農薬不使用です!には意味があるのか ~ 美食の国で考える – プレマのほんもの発掘ブログ 「これ、すごいんですよ!」

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農薬不使用です!には意味があるのか ~ 美食の国で考える

投稿日: 2018年5月29日 更新日:

殺虫剤 不使用。
殺菌剤 不使用。

買い物をしていて、こういうラベルを見かけました。
トマトの生産者(供給者?)の独自表示のようですが、有機認証とは関係のないものです。

1970年代初頭 欧米の有機農業実践者が集い、有機生産物に対する世界的な信頼を高めるために国際NGO「IFORM」が動き始めたのが、ここフランスです。だったら有機栽培が盛んな国家なのではと期待も高まりますが、イタリアやドイツの方がはるかに有機認証の普及率が高く、欧州連合の加盟国家の中で「認証」の普及率が低いグループに属するのがフランスです。ですから、オーガニックの生鮮を扱うコーナーに並ぶのはスペインやドイツなど近隣国からの輸入品が大半です。

欧州連合外の国にルーツをもつものの目で見れば、「それでも、EU製でしょう?」と思うのですが、有機認証かどうかよりも、「フランス製」であるかないかに重きを置く消費者は決して少なくはありません。世界という舞台では、平和的な経済協定をベースにした国家連合として振る舞っている欧州連合も、それぞれの国家間に横たわる歴史は決して軽いものではなく、会話の端々、行動の端々に消化しきれない何かが見え隠れします。「平和的な」関係だけを保ってきたわけではない国家間の協定がいつもまでも続くわけはなく、自国領土から生産拠点が海外に移動していく様は歓迎できないとでも云うように、「フランス産」というステッカーを掲げた商品が目につきます。日々の暮らしに欠かせない生鮮食品は、このステッカーが目立つように貼られている様子をみると、消費者の多くが産地を選択基準にしているのだろうと想像できます。

もともとが農業国家のフランス。年に一度パリで開催される国際農業見本市(Salon international de l’agriculture)は、農、林、水産、酪農、畜産業に関わるあらゆるものが揃っています。現役大統領や政府高官がこぞって視察に訪れるこの見本市が、以降の大統領の命運に影響を及ぼすとも云われるのは、この国家の軸が農業であるから。大戦後の深刻な食糧危機を乗り越えるべく、国家を挙げて食糧生産に従事してきた結果、食糧自給率が100%を超え、耕作面積が国家の半分以上を占める一大農業国家になったフランスにとって、「自国で生産する」行為そのものが国家を左右する命題であり、食に関わる分野には特に、メディアも国民も、非常に高い意識をもって注目しています。

栽培面積あたりの減収、耕作面積の拡大、機械化、大量生産と、先進国の多くが辿った道は、フランスも無縁ではありません。しかしながら、高いクオリティを維持し供給するために、利便性や収益に安易に流されない昔ながらの製法にならう生産者も少なくはないのです。食に関する見本市は、パリ国際農業見本市だけではありません。年間をとおして各地では大小さまざまな見本市やフェアが開催されますし、毎週どこの街でも必ずといっていいほど生産者の直売市が開かれています。店先に並ぶのは、作り手の信頼をかけた作品たちです。彼らが「どこにも負けない」と自負する食品には、有機の認証こそありませんが、何年間も毎週同じ場所に店を構え、消費者と直接顔をあわせ、取引を続けていけるだけの「クオリティ」をもっています。彼らがいう「クオリティ」とは、味であり、鮮度であり、品質であり、それを提供する彼らへの信頼。打ったら響く消費者が多いこの国で下手をすると、あっという間に立ち行かなくなることは、作り手もしっかりと認識しています。
大手の量販店を介して販売するのであれば、「認証」という第三者の担保が必要なのでしょうが、お互いが顔をあわせ販売をする場では「作り手」「売り手」そのものが、信頼を担保しています。農業大国でありながら、有機認証取得率が低いのは、恐らく消費者と生産者のお互いの信頼をかけたやり取りの積み重ねの結果が、少なからず影響しているのではないかとも思います。

何百キロの道のりを経て届く、有機認証の生産物を選ぶのか。
車で1時間もかからない場所から届く、朝採りの生産物を選ぶのか。

選択は一様でありませんし、ものによっても変わります。
ただ「認証制度」がもつ歴史的背景を、「認証」が大手流通や国際取引を前提に規定されるものだということを、顔の見えない取引が前提にあることを、知っているのといないのとでは、これからの世界の在り方にも違いが生まれるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。 ビーガンジェラートマエストロ 2018年イタリアジェラート協会(SIGA)開催の国際コンテストでダブル受賞

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山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

花井良平

花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

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岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

横山奈保

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プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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久野真希子 (くの まきこ)

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山崎美穂 (やまさき みほ)

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寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

1級電磁波測定士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

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城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

自然療法や波動医学を実践。解熱剤や抗生剤等を使わず3人の息子を育てている。九州在住でご当地商品の開発担当。

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峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。

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上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

娘たちは2人とも生まれつき卵・牛乳アレルギー&アトピーで、小さいころは食べるものや日々の生活に四苦八苦していました。これからは自分自身の健康も意識しながら、前向きに笑顔で過ごしていきたいです!

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堂尻友子 (どうじり ともこ)

自然への畏敬の念と自然食品への関心を深める。システム管理会社勤務を経て、現在2児の母。プレマシャンティのデータ&家電担当。

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林美緒 (はやしみお)

2017年入社。プロモーションセクション プロモーター。
プレマルシェ・ジェラテリア 店長。
興味のあることは、考える前にとりあえず行動。
最近のマイブームは、ランニングと自己流の筋トレ。

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西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。
典型的なO型と言われます。考えるより先に行動してしまい後から困ることも多々。犬と小学生との世話に明け暮れる日々です。

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望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。