2019年末のこと。
お客様からお問い合わせを頂きました。
「みりん屋さんの米糀を買いましたが、どうやってつかいますか?」
米糀ブームも終息で、すっかり定着した感があり。
麹の使い方も、もう皆さんこなれているだろうと思っていましたので、
使い方の説明等一切ないままご紹介しておりました。
ですが「みりん」の糀は・・・
確かに珍しい。
市販されている米こうじの多くは、味噌を仕込むためのもの。
「もやし●ん」なる漫画もありますが、興味を持たなければ、
麹菌にも種類があって、甘酒、味噌、醤油、白醤油、みりん・・・が、
それぞれ違う種麹菌を使っているとご存じない方も、少なくないのかもしれません。
ご紹介する側の私は、みりんを作る米こうじを仕込むと、
とっても甘みの深い甘酒ができるのだと知っていたので
当然のごとく、甘酒用!とご紹介していたのですが、
私の常識はどうやら常識ではなかったようで、大変失礼いたしました。
ご質問くださったお客様には、心から感謝いたします。
改めて、みりん屋さんの米糀はどう使うのか。
純粋に、甘酒です。
みりんはもちろん仕込めるでしょうが、やったことはありません。
「米糀」だと考えれば、味噌が仕込めるかもしれませんが、私はやったことがありませんし、やろうとも思いません。
(もしかすると即席白みそなら、甘く仕上がるかもしれないので、気が向いたらチャレンジしてみようかとは思っています。)
甘酒の仕込み方にもいろいろあります。
私のおすすめは、みりん屋さんの米糀と同量か重量の9割程度の水を加えて
炊飯器の保温モードで一晩寝かせるやり方です。
こうじ菌は、熱を嫌います。
活発な温度は、お風呂のいい湯加減。
ですから保温にした炊飯器は蓋を開け、濡れふきんを蓋代わりにかけて一晩おきます。
大体 8時間程度で出来上がりです。
今回の仕込みは 600gの麹に対して、水は500cc程度です。
温度が高く褐変してしてしまい、酸味も出たので、密封容器に移して数日熟成させました。
(温度が高すぎると、乳酸菌?が活力を増すので、酸味が出ます。)
みりん屋さんの米糀の良さは、香りです。
たいてい どの米糀も、甘酒を仕込むと臭みが出ます。
独特の香りは、味噌でしょうか。
酸味のような、成熟したような、独特の香りです。
みりん屋さんの米糀は、この香りが弱いです。
なので麹臭さを気にせず、料理やおやつに使えます。
これ 利便性が高くてありがたいのです。
麹の保存もあり、弊社では冬季しかご紹介していないこの「みりん屋さんの米糀」。
香りと味の両方から、目からうろこの米麹です。