プレマシャンティ開発チームの横山です。
一年をとおして全国の生産者さんや圃場を訪ねて旅を繰り返すなかで、面白いなあと感じているのがお米の味の違いです。
みそや醤油などの調味料の味が違うのは、当然だと受け入れていましたが、お米の味の、感じ取れるほどの違いには正直、驚愕でした。土地の違い?水の違い??気温の違い???「違い」は「違い」の積み重ねで深まるもので、稲のように初夏から秋にかけて半年近く時間を費やし育つものには、それなりに「違い」が蓄積されるのだとは思います。甘みや味の深さ、舌触り。収穫し、乾燥し、脱穀しただけのお米は、水を加えて炊飯するだけで、日本の伝統的な主食である「ごはん」になります。たいして手を加えていないのに、産地や品種によって、味の違いがほんとうに顕著。シンプルでも複雑な、日本の味覚の深さと豊かさを示す代表的な日本食は、きっと「たきたてごはん」です。
このたきたてごはんを味わうお供は、うめぼしと番茶。味と食感にリズムが欲しくて、ふりかけを探しましたが、どれも時々の気分によって好ましかったり、別のものが欲しかったりと、結局、食べきる前に種類が増えるばかり。味のバラエティが豊かな証拠なのだとは思いますが、定番で「旅のお供セット」に持ち歩きたい私には、どれもこれも、少々複雑すぎました。ふりかけの中の乾燥たまごや梅フレークや味付けかつをといった具材もしかり。それ以上に複雑なのが、味付けです。塩や醤油、砂糖。甘さや鹹味やうま味などが重なって好みの味をつくるのですが、それにしても複雑すぎます。かといって、ゴマ塩では、塩味の調整がきかない上に、強すぎる。塩を微量加えると甘みを強く感じるのですが、ご飯がもつ甘みの深さと強さが地域によって違うので、その量は一定ではないのです。
ゴマ塩くらいシンプルで、でも塩味が強すぎないふりかけはないものか?
これが、有機 ごま屋のふりかけの出発点でした。
「有機 ごま屋のふりかけ」をそのまま口に含むと、甘さを感じる熟成した醤油の味を感じます。ごはんにふりかけると、梅や山椒の味がふわっと引き立ち、ごまの香ばしさと味の層をつくります。
ごはんに混ぜ込むと、醤油の味がお米にひろがり炊き込みご飯のような味付けにかわり、ごまと梅や山椒は味にメリハリをつけます。
本醸造醤油のみのシンプルな味付けのごまに、塩と有機栽培梅、有機赤紫蘇で仕込んだ梅干しを、種を外して実をほぐし、乾燥させただけのシンプルな梅のフレークと、収穫した山椒の実を、
すりつぶしただけの山椒パウダーを混ぜただけのふりかけは、炊いただけの米や、湯がいただけのパスタ、収穫したての葉野菜のサラダやおひたしなどには、面白いくらいに表情を変えながらぴったりと寄り添う万能調味料です。
ごまはもちろん、ごまの買い付けから焙煎、しあげまで大阪の胡麻職人「和田萬商店」さんにお願いしているので、ひとつぶ一粒がふっくら、香ばしく仕上がっています。
「和田萬商店」の心臓部ともいえる焙煎工場には、社長が自ら朝7時から終業まで、毎日つきっきりで入っておられます。目的はひとつ。
産地や育て方、品種によって、また日々変わる湿度や温度にあわせて焙煎を見極めるためです。
その日の胡麻の粒の大きさや品質、品種や湿気などの度合いと気温や湿度の違いにあわせて炉を設定し、彼の眼と五感で仕上がりを確認されたごまたちは、
芯からふんわりと膨らみ、甘さや香ばしさのバランスも抜群です。焙煎されたごまを味つけるのも、気骨をもった和田萬商店の職人たちです。
今の旅のお供は、梅干しと番茶と有機 ごま屋のふりかけ。口の中や気分をさっぱりさせたいときには山椒を選び、ちょっと疲れているかなという時には梅干しを。新米がはじまるこの季節、素材にぴったりと寄り添うふりかけを超えたふりかけの実力を実証すべく、旅を企画中です。