発酵文化大国日本には、息が凍るような寒い冬とも、じめじめとした暑い夏ともバランスをとって暮らしていくために発酵食品の力を借りる知恵があります。
食欲が減退しがちな暑い季節には、昔から甘酒が重宝されていたとはよく知られた話ですが、「飲む点滴」と呼ばれる甘酒以外にも夏場の栄養補給に最適な発酵食品がありました。
それが米あめです。
麦芽ともち米で仕込んだもち米飴は、麦芽の酵素でもち米のでんぷん質を分解させて甘みを作り出します。
酵素はでんぷん質を液体状にしたのち、糖化させるのだそうです。
液体状にさせるのがαアミラーゼ、糖化させるのがβアミラーゼです。
この液体化するという工程が完全に完了しない限りは、糖化は始まらないのだそうです。
同時に、もち米に含まれるたんぱく質も分解され、アミノ酸に変化します。
だから液化・糖化という工程を完全に終えたもち米飴には、二糖類とアミノ酸、オリゴ糖などの糖質がふんだんに含まれているのだといいます。
「本仕込 もちごめ飴」の生産者、小笠原商店の藤田社長いわく、「ものすごく簡単に説明すると、たんぱく質をちょきんちょきんと一定の長さにきっていくと、余りがでるわけ。
いろいろな長さのセルロースを決まった長さに切断していくから、余りはいろいろな長さになるでしょう。
それがオリゴ糖になったり、いろいろ他の種類の糖になる」のだそうです。
実際に測定してもらったこともあるそうですが、含まれているアミノ酸や糖の種類の豊富さに驚いたといいます。
これも完全に液化・糖化させているからこそ。
甘酒に負けない栄養価のもち米飴に、ミネラルの残った塩を加えておけば夏場の強い味方に。
もち米飴をちょっと塩分が勝っているかなという程度の塩加減にし、ミネラルウオーターに少し混ぜておくだけで、手軽なアミノ酸とミネラルの補給ができます。
夏場は熱中症や夏バテなど、気が付かないうちに体調が狂うことも少なくありません。
そんな時には、常温でも長期間保存ができるもち米飴。
簡単にエネルギーの補給もできる万能甘味料で、過酷な夏を乗り切りませんか。