大学3年生だった昭和51年から日本CI協会に通ってマクロビオティックの勉強を始めましたが、マクロビオティックの提唱者である桜沢如一先生の著書を読むとともに、桜沢里真先生の料理教室に通い、大森英桜先生の正食医学講座等にも参加して、マクロビオティックにどっぷり浸かった学生生活を送っていました。
杉並区の四畳半のアパートで独り暮らしをしながら、圧力鍋でせっせと玄米を炊いて胡麻塩や鉄火味噌をふりかけ、昆布出汁の味噌汁に金平ゴボウ、ヒジキ蓮根、ネギ味噌といった陽性な基本食ばかりを食べていました。
大森先生の講義で食養手当法も学びましたが、若くて健康だったので使い道がなく、三年番茶に醤油を入れた醤油番茶や、梅干とおろし生姜も加えた梅生番茶を作って飲むことはあっても、生姜湿布や里芋パスター等は全く実践できずにいました。
そんな時、正月休みだったか夏休みだったかに愛知県豊橋市の実家に帰省中、母親がギックリ腰になって布団から起き上がれなくなったことがあり、今だ!とばかり、手当法を試したことがありました。
まずは梅干とおろし生姜の搾り汁、醤油を湯呑みに入れて梅干をつぶし、熱い三年番茶を注いで作る梅生番茶を飲ませてみたところ、なんと飲んだ瞬間に立ち上がって歩くことができるようになってしまいました。
本人もビックリしていましたが、周りもビックリ仰天!
しばらくして、また腰が痛いと言って寝込んでしまいましたが、瞬間的であったとしても、スーッと立ち上がれるぐらい血行が良くなり、即効性があることを知りました。
そして、生姜を大量にすりおろして布巾に包み、丼に熱湯を注いで生姜汁を搾り入れ、厚手のタオルを浸して軽く搾り、腹這いになった母親の腰に、火傷しないように乾いたタオルを2、3枚当ててから熱々のタオルを置き、その上に冷めないようにバスタオルを2枚重ねて布団をかけてジーっとしていてもらいました。
冷めたら一番下のタオルを1枚抜くとまた熱々になり、これを繰り返して肌が真っ赤になるまで20分ぐらい湿布するのです。
すると「とっても気持ちいい!」と喜んでくれて、里芋パスターまではやりませんでしたが、梅生番茶と生姜湿布だけですぐによくなったと記憶しています。
当時、母親は55歳ぐらい、5歳上の父親は60歳でしたが、まだ現役のサラリーマンでした。
身体にいいことが好きで、一時期、玄米食もしていましたが、晩年、それほど寝込むことなく、母親は93歳、父親は82歳まで生きました。
一緒に住んでいれば、もっといろいろな手当法や食事法をしてあげられたのにと悔やまれますが、親孝行したい時に親はなし、ですね。
梅生番茶 … 当時は番茶を沸かし、梅干をつぶし、生姜をおろし、醤油を混ぜ、と手間暇がかかりましたが、今では材料全部が配合されて熱湯を注ぐだけの商品(「ぬくもりめぐり茶」等)がありますので、便利になりました。
いざという時のために常備しておくといいでしょう。