大腿骨を折ったことのある知り合いといえば、95歳まで生きた祖母と昨年93歳で亡くなった母が共に90歳ぐらいで折った以外は、マクロビオティック料理の提唱者で百歳まで長生きされた日本CI協会元会長の桜沢里真先生だけです。
確か、95歳ぐらいで家の中で転んで骨折されたのですが、復帰された時に足が曲がってくっついてしまったことを気にされ、「もう一回折ろうかしら」などと冗談をおっしゃられていましたので、人工骨頭や人工股関節ではなく、骨接合術でくっつけたのかもしれません。
90代半ばで骨がくっついて歩けるようになるなんてスゴイことですね。
当時のCI協会は4階建てでエレベーターもエスカレーターもない古いビルでしたが、里真先生は復帰後、料理教室のある3階まで階段を一気に上られていました。
お付きの方が途中で「先生、休まれてはいかがですか?」と声をかけると、「休んだら上れなくなっちゃうでしょ!」と答えられたそうです。
その後、1999年(平成11年)に百歳でお亡くなりになられましたが、お見舞いに伺った際、ベッドに寝たまま両手で握り拳を作られて「若い方達が頑張らなきゃダメよ!」と逆に励まされてしまったことが昨日のことのようです。
1899年(明治31年)生まれで、あと2年長生きされたら3世紀またいで生きたことになったのでとても残念でした。
里真先生には1976年(昭和51年)から2年間、リマクッキングスクールで直接マクロビオティック料理を教わりました。
初級、中級、上級、師範科と、すべて里真先生が担当されていた贅沢な時代でした。
女性には厳しかったのですが、若い男の参加者がほとんどいなかったせいか、優しくしていただき、下手くそな料理でも褒められました。
当時学生で、腰まで髪を伸ばしていたのですが、嫌な顔せずご指導いただきました。
いま花井は62歳ですが、90代で骨折を乗り越えて百歳近くまで現役を続けられた里真先生を見習って、まだまだ頑張らねば!と、この原稿を書きながら決意を新たにした次第です。
次回、また入院生活の話に戻ります。