今回は日本人としての「食」について幅を持たせながらお話ししてみようと思っています。
まず日本人の主食は、日本の土壌で取れる主な穀類、即ちお米でありますが、お爺ちゃんお婆ちゃんの頃は「ひえ」とか「あわ」とか「そば」、「玄米」を食していました。今現在は白米中心だったり、忙しい朝は精白したパンが多いのではないでしょうか。それでも漢字で歯と書きますとお米を口に止めると書いてあることからも、日本人はお米を主食として食べているのです。主食はお米と願いたいので、お米について触れてみようと思います。 まず玄米ですが、玄米が体に良い訳は精白していないということがまず第一で重要なところですが、性質的にはナトリウムとカリウムのバランスが血液中の赤血球のなかのその比率と近似していることや、ビタミンB群、D、K、Fなどが豊富であり、カリウム、マグネシウム、燐、鉄、マンガン等のミネラルや、食物繊維も多く便秘に良いことが挙げられます。玄米から精白米にすると、ビタミン類は1/4に、ミネラル類は1/2に減少してしまいます。また、フィチン酸という抗酸化成分が含まれており、老化や発癌を予防します。玄米に多いフィチン酸は放射性物質を捉えて排泄する力があります。便秘で悩まれる方が多いですが、まず主食を玄米に変更されると良いと思いますし、放射能を心配されていらっしゃる方も同じです。また血糖値は白米よりもゆっくり上昇するので、今はやりの低インシュリンダイエットには白米より玄米の方が良い訳です。もちろんダイエットでは炭水化物を取らないという方も多くなってきています。また、1日5回の食事というのが良いと言われてもいます。これも血糖値を急激に上昇させない方が体には良いとアンチエイジングの世界でも言われているからです。先祖が狩猟していた頃の生活を考えてみますと、長い距離を歩いて狩猟するのですが、もちろんお弁当はないので、食べ物があったときにその都度口にしてということを繰り返していたのではないでしょうか。
また、エネルギー医学的にみてみますと、一つの生命体はそれ一つ全体で一つの物であり、一物全体を戴くということが健康に良いのではと考えます。生命体の部分だけを食すると偏りが生じ病気になる訳です。ですから前記しました精白しているしていないも、当然精白していない方が良い訳です。日本は島国で周りを海で囲まれていますので、ここでは塩についても触れてみたいと思います。塩といいますが、どんな塩を使われていますでしょうか。ミネラルが豊富な天然塩ですか、それとも食塩ですか?この選択は重要です。加工していない物、精製していない物ということから判断しますと天然塩と食塩はまったくの別物で、健康を考えるのであれば天然塩にしなければなりません。天然塩は身体にとても優しいのです。また、魚や肉ですが本来一物全体を食べるということが望ましいのですが、マグロを一匹、牛を一頭全部食べるというのは 不可能です。そこで陰陽論から焼き 魚には大根おろしを、生魚、かつお、 マグロ、サバにはしょうがやわさび や酢を、牛肉、豚、トリにはおろし 生姜とネギ、ニンニクを、穀物には 野菜をという風に陽性の酸性食品に は陰性のアルカリ性食品を加え陰陽 のバランスを整え中庸に、ある意味 付け合わせで毒消しをしているので す。これは日本食の素晴らしさと言 えるでしょう。
今回は日本食を部分的にではあ りますが具体的に触れてみました。 前回の食を考える基本要素を今回 続けて書く予定でしたが、次回に その続きを書いてみようと思って おります。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師・整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |