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フランスで「八丁味噌」~ 美食の国で考える

投稿日: 2018年6月15日 更新日:

プレマシャンティ開拓チーム 横山@フランスです。
日本を扱ったミニコミ紙で、愛知の味噌に関する記事を見つけました。

醸造関係の方や愛知県でお仕事をされている方とのお付き合いが深いために、頻繁に耳にするのだと思っていたのですが、改めて調べてみると、とても広い範囲で話題になっていた様子。今更ながらに驚いています。

 

 

自分自身の学びも含め、以下にざっと背景を整理します。
ご存知の方には余談になりますので、読み飛ばしてください。

2014年に「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」が、産地の名称を知的財産として登録し、保護する目的で制定されました。夕張メロンや神戸牛などがその例です。生産者の努力で味や品質が向上し「市場」に認められた結果、「産地」に付加価値が生まれ、特定産地名の商品が他よりも高価で取引されるようになった反面、同じ産地名をつけた「類似品」が出回るようになりました。消費者には本当にその「産地」から来たものなのかの判断も難しく、またその産地にルーツを持つ「たね」を別地域で育てたものなども混ざりはじめ、産地の範囲も曖昧になっていたりと、「産地」の信頼を損ねる要素が増えてきたこともあり、地域名称のブランド化がはじまったようです。この法律によって産品と関係付けられた地域名称が知的財産として登録されるようになり、登録された商品には、地理的表示産品であることを示すGIマークが表示されるようになりました。
愛知の味噌は2017年末に「八丁味噌」の名称でこのGIマークの登録を受けたのですが、この際、岡崎市の老舗2社、合資会社八丁味噌(カクキュー)と株式会社まるや八丁味噌はこの対象外となりました。

「八丁味噌」の地理的表示保護制度へは、2015年に先の老舗2社と愛知県味噌溜醤油工業協同組合がそれぞれ申請を出しました。一括で申請がなされたなかったのは、「八丁味噌」の定義の違いです。
老舗2社は「八丁味噌は岡崎城から西に八丁(800メートル余)離れた場所で生まれ、醸造されてきたものである」と定義し、組合は「愛知県でつくられた豆味噌が八丁味噌である」と定義していたため、両者の主張が地理的表示保護認証の登録という場で議論されたわけですが、同制度管轄省である農林水産省の判断は「愛知県」という枠組みを優先し両者に申請の一本化を要請しました。江戸時代からの歴史と伝統を持つ合資会社八丁味噌と株式会社まるや八丁味噌は農水省の判断を良しとせず、申請を取り下げ、結果、2017年5月の現時点では老舗2社は「八丁味噌」の認定マークの対象外となっています。

地理的表示保護制度は、日本だけの制度ではありません。
シャンパーニュやロックフォール、コンテ、コニャックなど日本でも良く知られているチーズやお酒には地域の名称を掲げたものが多く、特に欧州では非常に盛んです。チーズを例に挙げると、AOC、DOP、AOPなどが地理的表示保護制度に該当します。世界貿易機構(WHO)によっても、また世界知的所有権機関(WIPO)によっても厳格な定義がなされており、国際的にも積極的に「地理的表示」の保護に取り組んでいます。
2017年12月に欧州連合(EU)と交渉が妥結したEPA(自由貿易協定)には、この地理的表示が当然のごとく含まれ合意されていますので、日本での「地理的表示」認定商品がEU圏内での保護対象となるわけです。

古くから厳格な審査基準を設けて地理的表示制度を運営してきた欧州の中でも、チーズとワインという分野ではとびぬけて厳格な審査を続けてきたフランスの地理的表示制度は、世界最高峰といっても過言でないくらい信頼の厚い制度です。2回の大戦の負債を「食」の輸出でまかなったのだと豪語してやまないこの国で、日本の伝統食品に対する地域認証制度が話題にならない訳はなく。「地理的表示(GIマーク)」対象品目は好奇心の対象となり、その実情をしろうとする民間団体もあったりします。事実を伝えるのが大好きなのかフランスのこの手の報道には概してドラマ性がありませんが、過去にはオーガニックを売り物にするスーパーで販売している非有機の生鮮食品を調べ、調査結果とその過程とともに「一般スーパーよりも残留農薬値の高い商品を販売していた店名」を淡々放映していました。あくまでも事実の羅列と現地調査が基本のこの手の報道機関が日本に来たとき、「八丁味噌」の認可がどう受け止められるのか、日本の「地理的表示」がどう受け止められるのか、更には日本という国の体質がどう受け止められうのか、大変興味があります。

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

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「八丁味噌」と名乗っていません。

尾張地方の伝統の味。国産大豆と塩だけをじっくりと最低2年は熟成させた、風味と香りのよい豆味噌です。

プレマシャンティ 熟成豆味噌を見てみる>>

フランスで「八丁味噌」~ 美食の国で考える

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執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。 ビーガンジェラートマエストロ 2018年イタリアジェラート協会(SIGA)開催の国際コンテストでダブル受賞

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山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

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花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

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岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

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久野真希子 (くの まきこ)

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山崎美穂 (やまさき みほ)

「仕事と家庭を両立しながら頑張っています!」プレマ株式会社プロモーションセクション プロモーター

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寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

1級電磁波測定士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

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城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

自然療法や波動医学を実践。解熱剤や抗生剤等を使わず3人の息子を育てている。九州在住でご当地商品の開発担当。

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峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。

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上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

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堂尻友子 (どうじり ともこ)

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2017年入社。プロモーションセクション プロモーター。
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興味のあることは、考える前にとりあえず行動。
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西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。
典型的なO型と言われます。考えるより先に行動してしまい後から困ることも多々。犬と小学生との世話に明け暮れる日々です。

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望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。