プレマシャンティ開拓チーム 横山です。
どこにおられますか?
お元気でおられますか?
多くの方にお気遣いとお声掛けを頂いています。
ありがとうございます。
展示会を行脚する年明け以降、
日本国内に釘づけです。
フランスで働くパートナーから離れ、日本で気ままに仕事をする自分を、「逆単身赴任です」と冗談にしていたのに、自由な移動が叶わなくなった今、”無期限別居”に突入してしまいました。
気軽に行き来が出来なくなって、
大活躍しているのがビデオコールです。
話すためのビデオコールではなく、
ライブストリーミング。
お互いが仕事をしたり、ご飯を食べたり、
本を読んだり、テレビを見たり・・・
同じ空間にいるような雰囲気をあじわうための
時間と仮想空間の共有です。
ポケットに入っているような、机の上に座っているような、
奇妙な感覚なのだけれど、仕事をするパートナーを
ここまで間近で見たことはなかった私には、
驚きと発見が多くて大変興味深いです。
一番興味深いのは、
会議(打合せ)の風景です。
多くの方がご存知のとおり、フランスは現在
かなり厳しい外出制限のもとにあります。
パートナーの会社も例外なく、フランス本土は
全員在宅勤務を命じられています。
日本の会社と変わらず、四六時中 打合せがあったり、
トラブルが起きるたびにコールが飛び交ったりと
一日に結構な回数の会議があり、必然的に皆「自宅」から
会議に参加するわけですが・・・。
必ずと云っていいほど、子どもの声が聞こえてきます。
大体は1時間~1時間半程度の会議が始まって、30分くらいたったころ。
ママ―、パパーと呼ぶ声だったり、何かを報告にくる声だったり、時には子ども同士の喧嘩が始まったり、様々です。
その後、また30分くらいたったころ、再び子どもの声がします。
1回目よりももっと近くで、単に様子をうかがいに来るときもあるけれど、親に早くこっちに来いと訴える声だったり、すっかり機嫌を損ねてぐずる声だったり、時には泣き出す子どもだっています。
退屈なのか、気になるのか、はたまた注意が欲しいのか・・・
年齢によっても、行動は様々です。
興味深いのは、そういう子どもたちに対するおとなの反応です。
まず、会議に参加している第三者。
パートナーを含め、会議に参加している人たちは、子どもの声が聞こえようが、泣いていようが普通に会議が進んでいきます。誰も動揺してはいません。
そして、子どもが近寄ってきた本人。
声を荒立てるでなし、かといって知らない顔で会議に参加し続けるわけでもなく、自分が発言している途中でも、区切りがついたら離籍して、子どもに「今、私が何をしているか」を説明します。
いつまで、どうしてほしいか。
それが終わったら、一緒に何をするか。
一緒に居たいという子どもは、椅子を持ってきてすぐ隣に座っていたり、時にはひざに座ったり。
でも必ずひとつお約束。
それは「お仕事のお手伝いをすること」。
ここには「静かにしていること」も含まれているようです。
彼らの子どもとの付き合い方を見ていると、普段から、
ひとりの人間として一対一で話をしています。
もちろん、叱る時は叱ります。
声を荒げる時だってあるのですが、叱った後には「なぜ叱ったのか」を説明し、子どもには「どうしてその行動をとったのか」を説明する機会が与えられます。そのうえで、大人が、親として、人生の先輩として、「何が問題だったのか」をちゃんと説明するのです。
言語体系の違いも、文化背景の違いも、もちろんあるのでしょうけれど、
子どもだって「社会の一員である」という姿勢が垣間見えたりするのです。
今までパートナーの会議を見てきて、一番面白かったのは、
お母さんが登場したこと。
「あら、失礼。うちの息子をよろしくね。」
そう声をかけカメラを覗き込んだご母堂に、参加者たちは「こんにちは!」と返事をし、その後、何事もなかったように会議を続けていました。
ひとりで暮らしでない以上、子どもが騒ごうが、家族が登場しようが、当たり前。
普段 暮らしている空間が、突然に仕事の場を兼ねるのだから、これで「当たり前」なんでしょうね。
日本の方とビデオ会議をすると、「すみません」「ごめんなさい」を良く聞きます。
「うるさいでしょう、ごめんなさい。」
「すみません、子どもがいるので騒がしくするかも知れません。」
日本の方らしい心遣いであり、気配りだなあとも思います。
同時に、生活の場が「仕事場」と兼用されるのは、お互いさまかなとも考えます。
打合せのたびに、静かな部屋に移動をしたり、雑音が入りにくい場所を選んだり。
仕事をするたびに、子どもや家族を遠ざけたりするのもバトルだし、仕事をしようと準備をしていても、子どもに振り回されたりとなんだか疲れる!という声も沢山聴くようになりました。
メリハリと云う意味でも、リズムは必要。
スーツ着用とまではいかなくても、デザイナーの石津 謙介さんが提唱されたTPOは尊重したいし、自分の生活リズムを維持するのにも、服を着替えて「仕事」モードに切り替わるのも大切です。ですが、懇意にお付き合いをしている先や、社内でいつも仕事をしている仲間たちに、自分の家族を紹介してしまうくらいの気軽さがあってもいいのではないでしょうか。
子どもは親の背を見て育ち、親は子に教えられると申します。
私がいうのも烏滸がましいけれど、子どもたちに「仕事のお手伝い」をお願いし、同じ部屋でともに、子どもたちは自分の、大人は自分の、それぞれの「仕事をする」スタイルが生まれるいい機会かもしれません。