それぞれの動物に役割がある

先日、BBC放送で禿鷹についての番組が流れていました。それまで禿鷹には全く興味がなかったのですが、とても気になる内容でした。そこには、アフリカ大陸や、インドにおいて禿鷹がドンドン大量死し減少しており、そのことがいかに人類に影響を及ぼしているのか……愕然とした真実がありました。
雨季の時期にヌーという動物が群れで川を渡りますが、渡れずに溺れてしまったヌーの死骸が、下流に流され時間とともに腐っていきます。その腐った死骸を食べて片づけてくれるのが、禿鷹なのだそうです。普通の動物では、その腐敗した肉を食べると、炭疽病や狂犬病などに感染して、死にいたります。しかし、禿鷹には金属をも溶かすほどの強い胃液があるために、腐敗した肉を食べても病気にならないので、きれいに後始末をしてくれているのです。
ところが近年、農薬に犯された草を食べた牛の死骸や、鎮痛剤を打たれた牛の肉などを食べた禿鷹が大量死しています。腐敗菌では死なない禿鷹が、人間の作った農薬や化学物質で大量に死んでいるのです。その影響で、インドでは腐敗した動物の死骸があふれ、川を汚染し、狂犬病が増え、沢山の人が亡くなっているという事実を知りました。アフリカ大陸でも同じようなことが起きているのです。このことは遠い異国の地だけの問題ではありません。自分たちにも同じようなことが起きる可能性があるということです。農薬で動物たちが死んでしまうということは、人間も死なないと誰が言い切れるでしょうか。ミツバチや、いろいろな動物が大量死しているのに、自分には関係ないと思う身勝手なおこないが、すべての人間の危機に差し迫っているのです。結果的には、自分の首を絞めていることになります。
そのことを、なぜ知ろうとしないのか。なぜ目隠しして毎日を過ごせるのか。農薬を使っている方に、ぜひ、考えてもらいたいと思います

自分が創造できないものを壊している人間

一人ひとりの決断が、少しずつでも多くの人の意思に広がってくれることを真に願います。そうすることで、地球の自然が戻り、動物たちも自然の摂理に従って秩序を持って生きることができます。人間の愚かな考えが、自然を破壊し、たくさんの人の病気を増やし、愛する人との、悲しい別れに繋がるのです。
今、このときから自然の大いなる摂理に感謝して、毎日を生かされていることに感謝し、自然界のさまざまなものに畏敬の念を持って、それぞれが生きていけたら、争いもなく豊かな自然を守れるのではないでしょうか。
この番組は、自然を守ることが、結果的には自分自身のためにもなり、病気を減らすことになる……と、改めて考えるきっかけになりました。日本でも、このような番組をぜひ作ってもらいたいと思います。そして、学校でもこのような話をしてもらえたら、子どもたちの精神的教育にも、いい影響を与えるのではないでしょうか。

自然の大いなる摂理に感謝を込めて

私たちが必要としている空気も水も土も、すべて人間が創ったものではありません。人間には、同じものを創ることはできないのです。自然の摂理によって、長い時間をかけて創られたものです。
動物も同じです。やはり人間が創れるものではありません。自然の摂理は、誰も創ることができないのです。それなのに人間は簡単に自然を破壊してしまっています。そして、そのために、今までになかったような危険な病気や奇病、難病までも増えてきています。人間の歴史も、いまだに謎だらけです。大いなる力が働いて、できてきたものです。そのように貴重な体なのに、自然の流れに逆らって生きていたら、病気にならないほうがおかしいといえるのではないでしょうか。
一日一度は自然に感謝し、生かされていることに感謝し、食べ物にも感謝して生きたいものです。偉大なる自然に感謝を込めて。