累計122万件出荷!自然食品・自然療法・エコロジー・らくなちゅらる提案サイト

料理人がみる世界

みりんと云えば?

投稿日: 2018年1月9日 更新日:

料理酒もみりんも、醸造というだけあって蔵によって特徴が違います。
みりんは得てして脇役なもので、蔵による味の違いがあまり強調されていないように思います。日本酒はもちろん、醬油やみそも味比べするのに、みりんはないんだ?と不思議でしたが、プレマシャンティで味醂ができると決まったので・・・開発チームの横山は、2015年春頃から、かねてからの念願「利きみりん」行脚としゃれこんでいました(私は下戸です 笑)。

みりんといえば、三州三河(愛知県碧南)と千葉県流山。
愛知県碧南から岐阜にかけてはみりん蔵があつまていますし、千葉県流山から野田にかけてもいくつかの蔵があります。醸造なので、蔵ごとにも特徴がありますが、大きくわけると色目で区別が出来てしまいます。曰く、「愛知の琥珀色のみりんに対して、千葉の白いみりん」。みりんは「はちみつみたいな琥珀色」と思い込んでいただけに、千葉の無色透明なみりんには驚きす。

知られたところでは、千葉は、流山の「マンジョウ(万上)本みりん」、 佐原の「最上白味醂」、野田の「宝船」。三河は碧南に集中して、「三州三河みりん」、「愛桜」。それから岐阜の「七福寿」。ざっとこのあたりでしょうか。
プレマが一番お世話になっているのが「三州三河みりん」で、実はこれ、北米では別の名前で動いています。(大昔からお世話になっていたのに、ほんの数年前に知りました。)

みりん醸造の方々と話をすると、「みりんには酸味は不要」とおっしゃいます。正しく表現するなら「あってはならない味」という表現に近いようです。業界には往々にして力の強弱があるので、1票が1票にならない変な理屈もあるのですが、「酸味」に対する考え方は大小関係ないみたい。ですので「三州三河みりん」は、ある意味規格外。飲み比べると明確に、甘さの最後にちょっとした酸味を感じます。この「酸味」、面白いくらい他のみりんにはありません。みりんはもちごめと焼酎と糀を醸造させる「酒類」ですから、この酸味はどこからくるのか?という疑問がでます。産地や配合、糀が違えど、「酸味」を生じる要素はありませんから、どうやら蔵によるらしいと予測ができます。まあ、砂糖のかわりと位置付けてしまうと必要なのは甘みですが、砂糖にも「酸味」はありますから、不要とされる理由はいまいちわかりません。脇役に個性は不要、というところなんでしょうか?(でも、脇役に個性がない芝居は面白くない、と私は思うのです。)
ちなみに・・・もし「三河のみりん=酸味がある」と思っておられるなら、是非 愛桜や もお試しください。今までの概念が崩れ落ちますし、みりんが面白くなること間違いなしです。

琥珀色のみりんは、色目にもみえるとおり味にねばりがあります。ねばりは、あとにずうっと残るというニュアンスですが、後ひく味というのともちょっと違い、舌に絡みついて残る感じです。白いみりんは、これと比較するとさらっとしています。どっちがいいのか?と聞かれても、あくまでも好みと用途。魚介の臭みを消すなら断然「琥珀のみりん」で、野菜の煮物なら「白みりん」という感じでしょうか?「琥珀色」はカラメル色素ではなく、メイラード反応と呼ばれる糖化反応のひとつ。熟成させるとついてくる色合いだそうです。ということは、(三河に限っていうなら、)長期間熟成させなければ白いということ?醤油や日本酒のように多くの蔵があるわけでもなく、母体が限られているため、敢えて熟成前に出そうとするところはまずありません。尾張・三河で味比べなんかできないよな~と思っていたら、出会いました。熟成前の白いみりん。

ひとくち頂くと、初対面は印象が薄いのに、あとからじわじわ。
ちょっとこの子、誰?最初からいた?という感じ。
火を入れると味が変わるし、「あ、いいなあ」と一目ぼれでした。

この出会いが、2015年末。
次の仕込みがあがっていたらとお約束して、首をなが~~~くして待っていたら、なんと●税さんが「きらーん!」と目を光らせたせいで、お蔵入り。
いつまでたっても出てこない 汗
製造方法に、国○さんが気になるような「個性」が加わっていたらしく、曰く「これは製造方法がみりんではなく。。。」で、ひと悶着。
無関係な外野の私が、「どうみてもみりんでしょう!」とツッコミを入れたところで、状況は変わるわけではなく、泣く泣く待ちぼうけをする羽目に。待っている私は待っているだけで済むものの、醸造元は恐らく大変なご苦労です。

 

そして、待ちぼうけること、数か月。

蔵から出てきたから良し、としましょう。
何がどうだったのか、詳しいことは知らぬが華、らしく・・・知らないままです。
長々と待った甲斐あり、控えめなのに忘れがたい、一度見るとまた見たくなる桜のような、一度口にするとまた欲しくなるみりんが出てきました。

三河ではないものの、蔵はもちろん愛知県。
似かよった水の質でつくる「琥珀色でない」愛知のみりんです。
千葉の白みりんとは違って、琥珀みりんのような舌に絡む味。けれど「さらりと飲める」キレのあるみりん、とでも表現しましょうか。白身魚や魚介との相性は良くて、しょうがとあわせて煮付けると当然、期待どおりに仕上がります。意外と相性が良いのが、鶏もものような脂ののった動物性のお肉。カモ肉も最高。あとは意外と、玄米をつかった炊き込みごはん。すこしいれると、照りと艶だけを増して、みりん臭さと味が消えます。食欲と視覚情報は強く繋がっていますから、味付けではなく、見た目から食欲を刺激するのにも活用ください。

ちなみに、料理酒も同じ蔵で仕込んでいます。飲んでも悪くないお酒ではあるものの、おおっぴらに「晩酌にどうぞ」といえないのが残念です。みりんと料理酒、蔵がおなじだからなのか、この子たちもお互いに相性が良く、微妙なさじ加減も必要なくて、あれこれ考える面倒がなくて個人的には気に入っています。

この記事を書いた人

プレマシャンティ開発担当。料理人
横山奈保 (よこやま なほ)

日本生まれ、海外育ち。
肉体の極限を追い求める競技者として育ち、肉体と食、食と精神、精神と肉体の関係を知る。現プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

自然食品 通販 おすすめ アイテム

色目薄く、使いやすい、あっさりみりん

本みりん独特の癖が弱いかわりに、多くのお料理に使いやすく、また飲んでもおいしいみりんになりました。砂糖のかわりに、煮物や炒め物などのうま味に。

プレマシャンティ 古式 純米本みりんを見てみる>>

みりんと云えば?

びんちょうたんコム

累計122万件出荷!自然食品、健康食品、スキンケア、エコロジー雑貨、健康雑貨などのほんもの商品を取りそろえております。

びんちょうたんコム 通販サイトへ

執筆者紹介

中川信男

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。3人の介護、5人の子育てを通じ、東西の自然療法に親しむ。 ただし、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。
1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社 代表取締役。
2018、2019、2020年イタリアジェラート協会開催の世界大会で3年連続入賞。
宅地建物取引士、電気工事士(2種)、健康不動産株式会社 代表取締役、電磁波環境測定対策士組合長。
趣味はマリンスポーツ。脳内は基本、海か湖のことを考えている。

久野真希子

久野真希子 (くの まきこ)

2010年入社。海外事業担当。「フォーリア」や「コトー・ナンテ」などさまざまな輸入品の取り扱いにはじまり、海外での事業展開を進めています。

岸江治次

岸江治次 (きしえ はるつぐ)

20代に桜沢思想に出会いマクロビオティックを始め、新卒でムソー株式会社入社、及び、正食協会にて30年間勤務。現在プレマ株式会社執行役員

横山奈保

横山奈保 (よこやま なほ)

プレマシャンティのお母さん。突き詰め出したら止まらない、研究者気質でマニアックな料理人。

花井良平

花井良平 (はないりょうへい)

学生時代からマクロビオティックを始め、オーサワジャパンにて27年間勤務し、同社社長を歴任。その後、海の精企画部長。現在陰陽ライフ代表取締役

山口勝弘

山口勝弘 (やまぐちかつひろ)

1955年 大阪市生まれ。 アルファウェーブ開発者。

山崎美穂

山崎美穂 (やまさき みほ)

「仕事と家庭を両立しながら頑張っています!」プレマ株式会社プロモーションセクション プロモーター

上ヶ谷友理

上ヶ谷友理 (うえがたに ゆり)

娘たちは2人とも生まれつき卵・牛乳アレルギー&アトピーで、小さいころは食べるものや日々の生活に四苦八苦していました。これからは自分自身の健康も意識しながら、前向きに笑顔で過ごしていきたいです!

寺嶋康浩

寺嶋康浩 (てらしま やすひろ)

電磁波環境測定士協会理事長。電磁波対策だけしかしない第二種電気工事士。関西大学工学部卒。
広告制作や宣伝に携わる傍、身体、心、食事、運動4つの面から健康をサポートする
ポラリティセラピーやクラニオセイクラル(頭蓋仙骨療法)を学ぶ。2011年、父の死を機にボディワーカーに転身。全国で述べ1,000人以上の身体と向き合いセルフケアを提供している。趣味は山登り、古武術、ダンス。

坂井歩

坂井歩 (さかい あゆみ)

ひとたびハマると、どっぷり浸かってしまう根っからのオタク気質。恐竜、日本史、きのこ、首都、絵本、百人一首……子どもの成長にともない、その無駄な知識をひけらかしては喜ぶ毎日。

西村初美

西村初美 (にしむらはつみ)

京都生まれの京都育ち。2013年よりプレマ勤務。普段はおっとり型なのに、考えるより先に見切り発車で行動してしまい後から困ることも多々。犬と中学生との二人と一匹暮らし。

中川愛

中川愛 (なかがわあい)

1996年、インド生まれ。帰国後は男の子と外を駆け回る活発な幼少期を過ごす。小学4年から中学までをかつやま子どもの村小中学校で、高校はきのくに国際高等専修学校で充実した学校生活を送る。立命館大学を卒業後、母校のかつやま子どもの村小中学校で教員を務め、2022年プレマ株式会社に入社。

望月索

望月索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。

内田光香

内田光香 (うちだ みか)

編集職を経て、2021年入社。生まれた時から数多くの土地で暮らし、各国を旅した経験から、そこだけの「人・もの・文化」の魅力を伝えるのがライフワーク。
おいしいヴィーガン料理を愛する食いしん坊。野菜ぎらいな小学生の娘と二人暮らし。

十二村英里

十二村英里 (じゅうにむらえり)

プレマルシェ・スタジオ中目黒でイベント運営や展示販売などを担当。2021年に待望の第一子を妊娠し、翌年に無事出産。新米ママとして育児と仕事に奮闘する日々。

鈴木 啓子

鈴木 啓子 (すずき けいこ)

現代の忙しい女性たちに、米ぬかと大豆の自社製品を使った簡単で美味しいレシピや食材をまるごと食べる一物全体の大切さをイベントや講座で伝えています。

松本春菜

松本春菜 (まつもとはるな)

ジェンダーフリーの長男と、ラガーマンの次男を育てる2児のシングルマザー。子どもたちも大きくなり、子育てに余裕が出てきたのでいろいろなことに興味津々。

堂尻友子

堂尻友子 (どうじり ゆうこ)

自然への畏敬の念と自然食品への関心を深める。システム管理会社勤務を経て、現在2児の母。プレマシャンティのデータ&家電担当。

城島淳子

城島淳子 (じょうじま じゅんこ)

自然療法や波動医学を実践。解熱剤や抗生剤等を使わず3人の息子を育てている。九州在住でご当地商品の開発担当。

峰村東子

峰村東子 (みねむら はるこ)

発酵などの実験・体験が好きなみそソムリエ。家にある発酵中の瓶は数知れず。 まれに個人で調味料作りのワークショップ開催。週末は卓球に勤しむ2児の母。プレマ株式会社 東京在住スタッフ。