マクロビオティックを始めてみると、肉は真っ先にやめることができました。
子供の頃から肉は一番のご馳走でしたし、大学で上京して一人暮らしが始まってからも焼肉が大好きでしたが、玄米ご飯と合わないのか、何の抵抗もなくすんなりとやめられました。
次に魚、これもあっさりとやめられました。
といっても子供の頃、肉は贅沢品で滅多に食べられなかったので大好物でしたが、毎日のように食卓に上がる魚はどちらかというと嫌いでした。
ところが、肉をやめてみると身体が動物性蛋白質を求めるようで、魚が大好きになりました。
でも、やっぱり玄米ご飯には合わないので、一緒には食べられません。
玄米ご飯は一口50回から100回、多い時は200回ぐらい噛んでいましたが、噛めば噛むほど甘く、美味しくなるのに対し、肉や魚は噛めば噛むほどカス(粕)になり、よく噛む玄米食には合わないのです。
肉と魚をやめてみると、動物性の毒消しに必要だったのか、それまで見向きもしなかった果物が好きになりました。
少し時間はかかりましたが、これもやめることができました。
ところが、酒好きで甘いものには縁がなかったのに、肉、魚、果物をやめてみると、今度は猛烈に甘いものを欲するようになったのです。
自然食品店で三温糖や黒砂糖入りのお菓子を買っては、むさぼるように食べていた時期がありました。
やめようとすると反動で欲しくなり、食べては後悔し、過食症ではありませんが、戻すこともありました。
そんな生活がしばらく続きましたが、マクロビオティックを始めて2年ほど経った頃、ある日突然、身体が甘いものを要求しなくなったのです。
あれほど苦しんだのに、本当にある日突然でした。
以来40年、砂糖とは無縁の生活をしています。
たまに、お付き合いで甘いものをいただくと、味は嫌いではないのですが、すぐに歯茎がうずいたり虫歯が痛むので、食べたくならないのです。
幸い24歳の時に結婚した3歳年下の妻は、日本CI協会のスタッフでマクロビオティック料理を身に付けていたので台所に砂糖はありませんでした。