プレマシャンティ開発チーム横山です。
近頃の京都は、ヨーロッパからの客足も多く。
普段どおりのアジア圏からのお客様と混じって、
特にこれからの季節、京都の共通言語は英語にかわります。
英語に混ざって、地域言語の京都弁(日本語)が聞こえる
という感じでしょうか。
それに加えて、様々な言語が飛び交って、
地球がまるごとこの小さな都市に、
ぐんと凝縮されたような錯覚に陥ります。
この感じ、どこかほかでも体験したなと思ったら、
中東の観光立国 ドバイ首長国です。
アラブ首長国連邦のひとつの国であるドバイ首長国は、
アラビア語湾岸方言を国語とする国ですが、主言語は英語。
街中を歩くと、英語に混ざってアラビア語が、
そして他の様々な言語が聞こえてきます。
飛び交う言語の複雑さと多さに、
容赦ない太陽と街のスケールに、
斬新で想像をはるかに超える造形に、
頭がくらくらします。
こんな中で良く生活ができるね、と友人にいうと、
曰く「私たちは、変わらないから」。
招待された夕食の場で、そして一緒に出掛けたモールで、
垣間見たのが、昔から今につながる時間の流れでした。
家族で家庭料理を囲む食卓。
デーツやひよこ豆で作ったお菓子。
沢山のナッツや、見たこともないパン。
自分たちの生活は、現代という時間の造形だけれど、
そこには過去からの時間が、止まらず流れています。
洗練と伝統をよりあわせ、過去と未来が交差する。
どこか京都にも似ているなあと、感じます。
歴史のあるもの。伝統のあるもの。
そして、近代の絶妙なエッセンス。
この歴史と伝統と近代の、絶妙な配合は、
実は街だけでなく、生活だけでもなく、
様々なところに共通しているように思います。
多くの観光客が、京都の造形だけでなく、
日本の食文化に惹かれるのも、また、
「絶妙な配合」が醸す魅力かもしれません。
プレマシャンティも2015年の末ごろからは、
しばらく、現代の妙を探していました。
レトルト、インスタント、合わせ調味料といった、
伝統の味を残し、便利さを生かせる食品や、
西洋からやってきたクッキーなどのお菓子です。
アルミやプラスティックの袋に、桜のラベルも、
それなりに見栄えはしていたように思いますが、
やはり、桜には伝統。
伝統が映える、これぞと云える逸品をと、
探し続けて、ようやくご縁に恵まれました。
昨年11月にお目見えした「本練りようかん」は、
見た目にも、桜がしっくりと馴染む子です。
1000年以上の歴史を持つ老舗が、
ひと釜ずつ、根気よく小豆を練りあげて、
伝統の製法を守りながら、今に伝える味だから、
複雑さを出したくて、粗製糖を使って頂きました。
「塩ようかん」には、にがりの残った海塩を使い、
粗製糖の複雑さを一層深める、絡まるような、
病みつきになる味が表現されています。
寒さが深まるこれからの時期、
熱いお茶と一緒に、ご賞味ください。
ほっと一息つきたくなる、里心のつく味です。
ちなみに、この羊羹たち。
砂糖たっぷりのお茶が大好きなイスラムの国でも、
なぜか大人気でした。
「本物のおいしさ」は共通言語、なんでしょうか。