1月某日、京都で「五感を呼び覚ます料理教室」を開催しました。
講師は、良質なオリーブオイルが好評の株式会社アサクラ・代表の朝倉玲子さん。
会社のホームページやメルマガ、『オルチョ通信」では、イタリアの生産者さんやオリーブオイルに関する話題やレシピ、ご自身とオリーブオイルとの出会いや食への想いが愛情たっぷりに綴られており、開催前から興味津々!
料理教室では、
– 和食とは異なるイタリア家庭料理でのオリーブオイルの使い方
– 素材の美味しさを引き出す調理方法(今回は冬野菜)
– 美味しいオリーブオイルの選び方
をご紹介してくださると聞き、この日を楽しみにしていました。
良いオイルを持っていても、その良さを十分に生かせなければもったいない!ということで、見て、嗅いで、食べて、自分の五感をフル活用して使い方を覚えていきます。
この日のメニューは
●ブロッコリーのアーリオ・オーリオ
●玉ねぎクリームのホワイトソース
●ファッロのペンネ・マッシュルームソース
●オリーブオイルおにぎり
●シンプル・サラダ
ご覧のように、イタリアでは一品にあれこれと素材を盛り込まず、今日のパスタにはトマト、サラダには葉野菜などと、シンプルな素材の組み合わせが多いそうです。
まずは、アサクラさんのオリーブオイルの食べ比べから。
「EVOオルチョサンニータ」「ボルゴデイサンティーニ」「わら1本」「アックアサンタ」の4種類です。
「栓を開けたら、まず香りを嗅いでみて」と朝倉さん。
今はいろんなオイルが流通しているし、健康情報が氾濫しているけど、何よりも頼りにすべきは自分の感覚。”自分軸”を持ってオイルを選んでほしいと話します。
ちなみに、アサクラさんのオリーブオイルは全銘柄シングルエステートといって一箇所の生産者さんから買い付けされたもの。オーガニックまたは自然栽培のオリーブのエクストラバージンオイルです。
それぞれにコクも香りも異なる個性ある味なのですが、
なによりも衝撃的だったのは、食べた後、舌に残る鋭い辛味とわずかな渋み!
えっ、本物のオリーブオイルってこんなに辛いの??
オリーブの実を食べたことはありませんが、
オリーブは本来辛くて渋いものだそう。
それが新鮮な証なんですね。
朝倉さんによると、辛味のないオリーブオイルは古いか、
他のオイルなどが混ざっているとのこと。
それって、これまでに私が食べてきたオリーブオイルだわ!
賞味期限や原産国などの表示の裏側、
大手ブランドの大半は外国産オリーブなどを混ぜざるを得ない事情など、
イタリアのオリーブオイル産業の衝撃的な事実も初めて知りました。
今までのオリーブオイルはもう買えない……。
オリーブオイルに限らず、ホンモノを見極めるためには、
「自分の五感を使う」ことが大事とのこと。
良いものを食べ続けていると、変なものを食べた時にわかるようになる。
1日〜2日でわかるようになるものではないので、
経験を積んで舌も感覚も鍛えないとな、と思いました。
料理のデモンストレーションでは、
最初にブロッコリーのアーリオオーリオを。
ニンンクの切り方(潰さない、丁寧に切ることで後で臭いが残らない)、
油を熱しないうちにニンニクや素材を入れる、
さらには塩も初めから入れておく、
塩分の濃度、ブロッコリーの長い茹で時間などなど…
書ききれないほど「目から鱗」のポイントを教えていただきました。
それって、今までやってきたことと全然違う。
でも食べてみるとすごく美味しい!
玉ねぎクリームは、ホワイトソースのように使います。
切り方ひとつ、炒め方ひとつで、
こんなに玉ねぎって美味しくなるの?と嬉しい驚き。
素材の旨味が最大に引き出されたか、
ちょうどいい塩梅か、
なんでも味見して確かめる。
いやあ、いかに普段の料理を雑にやっているか、
頭で考えてやっているかを反省しました。
それから、低温乾燥のパスタを初めて食べました。
というか、低温とか高温があるのも知らなかった!
アルデンテがうまくいくと食感がシコシコするものだと思っていましたが、
じつは高温乾燥して固くなっている麺の特徴だと。
本来、麺は釜揚げで食べるもの。モチモチするのが良質の証なのだそうです。
アサクラさんのパスタは、精白されていないセミ全粒、無肥料・無農薬。
後ほどいただいたショートパスタの美味しさといったら!!!
香ばしさ、もちもち食感、噛みしめるほどに口に広がる穀物の甘み。
完全にハマりました。
最後は、みんなで試食。
生のオリーブオイルの辛味やクセは、
加熱調理するとまったく気になりません。
むしろ、食材の味の最高ポイントが引き立てられ、
食材ひとつひとつがすごく美味しい。
朝倉さんは使う食材について、
「最低限オーガニック。できれば自然栽培」と仰っていました。
農産物は土壌がすべて。
シンプルな調理法だからこそ、使う素材の質が直結してきます。
おにぎりにオリーブオイルを混ぜるのも、
海苔にオリーブオイルをたっぷり塗って巻くのも初めてでしたが、
これはこれから我が家のスタンダードになりそう!
さっそくアサクラさんのオリーブオイルを購入しなくちゃ。
まだまだ、他の料理についても知りたいことがいっぱいでしたが、
次回のお楽しみに。
「見たものがすべて」「自分の感覚で」と繰り返し仰っていた朝倉さん。
コロナ渦で対面のイベントに参加する機会が減っていましたが、
なにかを学ぶには、なによりも自分の目で見て、聞いて、
感覚に落とし込むことが大切だなと、あらためて感じました。
アサクラさんの料理教室では、
料理の常識が変わる&
オリーブオイルを使うのが本当に楽しみになる!
みなさんもぜひ参加してみてくださいね。
*朝倉さんによる過去の『らくなちゅらる通信』での連載記事はこちら