昭和54年の秋に24歳で結婚と同時にマクロビオティック食品を販売するオーサワジャパンに就職し、翌55年に長男、56年に次男、58年に長女を自然分娩で取り上げ、猫の額ほどの庭を毎朝耕しては野菜を育て、休みの日には当時出始めたばかりのホシノ天然酵母でパンを焼いたり、蕎麦やうどんを手打ちしたりと自然派生活を楽しんでいました。
その流れで結婚当初2、3年は味噌も仕込みました。
酒屋に頼んで一斗樽の空き樽を手に入れ(選挙の時期は入手が簡単)、常滑焼の寸胴甕とホーローの樽も購入して米味噌、麦味噌、豆味噌を仕込みました。
初心者でもそこそこ美味しい味噌には仕上がるのですが、オーサワジャパンで仕入れている味噌屋さんのプロの味には敵わず、会社から買うほうが多くなって味噌作りは終了。
その頃、醤油を手作りするなんてことは考えも及ばず、夢のまた夢のことでした。
平成22年に陰陽ライフを立ち上げて「三五八漬けの素」や「塩麹の素」などの発酵食品手づくりシリーズを発売した後、次は「醤油の素」を作りたいと企むようになり、三五八や塩麹の素を作っていただいている福井県のマルカワみそ株式会社に相談したところ、醤油の麹を作る設備はあるとの返事をいただき、お願いすることにしました。
ただ、仕込み方や手間のかけ方、搾り方など全く未経験のため、発売前に何度も作ってみることにしました。
一年近く、毎月仕込んで様子を見ていると、家庭で少量仕込むぶんには、仕込み時期の違いによる出来上がりの差はほとんどなく、いつ仕込んでもいいことがわかり、平成24年12月に発売を開始しました。
野外イベント等では物珍しさからポツポツと売れましたが、どこで見つけられたのか、学校の教材屋さんからまとめてご注文をいただくようになりました。
これを機に、小学生の夏休みの自由研究に使えるのではないかと真夏に毎日せっせと振り混ぜて育ててみると、一週間~10日ぐらいでブクブク発酵が始まり、40日間でも十分醤油っぽくなることがわかりました。
夏休みの初日に仕込んで毎日振り混ぜ、最終日にコーヒーフィルターで自然濾過してできた生醤油を冷奴や刺身などの加熱しない用途でいただいて自由研究完結!
実際にFacebookでご紹介したところ、お子さんにやらせた(笑)お母さんがいらっしゃって、先生から丸をもらったとの報告をいただきました。
味噌は一度仕込むと中の変化を見ることができないので自由研究には向きませんが、醤油を透明なガラス瓶やペットボトルで仕込むと、ブクブク発酵する様子が間近で見られ、生き物を育てている感があり、匂いの変化や味の変化を観察することもできるので、小学生でも飽きずに続けることができるのです。
コーヒーフィルターに残ったモロミは、醤油屋さんがギュウギュウ圧力をかけて搾った粕と違い、まだ旨味がたっぷり残っているので、容器にためて漬け床にすることもできて、これがまた美味い!
ということで、これから始まる夏休みの自由研究にチャレンジしてみませんか!!