自然分娩により自宅で産まれた3人の子供達が、高校を卒業するまで病気らしい病気をしなかった要因は、妻の妊娠中のマクロビオティック食と、100%母乳だったこと、家での食事は無添加・無化学調味料で可能な限り無農薬有機栽培の食材だったこと、幼稚園、中学、高校は弁当を持って行ったこと、小学校の給食は自校方式で安全な食材が多かったこと、などが挙げられます。
長男が幼稚園に入る頃までは主食は玄米でしたが、陽性になりすぎたのか、ある日、分搗き米が食べたくなって四合瓶に玄米を入れて菜箸で搗いてみました。
10分、20分と搗いてもまったく変化なく、30分ぐらいでようやく瓶の底に糠がたまり始め、ほぼ一分搗き米が完成。
さっそく炊いてみると、玄米よりはるかに食べやすく、美味しい!
何度か試みるうちに味を占め、精米機がほしくなってオーサワジャパンで家庭用精米機を購入したのが昭和58年頃だったと記憶しています。
分搗きされた米は生命力を失い、酸化も始まりますので、炊く直前に精米します。
これも子供達が健康だった要因のひとつ。
でも本当は、マクロビオティックの提唱者である桜沢如一先生が著書に書いているように、籾で貯蔵して、炊く直前に籾摺りした「今ずり米」を精米するのが一番いいのですが、なかなか籾摺りまでは難しいのです。
当時、オーサワジャパンでは「今ずり米」を家庭で実現すべく、小規模農家用の小型電動籾摺り機の取扱いを始めると同時に、手動式籾摺り機の開発に着手しました。
電動籾摺り機は小型とはいえ農家用なので、大きさはともかく、音が大きいことと、籾摺りして籾殻を吹き飛ばす時に大量のホコリが出ることから、住宅密集地や集合住宅では近所迷惑にもなり、不向きでした。
そこで、無謀にも手動式の籾摺り機を作ろうとのことになったのです。
オーサワで扱っていた手動式石臼製粉機のメーカーと、電動籾摺り機の農機具メーカー、ご縁のあった自動車の木型を作っている職人さんにもご協力いただき、手動式籾摺り機開発の一大プロジェクトを任されたのでした。
手動式石臼製粉機の石臼を外して、電動籾摺り機のメーカーのアドバイスで木型屋さんに木臼を作っていただき、それを手動式石臼製粉機の本体に取り付けて試験を開始。
米が割れない程度に木臼の間隔を調整し、籾摺りしてみるのですが、間隔を広げすぎると脱ぷ率(籾から籾殻を取り除くことを脱ぷといい、1回の籾摺りで脱ぷされる玄米の割合を脱ぷ率という)が下がり、間隔を狭くしすぎると脱ぷ率は上がりますが割れ米が増えてしまいます。
そこで、木臼と本体の間にバネを入れて弾力を持たせてみたり、木臼の材質を変えてみたりと、いろいろ工夫してみましたが、なかなかうまく行きません。
一年ぐらいかけて何度も試作し、日本CI協会の理事会でお偉い先生方の前で中間報告もさせていただきましたが、あえなく挫折。
玄米は籾摺り時に表面に傷がつきやすく、時間とともに発芽率が落ちますが、籾の状態であれば発芽率は落ちません。
籾摺りしたての「今ずり米」が家庭で手軽に食べられるようになれば、ご飯がより美味しくなるだけでなく、生命力が上がり、治病食としても効果が上がることでしょう。
今でも実用性のある手動式籾摺り機があれば、まずは花井家で導入し、陰陽ライフのメイン商品として広めたいものです。
どなたかチャレンジしてみませんか!?