プレマシャンティでご紹介している「おいしい松の実」を、
しばらくお休みせざるを得なくなりました。
産地のモンゴルで、2019年は不作が続き、
政府が出荷を禁止したのが理由です。
おいしい松の実は、食用に栽培しているものではありません。
ロシア国境に広がる北部の森林エリアで、自然のままに育った松から、
種子を収穫して選別・出荷しています。
7大産地と云われるオブス県、ザブハン県、アルハンガイ県、トゥブ県、
セレンゲ県、ヘンティー県、フブスグル県のうち、プレマシャンティのおいしい松の実は、
オブス県、ザブハン県、フブスグル県、アルハンガイ県がある西側産を多く使っています。
この松の実を、ウランバートルから400〜500km離れた場所のアルハンガイ県にある契約工場で、
選別・加工して輸入、日本国内で10gずつアルミパウチに小分けしています。
しかしながら今年は、例年にない不作。
政府が危機的な状況に、輸出の禁止令を出したほどの不作です。
モンゴル産松の実の販売は、国内での食用に限定されただけでなく、
収穫するエリアも制限されました。
商用での収穫・輸出・使用は、2020年1月まで禁止と区切られていますが、
実際のところ、森の状況次第でしょう。
延長される可能性も否定できません。
以下、原文の翻訳です。
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<翻訳内容>
森林から松の木の実を収穫し使用する領域を定める
モンゴル政府法の第24条の第2部と自然保護法の第15条の第1部の第4項と
森林法の第13条の第13.1.2項、第13.1.5項、第38条の第38.5項に基づいて以下を命令する。
1. バヤンウルギー県ツェンゲル郡とフブスグル県ツァガーン・ウール郡の森林帯から松の実を家庭用の目的で収穫して使用して良い。
2. 松の実を当該命令書の1に命じた県と郡以外の森林からどんな目的であっても収穫と使用と輸出を2020年09月1日まで禁じる。
3. 当該命令書を関係機関に届け実施することを森林管理局、特別自然保護局、森林研究発展センターらに命じる。
4. 当該命令の実施に関する法令に則って進める事をアルハンガイ県、バヤンウルギー県、ウブルハンガイ県、ブルガン県、
セレンゲー県、トブ県、ザブハンZ県、フブスグル県、ウブス県、ヘンティ県の知事ら並びに
首都兼ウランバートル市市長に伝える。
自然環境省大臣 ナムスライ・ツェレンバト
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今年の9月23日に国連気候行動サミットで、グレタ・トゥーンベリ(Greta Ernman Thunberg)さんが、
温暖化解決のための具体的な行動を取るよう出席者たちに向けて、また世界に向けてスピーチをしたのは、
まだ記憶に新しいかと思います。
日本国内でも、日本海側の海水温が上がり、この35年ほどでサンゴがかなり北上しました。
太平洋側では千葉、日本海側では青森あたりまでサンゴが確認され、年々その種類が増えているといいます。
また時を同じくして海藻やサンゴの白化現象が起きています。
サンゴの北上と海藻の減少は、無関係でないと云われており、海藻が減り日本列島近隣の
藻場と呼ばれる場所が減ると、魚介類が生息できなくなります。
日本での大雨や台風の増加・大型化も、この海水温の上昇とは無縁ではないと云われていますし、
また世界中の気象条件の変化もこの海水温の上昇とは無縁ではないとも云われます。
たかが松の実、されど松の実です。
大自然の中で育つ植物から教えられる自然の変化に、
私たちがどう対応していくのか。
次の世代に残したい食品たちはまた、次の1000年につながる自然のうえでしか
なりたたないものだと考えています。