プレマシャンティ開発チームの花井良平です。
前回、油汚れは「亀の子束子」だけでほぼ完璧に落ちると書きましたが、なぜ油が落ちるのか、なぜ束子が油でギトギトにならないのか、との疑問を抱いてしまい、亀の子束子のホームページを見てみました。
隅々まで見ても、そのことについては記されていませんでしたが、会社沿革を見ると、創業はなんと明治40年(1907年)!
100年以上の歴史があり、現社長は創業家の五代目。
亀の子束子がこれだけ長く使われているということは、やはり使い勝手や洗浄力が認められているのでしょうね。
ホームページに「お問い合わせフォーム」があったので、上記の質問をさせていただいたところ、広報のご担当者から、さっそくご返信をいただきました。
『亀の子束子の素材であるココナッツ繊維には適度な油分を含んでいるので、油を吸収しにくく、
そのかたいココナッツ繊維の1本、1本の頭が、汚れを掻き出すため、油汚れを落とすことが出来ます。
但し繊維がかたいため、洗う対象によっては傷つきやすいので注意が必要です。』
なるほど、ココナッツ繊維は油を吸収しにくいんですね。
束子の種類がいろいろあるので、それぞれどのような用途があるのか尋ねたところ、
『弊社では、主に下記3つの素材を使ってたわしを作っています。
- ココヤシの実であるココナッツの繊維→亀の子束子
- 棕櫚の木の皮の繊維→棕櫚たわし極〆
- リュウゼツランの葉の繊維(=サイザル麻)→白いたわしサイザル麻や健康たわしのサトオさん など
また、1、2、3の繊維のかたさを比べると1が一番かたく、2は1に比べると柔らかめ、3は柔らかく、水を含むとさらに柔らかくなります。
素材の違いは、下記をご参照いただけますと幸いです。
https://www.kamenoko-tawashi.co.jp/learn/type
用途に関しましては、
- 亀の子束子→根菜類の薄皮剥き、鉄のフライパン、魚焼き網、スキレットなど
- 棕櫚たわし極〆→根菜類の泥落とし、まな板(包丁傷の中のよごれを掻き出す)、ザル、曲げわっぱなどの木製品、琺瑯製品、陶器
- サイザル麻→お皿(お皿についたちょっとした油汚れも)、りんごなどのワックス落とし、ユニットバスの壁や床掃除、身体のマッサージ用、肘膝踵の角質ケアなど』
そう、いつも泥付き牛蒡を亀の子束子でゴシゴシこすり洗いをしていましたが、皮も剥けてしまうので、2の棕櫚(しゅろ)たわしのほうがいいようですね。
束子のほかにも、スポンジやタオル、石鹸、箒(ほうき)があり、なぜか亀のイラスト入りのTシャツやトレーナーまで扱っていて、都内に直営店が2店舗あるようなので、近々伺ってみることにします。
お風呂で使える紐のついたボディ用束子を買えば、女房から「背中をこすって~」と風呂場に呼びつけられて軽石でこすらされることもなくなるかもしれません(笑)。
束子の世界も奥が深くて面白そうですね。