さて、続きです。先に、乾しいたけの質が入札所で9割決まると書きました。
それが事実なら、目利きの眼だけがすべてか?というと、決してそうではありません。
入札した乾しいたけが、お客様の手元に届くまでにどう扱われているかが、最終の評価を決めてしまいます。入札所から運ばれてくる箱の中には、しいたけのサイズも形も、とにかくその日に収穫・乾燥されたしいたけがすべて詰まっています。つまり、種々混合。欠けたものも、虫食いあとがあるものも、割れたものも、木くずもすべて入っています。けれどこのひと箱、ほぼ丸ごとが1)仕分け・選別、2)天日干し、3)袋詰めの大きな3つの段階を経て、お客様の手に届けられています。
1)仕分け・選別:入札後、届いた乾しいたけは箱から出され仕分けられます。かさの欠けたもの、割れたもの、粉状になったもの、大きいもの、小さいもの。お客様によって好まれる形状は変わるそうで、かさの締まりや粒の大きさによっても分けられます。またかさの欠けたものや割れたものは、主に業務用に使われます。
2)天日干し:仕分けと同じくらい大切なのが、天日干しです。天日干しといっても、しいたけを乾燥させる目的ではありません。昔から産地では、「乾ししいたけは天日に干すと美味しくなる」と普通に行われていたことですが、近年、高温乾燥した後の乾しいたけを天日に干すと、ビタミンD2の含有量が増すと化学的に証明されています。プレマシャンティの乾しいたけも、入札所から届いたのちにかさを下にして天日干しされます。
余談ですが、もしかするとこの光景が、乾しいたけ=天日干しのイメージを強めたのかもしれません。
3)袋詰め:天日干しされ、仕分けも済んだ乾しいたけは、お客様にあわせて袋詰めされます。
便利になった現代、袋詰めの機械もあるのでしょうが、ここではすべてが手作業です。一番敏感な人間の手の感覚を生かし、重量計量された乾しいたけを手と目で再度選別しながら、ひとつひとつトレイに並べていきます。並べたあとは袋に入れ、熱圧着で封印するまでが一連の手作業です。この袋詰め、手慣れた方の速さといったらピカイチです。1分も経たないうちに、長四角のプラスティックトレイの形にあわせて、パズルのピースをはめ込むように隙間なく、おなじ厚さに乾しいたけが並べられていく様子は、見ている側も、驚きと同時に爽快感を覚えるほどです。「毎日同じ仕事をしていればね~」とは云われますが、その正確さには繰り返し以上の何かがあるんだろうと推測してしまいます。
プレマシャンティのものでなくとも、購入された乾しいたけは、使う前に白いひだひだの面をうえにして1時間ほど天日に干しましょう。そうするとビタミンDが増えるようです。お試しください。