マクロビオティックでは食べ物を陰性と陽性に分けるのですが、これが曲者で、言葉のイメージから、陽性=身体に良い食べ物、陰性=身体に悪い食べ物、と誤解しやすいのです。
桜沢如一先生が活躍された時代は陰性病の結核が多かったため、先生の本を読むと、陰性を排除し、陽性なものばかりを勧めているように読めてしまうのです。
玄米ご飯にゴマ塩、味噌汁、金平ごぼう、ひじき蓮根、ねぎ味噌、古漬けタクアンといった陽性な基本食です。
金平ごぼうも、ひじき蓮根も、ねぎ味噌も、陽性で日持ちがするため、毎食おかずを作る必要がなくて、男子学生にはうってつけなのですが、こんな陽性食ばかり食べていると身体が陰性を求めるようになり、果物や砂糖をやめてしまうと、アルコールに走ることになるのです。
もともと酒好きだったのが、ますます強くなってしまい、学生の分際で、日本酒だったら5合、ビールだったら大瓶5本は飲まないと酔えないぐらい酒豪になってしまったのです。
身体の声を聞いて、身体が欲するものをきちんと料理して食べていればバランスが取れていたのに、頭だけで判断して陽性食に偏っていたのです。
青菜のお浸しとか、柑橘系の搾り汁を使ったサラダとか、陰性な料理も必要なのに、とにかく身体を陽性にしなくてはと、アンバランスな食生活を続けていました。
もっとも、陰性な料理は、その都度作らなくてはならないものが多く、男子学生にはちょっとハードルが高かったかもしれませんが。
幸い、24歳で結婚して妻が食事を作ってくれるようになったので、バランスが取れて、酒量は減りました。(薄給の身だったので経済的な問題もありましたが)