日本に息づく再利用の意識 – プレマのほんもの発掘ブログ 「これ、すごいんですよ!」

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料理人がみる世界

日本に息づく再利用の意識

投稿日: 2018年1月7日 更新日:

「かすとりしょうちゅう」をご存知ですか?
粕は酒かすを指し、「粕とり焼酎」は文字どおり、
酒粕を原料にした焼酎です。

作り方は、いたってシンプル。
酒粕に残ったアルコール分や米の糖分をそのまま活用し、
再発酵して蒸留します。

昔ながらの作り方は、酒粕にもみ殻を混ぜます。
これが「正調粕取焼酎(せいちょうかすとりしょうちゅう)」。
クセの強い飲み口で、九州北部で好まれたようです。

対して、吟醸酒(ぎんじょうしゅ)が持つ果物のような香りの
「吟醸酒粕焼酎」は、酒粕に水や酵母を加えて発酵させます。

九州北部の粕とり焼酎は、酒粕に残った豊富な栄養を
田畑の肥料にしようと工夫した末に生まれたとも云われます。
酒粕を蒸留しアルコールを抜いたカスが、肥料。
粕とり焼酎は、その副産物だったのだとか。

しかしながら、酒粕を再利用しようとした人々は、
九州北部以外にも多くいたようです。

 

と、つらつらと書きましたが、私自身が
酒粕から焼酎ができると知ったのは、2年前のこと。

「三河のみりん造りは、かすとり焼酎が原点なんです」
「足助白たまり」の日東醸造 蜷川社長の一言に「??」。

まず、「かすとり焼酎」を知りません。
おまけに三州三河は、米焼酎で仕込むのではない
独自のみりん醸造があるのだとか。

それが「みりん」の概念を大きく変える味だと聞けば、
好奇心を刺激されない訳もなく。
2015年の12月末、一番慌ただしい折に、無理をお願いし、
碧南市の杉浦味醂さんへ足を運びました。

 

三河平野と濃尾平野の大穀倉地帯を従えた
三州三河と知多半島は、酒などの醸造業が盛んでした。

江戸までの海運の便も良く、江戸時代には関西に次ぐ美酒と、
「中国酒(ちゅうごくしゅ)」が爆発的な人気を得て、
中部地方の日本酒醸造業が急成長します。

海に破棄せざるを得ないほど大量に出ていた酒粕も、
ひょんなことから、活路が開けます。
半田の「粕酢(かすず)」や、三河のみりんがそれです。

江戸前の寿司には、甘みのある粕酢。
ウナギのたれには、濃口の醤油と味醂。

三河の「酒粕」と切っても切れない江戸前の味は、
江戸時代の海運と、恵まれた環境によって、
育まれていたようです。

しかし、近代に入り、日本酒醸造の衰退と共に、
酒粕の入手が困難になります。

酒粕のもとは、米。
粕とり焼酎も、言い換えれば「米焼酎」だと、
独自に米焼酎を蒸留し、味醂を仕込み始めたのが
三州三河みりんの代名詞「角谷文治郎商店」。

対して、三河みりんの原点「粕とり焼酎」へ
回帰したのが、「杉浦味醂」です。

安価なみりん風調味料に押され、本みりんが縮小する中、
祖父が残したレシピを元に、活路を模索した杉浦さん。

三河みりんの歴史を紐解くように、錯誤を重ね、
復刻されたみりんは、もちろん「粕とり焼酎」を
使った三河の原点といえるみりんでした。

それだけではありません。
味醂醸造の大先輩たちが「それはダメだ」と、
頑として取り合わなかったもろみの長期熟成が、
みりんとは思えない濃い味わいを醸します。

1年ものと3年ものをそれぞれ試飲させて頂くと、
味が全く違います。

使いやすそうな軽い風味の1年物に対して、
3年物はまるで、バーボンのようなまろ味。
甘みも、黒糖やダークのメープルシロップのような、
カラメルのような、コク深い複雑さです。

みりんは調味料ですが、お酒です。
日本独自のリキュール、といってもいいでしょう。

料理の名脇役と云われるみりん。
みりんの使い方ひとつで、料理が大きく変わるのに、
あくまでも「脇役」だといわれ、「飲む」楽しみは、
何処かに忘れ去られています。

杉浦味醂はスイーツに最適のみりんと聞きましたが、
オレンジの皮を入れた薬膳酒にも、カクテルにも、
立派に耐える味わいです。

杉浦さんの本みりんは、今まで考えもしなかった
「みりん」醸造の奥の深さを教えてくれました。
また同時に、昔の有機的なものづくりを、
考えるきっかけを与えてくれました。

 

酒糟を肥料に再利用しようと、蒸留した結果、
得られた かすとり焼酎。
三河みりんや粕酢も、大量にできた酒粕を、
再利用することから生まれました。

再利用を重ね、最後は自然に還り、また実りに
繋げるのが、日本の食品やものづくりの
根底に流れる、自然への敬意なのだと思います。

プレマシャンティもまた、自然への敬意と感謝、
作り手への敬意と感謝を、忘れることなく、
また新たな一年を次へ繋いで参ります。

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。 ビーガンジェラートマエストロ 2018年イタリアジェラート協会(SIGA)開催の国際コンテストでダブル受賞

山口勝弘

山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

花井良平

花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

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岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

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プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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久野真希子 (くの まきこ)

2010年入社。海外事業担当。「フォーリア」や「コトー・ナンテ」などさまざまな輸入品の取り扱いにはじまり、海外での事業展開を進めています。 現 プレマ株式会社取締役

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山崎美穂 (やまさき みほ)

「仕事と家庭を両立しながら頑張っています!」プレマ株式会社プロモーションセクション プロモーター

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寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

1級電磁波測定士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

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城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

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峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。

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上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

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堂尻友子 (どうじり ともこ)

自然への畏敬の念と自然食品への関心を深める。システム管理会社勤務を経て、現在2児の母。プレマシャンティのデータ&家電担当。

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林美緒 (はやしみお)

2017年入社。プロモーションセクション プロモーター。
プレマルシェ・ジェラテリア 店長。
興味のあることは、考える前にとりあえず行動。
最近のマイブームは、ランニングと自己流の筋トレ。

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西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。
典型的なO型と言われます。考えるより先に行動してしまい後から困ることも多々。犬と小学生との世話に明け暮れる日々です。

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望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。