司るオルタネーターと、エンジンを駆動するモーターからどれくらい各座席で数字が上がってくるか、というところなのですが、実際に測定してみると正直、従来のエンジン車とさほど変わりはないのです。私自身がこのタイプの車をもっていないので非常に興味があったのですが、実際のところは「発電して走っている、なのでものすごい電磁波!」という皆さんが期待するようなストーリーはこの車に関しては成り立ちませんでした。
これは車種ごとにまったく違う数字がでるので一概に電磁波環境についてPHEVは悪くないです、というほと単純な話しではありません。とにかく測定してわかることがたくさんあり、憶測でものをいうことほど、電磁波に関して危険なことはないのです。都会だけが電磁波がすごいというのも明らかに間違いの単なる印象レベルの話しに過ぎず、田舎の高出力の公衆無線アンテナのほうが場所によっては深刻です。
ここでお伝えしたいのは、その印象で電磁波を語ることの危険性と同時に、「電気自動車は怖い」「5Gが怖い」「アーシングだけしてたらOK」「このカードで全部解決」みたいな安直な電磁波のネット情報あるあるに無意識にもっていかれないことの大切さです。
この車のオーナー様、よくよく伺ってみると、特段の身体の問題は起きていないようで「とにかく怖い」が先にたっている感じでした。測定した数字の多寡も大事なのですが、それよりも無駄な心配を抱え込んで、起きていない問題で心を悩ませるほどもったいないことはないのです。
よくある話しとして「田舎に残した高齢の父母がオール電化にしてIHクッキングヒーターに変えたがっているので、なんとか阻止したい、中川さん、理屈で説得してください」というような話しです。ワクチン打つな、的な話しとやや似ているところがあり、自分にとっての善が万人にとっての善とは限らないのです。田舎で高齢、足腰の悪いご夫婦が火災のリスクと隣り合わせでガスコンロを使い続ける、なぜなら電磁波は、IHクッキングヒーターは電磁波で死んでしまうからというのは実に乱暴な善意の押しつけにほかなりません。
別に太秦だから三菱の応援をするわけではなく、実際に数字がガソリン車とさほど変わらず、燃費がよくて、安全性も高い車であるということなら、この車を買うという選択肢は大いにあり、です。実際乗り心地もすごくよくて、運転していても重量のある屈強な躯体で安心感がありました。交通事故に対する安全性もまた、電磁波だけを実態以上に深刻視して横に置いておくべきこと、とは私は思えないのです。
現代生活のリスクは電磁波や化学物質だけではありません。もちろん実際に過敏症を発症している人にとってそれが深刻なテーマであることは120%承知しているので、それに対する具体的な施策もどこよりも提案できます。ただ、今具体的な問題を感じていないにもかかわらず「怖い怖い」といって自分や家族を追い込んでしまっては意味がないのです。
私は恐怖を軸にマーケティングしないと誓ってプレマの事業を進めています。売上よりも大事なこと、つまりお客様の幸せに寄与すると誓っているからです。その恐怖が和らぐことも含めて私たちがカバーするべきことだと思っていますので、いくらでも手の打ちようはあり、プレマとお付き合いいただいている以上、いろいろな意味で安心して過ごしてください、と申し上げたいのです。