肌に触れる衣類は化繊が入っていると肌がピリピリするため、若い頃から天然素材にこだわってきましたが、歳とともに草木染めも好きになってきました。
昭和54年にオーサワジャパンに入社した際、草木染めができる先輩がいて、お店の野菜売り場で邪魔者扱いされる玉葱の皮をせっせと集めては家に持ち帰り、玉葱染めの衣類を作ってお店で売られていました。
また、藍染めの生地でハンテンを作ってお店で販売され、当時のオーサワジャパンの社員のほとんどが購入して制服のようになっていました。
若い頃に持っていた草木染めの衣類は唯一その藍染めハンテン一着だけで、その後しばらくは草木染めと縁がありませんでしたが、平成22年に陰陽ライフを立ち上げてから各地でイベントに出店するようになり、草木染めの作家さんと出会うようになって、少しずつ買い足してコレクションが増えています。
先日も、栃木県の「藍絽座(あいろざ)」さんの展示販売会で藍染めの五本指靴下を購入しました。
昨年夏にもTシャツを購入しましたが、それ以前から持っていた3枚の藍染めTシャツとは着心地が全く違い、驚きました。
五本指の靴下はもう20年以上前から愛用していて、木綿、絹、麻等、いろいろな自然素材のものを持っていますが、藍染めは初めてです。
昔から、藍染めは虫除けや殺菌効果が知られていて、野良着や武士の衣類にも使われていたそうですが、靴下は身体にまとう衣類の中で最も健康に影響があるのではないかと常々体感しているので、藍染めでどんな健康効果があるのか楽しみです。
柿渋染めのTシャツも一枚持っていますが、柿渋染めの衣類は抗菌、防臭、保湿効果があるそうです。
柿渋にはポリフェノールが赤ワインの10倍以上含まれていて、陰陽ライフでも5年前から飲む柿渋「玉の渋」を取り扱っていますが、藍も古くから葉や種子の煎じ液が飲まれているようで、『原色牧野和漢薬草図鑑』(北隆館発刊)には、「生藍の葉、乾燥葉、種子の生および煎じ液が、消炎、解毒、止血、虫さされ、痔、扁桃腺円、喉頭炎に効果あり」と記されています。
つまり、柿渋染めにしろ藍染めにしろ、飲んで効果があるものを草木染めに使ってきたということになります。
後世に伝えたい、残したい、先人の知恵ですね。