マクロビオティックの提唱者である桜沢如一先生が目指したもの。
それは、健康と幸福への道であり、平和と自由の原理でした。
先生は、そのことを命懸けで世界中に広めようとしましたが、広まったのは健康法としての食事法だけで、それも一部のマニアの間に限られていました。
なぜ広まらなかったのか?
それは、健康より病気、幸福より不幸、平和より戦争、自由より不自由のほうが儲かるからにほかなりません。
みんなが健康、幸福、平和、自由になってしまったら、困ってしまう業界がいかに多いことか。
だから、存命中も亡き後も、メディア、特にテレビではほとんど取り上げられませんでした。(平成の中頃に一度だけ民放で特集が組まれたと記憶していますが、それっきりでした)
書店では一時期「マクロビオティック」コーナーができるほど、たくさん書籍が発行されていましたが、テレビではスポンサーから嫌がられたのでしょう。
昭和54年にオーサワジャパンに入社後、日本CI協会の月刊誌「新しき世界へ」(現「月刊マクロビオティック」)の裏表紙にオーサワの広告を掲載することになったとき、オーサワのキャッチコピーとして考えたのが
「健康と幸福への道 マクロビオティック食品」でした。
何年か経って、マクロビオティックを理解しないコンサルタントから、宗教臭いと言われて削除させられましたが、マクロビオティックの求めるものは、健康と幸福への道であり、平和と自由の原理であることは今も変わらないはずです。
食事によって身体の健康を確立すると精神も健康=幸福になり、幸福になると争いを好まなくなるので平和になり、平和になると縛られるものがなくなって自由になるのです。
桜沢先生の著書にたびたび登場する「無限の自由、永遠の幸福、絶対の正義」も、「健康」であることが大前提となります。
戦時中、ソ連に渡って米国との仲裁を頼もうとするなど、戦争をやめさせるために東奔西走し、反戦論者として警察に捕まり拷問を受けながらも、戦後は「世界政府新聞」を発行し、世界連邦運動に取り組まれました。
その時、執筆されたのが「平和と自由の原理」。
最後の2行が印象深い。
『今、スグ幸福で、平和で、自由でなかったら、イツ、人わ自由に、幸福になるのだ。又それが何のヤクにたつのだ! ! !』
戦後75年を迎えるにあたり、改めて読み直してみたい。