プロモーションセクションの内田です。
先日、『らくなちゅらる通信」の取材で
布製品を作る「益久染織研究所」さんを訪れました。
場所は、奈良県の法隆寺近く。
駅に降り立つと、10年以上前に観光で訪れた時の記憶が
ぼんやりと懐かしく甦ってきました。
駅から研究所さんまでの道のりはとにかく長閑。
田んぼには刈り取り前の稲が重たく穂を垂れ、
用水路にはザリガニやあめんぼがたくさんいました。
しばらく行くと、そんな周りの景色に溶け込むように、
穏やかな表情の研究所さんの建物が現れます。
中に入ると、木がふんだんに使われた内装に、
何台もの手織り機、そして壁一面には色とりどりの糸巻きの数々…
ああ、ここが布製品の会社なのだなとすぐにわかるのですが、
入るなり空気が違うんです。初めての場所なのに落ち着く…
仕事で来たのに、ふわっと癒される感覚すら覚えます。
代表の吉井委代社長にお話を伺っていくうちに、
その理由がわかってきました。
益久染織研究所さんは、中国の山東省で、
綿の栽培から、糸紡ぎ、染色、織り、裁断、縫製、
そして最終製品になるまで、すべて一貫生産を行なっています。
アパレル業界では分業が当たり前の世界なので、それだけでも貴重なのですが、
驚くべきは、その農村一帯の綿畑では、かつて一度も(少なくとも100年以上)
農薬や化学肥料を使ったことがないこと!
農民の方たちは、「大きな機械が入ると土が痛むから」と、
畑では手で扱える鍬や鋤しか使わないんだそうです。
さらに、収穫時は手摘みで綿花を集め、熟練のおばあちゃんたちが手紡ぎで糸を作り、
植物による天然染色で、丁寧に織った生地で製品を作っているのです。
オーガニックコットンは3年以上農薬を使用していないこと、などの基準がありますが、
それを遥かに超えた次元で布製品を作られています。
益久染織研究所は、創業者の廣田益久氏が、一般的な紡績業を経て、
40年以上前に「自然の声を聞いて、社会に喜ばれるもの作りをしよう」と始めた会社。
資源を枯渇させてしまう「大量生産・大量消費」ではなく、
自然の恵みをそのまま生かして丁寧にものを作り、
大切に使って、いずれは自然にお返しすることがコンセプトです。
廣田氏が惹かれていたという天然染色による自然の色は、
思った以上に種類が多く、目に優しい色あい。
40年以上前に作ったという色見本を見せていただきましたが、
まったく色褪せず、当時のままに残っていました。
衣類や布製品だって、じつは農産物。
水や空気などの自然の力がないと生まれないし、
どのように作られているかがとても肝心。
食べ物と同じなんだな!と新たな気づきを得ました。
何より、益久染織研究所さんの製品は、
手に取るととてもホッとするんです。
お日様の匂いがする布団のように…
自然が溶け込んでいるとはこのことでしょうか。
さらに、人の手の温もりがエネルギーを添えている。
100%自然栽培で、天然染色で、人の手でって、
この時代に、奇跡のような製品だと思うのは、
きっと私だけではないはず!
私はこれまで、食べ物はオーガニックや自然食品でも、
衣類はまだファストファッションが多かったのですが、
これからは「気持ち良さ」で選ぼうと思い直しました。
取材で印象に残ったのは、社長も、ご両親も、
ある時から石鹸や洗剤を使わない生活をされてきたこと。
それはもちろん、環境のためでもありますが、体のためでもあります。
ちなみにお父様は90歳台まで長生きされ、
周囲の方が驚くほど「美肌」の持ち主だったそうです。
(これは、ご健在のお母様も同じく)
皮膚から有害なものが入らないことの影響がすごいんですね。
私も、石鹸洗剤をやめるという発想はなかったけれど、
益久さんの製品を使ったらできそうな気がする。
ということで、さっそく布巾やタオルを使ってみました。
洗顔時は、「和紡布 ガラ紡の化粧落とし」で顔をなでるように洗う。
入浴時は、湯船に浸かりながら「和紡布 ガラ紡の健康タオル」で体をこする。
キッチンでは、油汚れを流したあと「和紡布 食器も洗えるふきん」で食器を洗う。
はい、試して2週間ですが、石鹸洗剤なしでも全然問題ないです!
さらに石鹸洗剤なし生活に興味がわいてきた私は、
たわしやヘチマも使えると知り、さっそく購入しました。
勢いあまって買いすぎたのはご愛嬌(笑)
ちなみに、カーテンや寝具など、
部屋の中の大きな面積を占める布製品を自然のものに変えると、
空気が浄化されて体調が改善することもあるでそうです。
ああ、部屋の中の布製品がすべて益久染織研究所さんの布になったら、
どんなに気持ちいいことでしょう。
取材を機に、身の回りの布製品が少しずつ変わり、
さらには石鹸洗剤なし(減)に導かれている生活に。
益久さんの布を使い始めると、
新しい生活の扉が開くこと間違いなしです。
◉益久染織研究所さんのインタビュー記事は『らくなちゅらる通信』12月号に掲載いたします。