今回は前々回の食の基本要素について私なりに続けてみたいと思います。第一に霊長類のヒトと人の食文化の違いを、第二に歯の数や種類からの考察、第三に人間が住む環境によって、その環境にあったものを食べて来ているのだから、異文化の食をあまり摂りすぎない。そして今回は四番目としてマクガバンレポートというものをご紹介します。1977年にアメリカの上院議員のマクガバン氏が「心臓病・脳卒中・ガンなどの殺人病と食事の因果関係は極めて深く、これらの殺人病の流行はこの半世紀のアメリカ国民の食事の変化と歩調をそろえて今に至っている。先進国の食事は全く不自然でひどいものになっていた。その事に誰一人気づかなかった。しかもこんな内容の食事が先進国に多いガンも心臓病も糖尿病も生んでいた。我々は即刻食事内容を改めねばならない」ということを報告していますが、真実はどこかで隠蔽され我々には届かなかったということがあります。これに引き継ぎ最近では「葬られた第二のマクガバン報告」という本がグスコー出版からでておりますのでご紹介致します。これには牛乳の話など動物性蛋白質の害が科学的に書かれており、私の原稿よりももっと衝撃的ですので、是非ご一読ください。
第五に食と血液についてお話し致します。本来血液はサラサラの方が流れがよく健康なのはご承知の通りです。血液成分の赤血球が酸素を運ぶのですが、赤血球の直径はおよそ8ミクロン、毛細血管の直径はおよそ5ミクロンと言われています。末梢に入り込むために赤血球は断面の形を自在に変えるのです。しかし脂質が多かったり余剰蛋白質が多いと赤血球は連鎖状となり酸素を末梢に運べなくなります。
もちろん正しい食を摂っていても身体が歪んでしまうと流れは悪くなりますから、食だけでなく身体のバランスが大切なのです。後述しますが、そこには歯のかみ合わせや姿勢が関係してくるのです。
健康な時には上記を踏まえて感覚的に食べたいものを考えて食べる。というのが良いと思うのですが、病気の時は基本に戻り何を食べるべきかで病気の経過が変わってくるのです。もちろん薬が必要な場合もありますが、ヒポクラテスは食べないで治らない病気は医者でも治せないと言っていますから、現代医学が進歩しているとはいえ食が基本ということを忘れてはなりません。腸を綺麗にし血液を綺麗にし流れを良くすれば良いのです。
また、食べるに当たり一口最低30回は噛んで食べるようにしますとお口の中に唾液が出て、唾液の成分が発がんを予防し第一の消化器官である機能が果たされるのですが、時間がないからといって丸呑みしたり、飲み物で流し込んでしまうのは当然胃腸に負担がかかるので良くないのです。病気の方は一口100噛みと言われています。また食材により噛む回数を変えるのも効果的です。
昨今、テレビを見ながら食事するのが当たり前になってしまっている方が多いのですが、食事をするときの姿勢で首を横に向けながら食べるのは、歯に矯正力がかかり歯の並びを崩します。昔は姿勢を正して戴きますと言って食べていました。
食事の内容や頂くときの噛み方や姿勢などはとても大切ですが、それにプラスするのは感謝という想いではないでしょうか。感謝の想いの波動がすべてを包み込んでくれるのかもしれません。
色々書かせて頂きましたが血液を綺麗にするために腸を元気にするということを基本に、またそれは食べる物で決まるということを念頭において頂き、まだまだ奥深い食についてはこの辺で終わりにし、次回からは歯科についてもうちょっと詳しくお話ししてみたいと思っております。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師・整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |