マクロビオティックを習い始めた学生の頃、桜沢里真先生や大森英桜先生から椎茸は極陰性と教わったので、干し椎茸を買うこともなければ料理に使うこともありませんでした。
結婚してオーサワジャパンに入ってから、農家から仕入れた天日乾燥椎茸を袋詰めしたり、時には虫がわいた椎茸をフルイでふるって再生したりと、干し椎茸が身近な存在になり、家でも椎茸でダシを取ったり煮しめに入れたりするようになりました。
当時、椎茸を料理に使うと台所中に椎茸の香りが充満し、香りの強さでも極陰性なことがわかりました。(香りは拡散なので陰性)
ところが、11年前に兼業主夫を始めてから、毎朝、晩ご飯用に鍋に水を入れて昆布と椎茸を浸けておくのですが、夕方、火にかけても昔のように香らず、ダシも椎茸臭くなりません。
なぜかな~と、ずーっと疑問だったのですが、先日、ある食品の展示会で椎茸屋さんに疑問をぶつけたところ、目からウロコの説明をしていただけました。
以下、要約です。
- 現在、原木椎茸はかなり減少し(10年で40%以上)、菌床椎茸が増えた。
- そもそも原木椎茸は2年半山の露地で栽培、菌床は3~6ヶ月でハウス栽培するので、その分、木の香り、椎茸自身の香りに差がある。(菌種にも依存する)
- また干し椎茸にする際、菌床椎茸は水分量が多いため乾燥時にかなり小さくなる&香りが飛びやすい傾向がある。
- 温暖化で木が同じものにならず、木ノ子である椎茸にも影響が出る。
このような理由で昔と比べると香りが弱くなったようです。
そういえば、最近、某自然食品店で購入した島根県産の干し椎茸が久しぶりに椎茸らしい香りがしたのですが、特長を見ると、「原木栽培、低温製法、天日仕上」と書かれていました。
マクロビオティックの手当法に「椎茸スープ」や「大根椎茸スープ」なるものがありますが、見た目は同じような干し椎茸でも、製法によって効能効果が違うのでしょうね。
久しぶりに勉強になりました。