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裏話編 料理人がみる世界

ところ変われば。

投稿日: 2020年9月13日 更新日:

プレマシャンティ開発チーム横山です。

8月に2色のローゼルやライチの乾燥、小さなバナナやイチゴ、マンゴーなどのドライフルーツのミックスなどが、新しくプレマシャンティの仲間になりました。
往々にしてアメリカやオーストラリア、東南アジアが多いドライフルーツですが、この子たちは皆、アフリカからやってきました。

その中のひとつ、ミックスベリーをお手に取ってくださったお客様から、つい先日お問い合わせを頂きました。

何点か購入した中で、ミックス・ベリーのフルーツに繊維のようなものがついていました。
これは何でしょうか?

送り頂いたお写真をよく見ると、確かにイチゴにも見えるドライフルーツにうねうねとした髪のような、繊維のようなものが固着している様子が見えます。

食する側の目で見ると、「こりゃ、嫌だよなあ」。
日本で乾燥までしたものであれば多分、ひとふくろ丸ごと、なんか嫌だなあと押しやったと思いますが、「アフリカで加工しているしな」と妙に納得しました。

そして次の瞬間、自分の思考を追いかけなおしました。
「日本だとNG」で、「アフリカだと納得」?

もちろん販売している側としては、産地がどこであろうと「異物」が混ざっていた事実に違いはありません。
ご連絡をくださった方へお詫びし、以降 同じことが起きないよう加工者に連絡、改善のお願いと提案をする、場合によってはご連絡をくださった方へ調査報告と改善案をお伝えする という流れをたどります。

それでもこの過程の中で作り手と話をする際には、産地によって伝え方や考え方のポイントが変わってきます。
例えば、欧米原産であれば、パッケージのズレやへこみ、時にはヘタ・茎・葉の混入や形状の欠損は当たり前です。
それもあって、欧米市場と長くやりとりをしている国もまた、これらは「当たり前」。
「アフリカ」も例外ではなく、「ヘタ・茎・葉の混入」を指摘されたところで、生産者はあまり重大な事件が起きた!とはとらえません。

ひとくちに「アフリカ」といっても、確か現時点でアフリカ大陸には56の国(違っていたら訂正ください)があり、それぞれの国が違う文化・歴史を持ち、地形も異なります。

日本とご縁が薄いからか、「アフリカから」というと驚かれる方が多いのですが・・・。
アフリカ諸国は歴史的にヨーロッパ大陸とのご縁が濃く、多くの国がフルーツや砂糖、カカオ、コーヒーなど多くの食品を欧州に輸出しています。ですから製造部門の多くはヨーロッパ(ヨーロッパと云うかEU?)が基準、有機認証もヨーロッパ認証が多いのです。

日本でヨーロッパ基準というと「好印象」が多いですが、輸入をしている方はよくご存じの問題がひとつ。
パッケージ問題 です。

デザインは素敵なのに、造りや仕上げがのんびり。
輸出用に最初から作っているものならまだしも、経済共同体圏内向けはのんびりで、自国内向け(もしくは)はかなりのんびりで、地域限定であればさらに、小規模生産であればそれよりもさらに・・・とだんだんのんびり度合いが深まります。

パッケージだけでなく、日本とは気にするポイントが違うのか、少々の箱のへこみやつぶれは割と平気で店頭に並んでいますし、パッケージフードを買うと、ドライフルーツにヘタが入っていたり、冷凍野菜に茎や葉が入っていたり、9個入りの袋詰めが9.5個入りだったり、チョコレートサンドなのに20個入りのうちの1個にチョコレートがなかったり、1キロ入りマドレーヌに半分に切れたものが混ざっていたり・・・とまあ、様々。さらに云うなら、「割れ」や「欠け」といった形状不完全なものだけを集めた『お徳用』パックは、基本概念としてはありえないものです。
日本ならお客様からの問い合わせにつながりそうな気もしますが、購入した側が使うときに、除けられる、まあひどく落胆しない程度であれば、許容範囲と考えられているのでしょうか。

その代わりといってはおかしいかもしれないけれど、食品であっても返品は可。
選択の基準は「変えられない品質」、つまり原材料にあるので、EUに至っては、材料に何を使うかは非常に厳格な基準が設けられています(もちろんEUも加盟国によって、基準が異なります)。
例えば保存料や着色料、香料、加工助剤などの食品合成添加物に至っては、単純に数だけ比較するなら、ヨーロッパ諸国に比べ、日本はまさにゼロの数が違う「桁違い」の許可数です。
先ほど書いたパッケージの欠損も、品質そのものに関わる部分であれば、態度ががらりと変わり厳しくなります。

アメリカを含め、ヨーロッパの商品の多くが、買う側の健康や身体の安全に直接関わる部分は厳格に規制するけれど、買う側に選択肢がある部分はわりとゆったりとした基準を設けているようです。
暮らした経験がないので断言はできませんが、現地に暮らす知人の話や届く商品などを見ていると、ニュージーランドやオーストラリアも、日本よりもヨーロッパに近い価値観で、項目によってはより厳しい目で、基準を決めているように感じます。(歴史的背景を考えるともちろん当然!なのかもしれません。)

対して日本。
パッケージの美しさや異物の混入には、非常に敏感です。
異物には「つかわれていないもの」が含まれるので、例えば冷凍いんげんの袋詰めは、茎が混入しているとお問い合わせが入りますし、時には商品としてはNGと判断されるなど、買う側の目も厳しいです。
その反面、先ほどの認可された合成添加物の数にあるように、原材料など「変えられない部分」に規制はあるけれど、欧米ほど厳しくないのが実態です。

湿気や温度、文化・歴史背景など、基準の違いに影響を与える要素は沢山あります。
ですから単純な「善し悪し」ではないですが、日本とヨーロッパ、アメリカでは「何を・どこを・誰を」基準にするかに、大きな違いがあるのかなと考えたりもします。

今回のドライフルーツの付着物。
お写真でのみ拝見していましたので、「乾燥する時のネットの繊維」である確率が高いです。
日本基準に仕上げるために、大袋で輸入し日本で最終商品化する手間をとっていますが、お願いしている先によると、小袋に詰める作業をする方が、目で確認をしているので年に2~3回、こういうご連絡がはいるとのこと。

製造している現地にも古くけば立った乾燥ネットを使わないよう依頼したり、製造する場所を明るくするよう依頼したりと、日本から「お願い」をしていますが、あくまでも日本の暮らしの環境や価値観に基づいた内容なので、現地の経済状況や生活環境からみて何が適切かは現地判断に委ねるしかありません。

ということで、結局 対策ができるのは日本側。
今回の件をうけ、日本側では目視の速度を落としたりと、検査の精度をさらにあげるよう努力しております。
今後もご賞味いただけますと幸いです。

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。3人の介護、5人の子育てを通じ、東西の自然療法に親しむ。 ただし、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。
1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社 代表取締役。
2018、2019、2020年イタリアジェラート協会開催の世界大会で3年連続入賞。
宅地建物取引士、電気工事士(2種)、健康不動産株式会社 代表取締役、電磁波環境測定対策士組合長。
趣味はマリンスポーツ。脳内は基本、海か湖のことを考えている。

久野真希子

久野真希子 (くの まきこ)

2010年入社。海外事業担当。「フォーリア」や「コトー・ナンテ」などさまざまな輸入品の取り扱いにはじまり、海外での事業展開を進めています。

岸江治次

岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

横山奈保

横山奈保 (よこやま なほ)

プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

花井良平

花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

山口勝弘

山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

山崎美穂

山崎美穂 (やまさき みほ)

「仕事と家庭を両立しながら頑張っています!」プレマ株式会社プロモーションセクション プロモーター

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上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

娘たちは2人とも生まれつき卵・牛乳アレルギー&アトピーで、小さいころは食べるものや日々の生活に四苦八苦していました。これからは自分自身の健康も意識しながら、前向きに笑顔で過ごしていきたいです!

寺嶋康浩

寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

電磁波環境測定士協会理事長。電磁波対策だけしかしない第二種電気工事士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

坂井歩

坂井歩 (さかい あゆみ)

ひとたびハマると、どっぷり浸かってしまう根っからのオタク気質。恐竜、日本史、きのこ、首都、絵本、百人一首……子どもの成長にともない、その無駄な知識をひけらかしては喜ぶ毎日。

西村初美

西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。普段はおっとり型なのに、考えるより先に見切り発車で行動してしまい後から困ることも多々。犬と中学生との二人と一匹暮らし。

中川愛

中川愛 (なかがわあい)

1996年、インド生まれ。帰国後は男の子と外を駆け回る活発な幼少期を過ごす。小学4年から中学までをかつやま子どもの村小中学校で、高校はきのくに国際高等専修学校で充実した学校生活を送る。立命館大学を卒業後、母校のかつやま子どもの村小中学校で教員を務め、2022年プレマ株式会社に入社。

望月索

望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。

内田光香

内田光香 (うちだ みか)

編集職を経て、2021年入社。生まれた時から数多くの土地で暮らし、各国を旅した経験から、そこだけの「人・もの・文化」の魅力を伝えるのがライフワーク。
おいしいヴィーガン料理を愛する食いしん坊。野菜ぎらいな小学生の娘と二人暮らし。

十二村英里

十二村英里 (じゅうにむらえり)

プレマルシェ・スタジオ中目黒でイベント運営や展示販売などを担当。2021年に待望の第一子を妊娠し、翌年に無事出産。新米ママとして育児と仕事に奮闘する日々。

鈴木 啓子

鈴木 啓子 (すずき けいこ)

現代の忙しい女性たちに、米ぬかと大豆の自社製品を使った簡単で美味しいレシピや食材をまるごと食べる一物全体の大切さをイベントや講座で伝えています。

松本春菜

松本春菜 (まつもとはるな)

ジェンダーフリーの長男と、ラガーマンの次男を育てる2児のシングルマザー。子どもたちも大きくなり、子育てに余裕が出てきたのでいろいろなことに興味津々。

堂尻友子

堂尻友子 (どうじり ゆうこ)

自然への畏敬の念と自然食品への関心を深める。システム管理会社勤務を経て、現在2児の母。プレマシャンティのデータ&家電担当。

城島淳子

城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

自然療法や波動医学を実践。解熱剤や抗生剤等を使わず3人の息子を育てている。九州在住でご当地商品の開発担当。

峰村東子

峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。