2010年6月に海の精株式会社を退職して陰陽ライフ株式会社を立ち上げて今年6月で丸10年になります。
そもそも、なぜ独立して陰陽ライフを設立したかったのか、改めて10年前を振り返ってみます。
オーサワジャパン時代もそうですが、海の精でも商品開発が一番好きな仕事でした。
商品開発といっても特別な新商品を作るわけではありませんが、無添加、無化学調味料、無農薬栽培、伝統製法といった、本来あるべき当たり前の食を取り戻す仕事は、とてもやりがいのある仕事でした。
ただ、会社の場合は企画の段階で売上や利益を予測しなくてはならず、そこで没になる商品もたくさんありました。
また、運よく発売できたとしても、売上や利益が基準以下だと途中で取扱中止になってしまいます。
本当に世に出したい商品は生産者との信頼関係によって生まれるものですが、売上が少ないからと中止にしてしまうと、信頼関係を損ねることになり、生産者の生活を脅かすことにもなりかねません。
実際にそんな経験が何度もあり、生産者の方にご迷惑をおかけしたこともあります。
たとえ売上が少なくても、出し続けて守らなくてはいけない商品があります。
商品というより伝統食文化といったほうがいいかもしれません。
そんな伝統を守る職人が細々と作り続けてきたものを売上基準で切り捨ててしまう。
そのようなことはしたくないので、陰陽ライフでは従業員は雇いません。
何年か前の塩麹ブームの時、オリジナル商品の「玄米&白米 塩麹の素」は競合がなく、引く手あまたで注文が殺到し、営業をかけて会社を大きくするチャンスでしたが、自然にブームが去るのを待ちました。
これからも初志貫徹、誰にも邪魔されずに好きな商品を開発します。